今、私たちの食卓に欠かせない「コメ」の価格が、異常な高騰を続けています?スーパーでその値札を見て、思わず二度見した方も少なくないはずです。
この「コメ高騰」の背景には、単なる天候不順や作付け減少といった表面的な理由だけでは説明できない、より複雑で根深い問題が隠されていると私は感じています。テレビや新聞ではなかなか報じられない、その「本当の理由」とは一体何なのでしょうか?
この記事では、長年にわたるコメ行政の「職務怠慢」、そしてその陰でうごめく「不透明な情報と利権」という看過できない問題に焦点を当てます。特に、マスメディアがほとんど報じない「コメ先物市場」の影響や、農水省の「見過ごされがちな実態」を具体的に掘り下げて解説します。
そして、「備蓄米の放出」がもたらす効果と、その意味も重要です。
このままでは、私たちの食料安全保障が脅かされ、特定の「利権者」だけが利益を得る未来が待っています。
この記事が、コメ問題の本質を理解し、私たち国民一人ひとりが「何を知るべきか、どう行動すべきか」を考えるきっかけとなることを心から願っています。
なぜ今、コメ価格が高騰しているのか?~表面的な原因のその先へ~
私たちの食卓を直撃する「コメ高騰」の現実
農水省の集計にある通り、スーパーの米の小売価格の推移は、目を疑うような推移となっています。
何故、昨年までの価格水準からここまで急な変化が起き、そして、それを放置しているのでしょうか。

報道されない「もう一つの原因」:コメ先物市場の影響力
この問題に対する本質的な要因の一つである、コメの先物市場による影響の可能性について、著名なアナリストの岡崎良介さんがYouTube動画で鋭く指摘しています。
昨年8月の上場した、この「堂島コメ平均」については、何故かマスメディアではあまり報道されることがなく、多くの国民に馴染みがありませんね。
現在の米先物価格がどうなっているかは農水省でもデータを公表していますし、堂島取引所ホームページからも確認できます。昨年8月の上場して以来、驚きの価格上昇と荒い値動きが続き、到底「価格安定化に資する」という上場時の認識とはかけ離れた実体となっています。
問われる農水省の責任:食料安定供給の「建前」と「現実」
農水省が掲げる「食料安定供給」の欺瞞(ぎまん)
- 農水省は、そのHPで『食料の安定供給の確保』と『国民の豊かな食生活の実現』を自らの使命として掲げています。これは単に生産量を維持するだけでなく、国民が適正な価格で継続して米を入手できる「安価で安定した供給」を管理する責務を意味します。
- しかし、現在の異常な米価高騰に対し、農水省はその責務を全うしているとは到底言えません。問題を矮小化し、国民への説明責任も果たしていません。
なぜ、農水省は、この基本的責務すら全うできないのでしょうか?
「構造改革の怠慢」が招いた市場の脆弱性:「異常な価格弾力性」
- 米価高騰の原因を「農家の高齢化による作付け減少」や「気候変動による収穫減」といった需給ギャップに求める声があります。しかし、これらの課題は長年にわたり予測可能であったにもかかわらず、農政として意欲的で積極的な構造改革を怠ってきた農水省の責任が第一義的に問われるべきです。
- たとえ僅かな需給ギャップが生じたとしても、それがなぜ価格を2倍にまで高騰させるのか? 過去の同程度の不作時と比較しても、今回の価格高騰の異常性は際立っており、自然な市場原理だけでは説明できない歪みがあることを、農水省だって認識しているはずです。インバウンドによる需要増の影響だって、科学的に検証すればいいだけです。
こうした問題の本質は、ワイドショーや特定の政治家の的外れなバトルショーに騙されるのではなく、まともな調査委員会を設けて議論すべきです。
私はこれまでに、「論点を適切に整理した、しかるべき立場での建設的な議論」がなされてるような、メディアの情報発信を見た記憶がありません。多様な意見や感想も結構ですが、必要なのは、問題解決に向けた、データに基づく知的議論ではないでしょうか。
見えない情報の壁:国民から隠される「コメの真実」
意図的な不透明性?コメの「総流通量」と「民間在庫」の「見えない数字」
- 実際の需給ギャップの規模、インバウンドなどによる消費変動要素、そして市場全体の米の「総流通量」や「民間在庫の具体的な内訳」は、農水省が把握し、国民に明示できるはずです。
- にもかかわらず、農水省がこれらの具体的な数字とそれに基づく詳細な分析を国民に明示できないのは、問題に対する「透明性の確保」という責務の放棄に等しい行為です。
- 健全な市場と国民の理解のためには、客観的で正確な情報開示が不可欠であり、現状はその真逆を行っています。農水省のホームページなどには様々な情報が提供されていますが、多くはアリバイ的、またはご都合主義的な情報であり、今回の問題を国民に分かりやすく情報提供しようという意思は、少なくとも私には見えません。
データを分かりやすく公表した上で、現状認識として「それは価格倍増の原因説明には不十分なので、今は○○を調べており、△△までに○○を公表します」ぐらいの透明性のある発信が、なぜできないのでしょうか?
「思考停止」を露呈するコメ先物市場への「無策」
- 米の先物市場の上場は、多額の投機資金流入を容易に予測できたはずです。ましてや、SQ(※現物担保が不要で、ヘッジファンドなどの参入メリットが大きい仕組み)において現物担保が不要な市場設計を容認した農水省の判断は、国民の食料を「ギャンブルの道具」に供した「国民に対する背任行為」と断じざるを得ません。
- 上場後の異常な価格変動に対し、何らの策も講じず、ただ見つめている姿勢は、責務の放棄を超え、農水省全体の「思考停止」と「危機管理能力の欠如」を如実に示しているのではないでしょうか。
- 「価格安定化に資する」という上場時の認識は、経済的視点が低すぎる愚かな判断であり、最低限、市場の健全化に向けた法的な規制や、国民への詳細な動向報告を行うべき立場でありながら、それすら怠っています。
出来てしまった先物市場ですが、「仕方ない」という話ではありません。有害なものは、制御して軽減するしかありません。農水省に「人類としての知恵」を期待するのは過ぎた要求なのでしょうか。
利権の温床?流通システムの「ブラックボックス」を暴く
不透明な「相対価格交渉」:誰がコメの価格を決めているのか?
- 米価決定の要となる相対価格交渉が、実質的に不透明な卸売業者と、その裁量権が不明瞭なJAとの「両社協議」で行われている現状は極めて問題です。「誰が、どのような裁量権で、どのような意図を持って価格を決めているのか」が全く見えず、恣意的な価格決定が行われていないと誰が信用できるでしょうか。
- 信じられないことに、この相対取引において、農水省は管理も介入も出来ず、ただ見守っているだけって知ってましたか? そんなことで、行政は機能するのでしょうか。
- 国民の苦しみの中で莫大な利益を上げている中間業者(卸売業者、商社など)は、本当にこの流通システムにおいて必要なのか、そして彼らの得る対価は妥当なのか? この問いに真摯に向き合わず、市場ストックの状況や供給バランスの管理、トレースの仕組みすら構築できない農水行政は、まさに「税金の無駄使い」と化した不要な組織と化しています。
- IT技術が進歩した現代において、大口卸売業者の在庫状況や供給バランスを管理・トレースする仕組みすら構築できない時点で、「化石的」と断じざるを得ません。
こうした不透明な実態の中での「両社協議」による相対価格交渉においては、高騰している先物価格を参照して決める仕組みがあることをご存知ですか。何もかも不透明の極みです。
価格交渉の透明化、流通の透明化こそが、農水省の責任ではないