ベランダなしでもOK！マンションで失敗しない「干し柿の作り方とコツ」

秋の終わりを迎えるころ、田舎の軒先では干し柿が並びます。皆さんは、子供の頃のそんな記憶はありませんか。

私は田舎暮らしだったので、おやつは軒下のまだ出来かけの干し柿を取って食べていた記憶があります。
今は大阪のマンション暮らしなので、干し柿とは長らく無縁になっていました。

ところがある日、急に昔のように干し柿が食べたいと思い付き、だめ元でマンションの室内での干し柿つくりに挑戦することにしたのです。

この記事では、ベランダを使わずマンションの室内で美味しい干し柿を、失敗なく作る方法を簡単にご紹介します。簡単な少しのコツで、特に失敗するような要素はありません。驚きの美味しさと、何より自分好みのネットリ感が最高です。

我が家のベランダは、共用部の管理が厳しくロープを張るためのフックを設けることができず、しかも毎日の洗濯物の邪魔にもなるので、妻からの許可もおりません。仕方なく、部屋の中で、無理やり干し柿つくりを始めたのはもう10年ほど前になります。
やはり一番の問題はカビでしたが、ネット調べた情報を頼りに焼酎で拭いたり、窓を開けたり、扇風機の風を当てたり。何とか美味しい干し柿をものにすることができました。

私のように、干し柿が大好きな人には是非、是非おすすめです。

干し柿つくりのシンプルな手順
柿の入手方法と、柿の種類
1. 入手方法
干し柿の意外と知られていない素晴らしい効能
まとめ

干し柿つくりのシンプルな手順

干し柿つくりは、超簡単にいうと「皮をむいて、熱湯で10秒除菌して、吊るすだけ」です。

マンションの室内で作るうえで大切なのは、カビさせないようにすることくらいでしょうか。
このあたりの説明は、この記事の中盤あたりでご紹介しています。

つまり、誰でも簡単にできます！40個ほどの皮をむくのと、こまごました手間が嫌でなければ、、、。

私の干し柿つくりの具体的な手順紹介とポイント

■準備する道具の紹介（紐、ハサミ、鍋など）

サムネ画像のような状態が、室内での干し柿つくりの風景です。
道具類はそのためのもの、というイメージです。

包丁：皮をむくのに必要
大き目のボール、数個（皮をむいて、ヒモをかけて、熱湯消毒した柿の入れ物）
大き目のナベ：皮をむいたあとで、柿を熱湯消毒します。
物干し用の強いロープ（全部で10ｋｇくらいの重さに耐える物）など
・徐々に軽くはなりますが、最初に吊るしたときは、10ｋｇ近い重さに耐える必要があります
写真のような、柿を一つ一つぶら下げるための紐（なんでもいいです）、切るためのハサミ
洗濯ばさみ（ロープに柿を並べる際のズレ防止用）：意外と便利
料理用手袋（熱湯消毒後は、柿は雑菌防止のため素手で触らない為）：あったほうが良い
5ｃｍくらいに折った割りばしなど
・吊るした柿がヒモに触れないように、ヒモの数だけ準備）
・使用例は後ほど写真を見ればわかりますが、なくても大丈夫かも？

私は進歩がないまま、この方法で頑張っていますが、工夫次第でもっと簡単で、効率的な方法がありそうです。

できれば誰も入らない部屋で作るのがいいのですが、空き部屋がない場合は、生活動線で干した柿に触れない場所に、強度のあるロープをピンと強めに張っておきます。
（柿の自重で垂れてきますので、出来るだけ強めが推奨です）

強くロープを張るための構造下地の強度確認も大事です。
・私はカーテンレールに荷重分散気味に引っ掛けていますが、ここは慎重にやった方がいいです。

❶柿の準備（皮をむき、ヒモでつなぐ）

■干し柿を作る部屋の下準備

最初にやるのは、ヒモを50ｃｍくらいに切ります（柿の数の半分の数準備します）
・柿一つに紐1本でもいいですが、効率を考えて、一つの紐の両側に柿をつなぎ、ロープに掛けます
次は、柿の皮むきです。ひたすら頑張りましょう（柿を持つ手は台所用手袋お勧めです）
私は果物の皮むきが得意なので、３０分あれば50個くらいはきれいに剥いてしまいます
この時点で柿の雑菌対策として、剝き終わった柿はボールに入れていきます
皮をむいた柿の枝部分に、重量が同じくらいの柿同士を2個セット（吊るした時のバランスを考慮）でヒモで結び、ボールなどに並べていきます
紐は上のほうに出しておきます

❷熱湯消毒

以下の作業からは、料理用の手袋をして柿に直接触らないようにします。

少し大き目のナベ（柿に二個が同時にしっかり浸かる大きさ）でお湯を沸騰させます
きれいな大きめのボールなどを準備して、底や周辺に水切り用のキッチンペーパーを敷いておきます
２個１セットの柿の紐をもって、沸騰したお湯に10秒浸けて、軽く水切りしてボールに並べていきます
（熱湯消毒後は雑菌に注意して、素手では柿に触らないようにします）

部屋に張ったロープに柿を吊るす

干し柿を作る部屋に張ったロープに、熱湯消毒した柿に触れないように、ヒモの部分をかけていきます
このままだと、柿がヒモにくっつくので、ヒモとヒモの間に5ｃｍくらいに折った割りばしなどで、ヒモを広げておきます
ヒモが柿に触れるとカビなどの原因になります（神経質にならなくても、カビは対策できるので大丈夫かも）
都度、洗濯ばさみなどで位置を固定し、ずれないようにします
ロープを強く張っても重量でたわむので、ヒモを固定しておかないとズレてしまうためです

干してからの管理：乾燥管理、途中の揉み込み、取り込み

できる限り、換気を良くして、最初の3日ぐらいは柿に扇風機の風を当てて乾燥を促進しましょう
それ以降は柿に直接風を当てず、扇風機の風は室内の空気の循環のために使用します
・柿の表面が乾燥し過ぎないよう、様子を見ながら扇風機を止めるかどうかも判断します
・干し柿が白い粉（柿霜）を吹くには、柿の内部の糖分が時間をかけて表面に滲み出て結晶化する必要があるそうですが、経験上は室内干しだけでは柿霜はできにくい気がします
その間、窓は10ｃｍ程度でもいいので、換気のためずっと開けておきましょう
10日後くらいに、ある程度乾燥してきたら、料理用の手袋をして両手で柿をしっかり揉みます
・この作業は重要です
・身の繊維を壊し、内部の水分と糖分を均一に拡散させることで、食感をネットリとさせ、甘みを均等に行き渡らせます
・指先で潰さないように、優しく形を整える程度に軽めに、しかし部分的に固いところが無いように丁寧に揉みます揉みます。
揉み込みは、一回でいいという意見もありますが、数日後にもう一度揉んだ方がいいという人もいます
（正直なところ良く分かりません。私は２回揉んでいます）
2～3週間で完成ですので、好みの固さのところで取り込みます（試食して判断しましょう）

カビ対策

特に重要なのは、下記の二点です。

熱湯消毒後に柿を素手で触らないこと
乾燥の最初の数日は柿に直接扇風機の風を当てて、表面が湿潤な状態にならないように気をつけます

万一カビが発生してしまっても、焼酎を綿棒につけて、カビ部分を擦れば大丈夫です。
そんなに神経質にならなくても大丈夫ですが、まめに確認して早目の処置は必須です。

温湿度管理

基本は、外気の環境でしか管理できませんので、扇風機を上手に使うのがポイントです。

マンションで少し注意すること、覚悟すること

できれば、誰もいない部屋で干し柿造りを行います。（空き部屋が無いと少し厳しいです）
・干している柿が、生活動線の邪魔になるのが一番の課題です
・そして、干し柿が生活者の呼気に触れるのは何となく気になりますね（自分用ならOK？）
干し柿造り期間中は出来る限り窓は開けておき、扇風機を回しておきます
・11月中旬から12月にかけての作業となるため、室内がかなり寒くなります（覚悟が必要）
・隣の部屋でやっても、干し柿部屋で窓を開けると、室内全体がかなり寒くなるのも要覚悟

しかし、干し柿はやはり寒い季節に作ったほうがカビの心配も少なく、美味しくできそうな気がします。

柿の入手方法と、柿の種類

入手方法

近くに干し柿用のいい柿を売っているなら、それを購入するか、誰かにもらえたらより良いですね。

ただし、元の柿の状態で、出来上がりの干し柿の味や質感は違うものになります。
この辺りは好みですので、やってみてダメだったら変えるのがいいかもしれません。

近所での入手が困難なので、私は毎年ネットで買っています。

柿の種類、購入方法

私は、愛媛産の「愛宕柿」が好きでずっと購入しています。
・理由は、たまたま買ってみたら大粒で、干し柿としての仕上がりが良かったからです。
・10ｋｇ4000円で、40個前後は入っていますので、1個当たり100円ぐらいですね。
・干し柿用の柿は、紐をかけるための枝がついていることを確認して購入しましょう。

私が利用しているネットでの注文の難点は、「取れたら送るよ」的な納期対応ということです。
毎年10月くらいに発注して、11月～12月近くまで発送の連絡を待つ日々です。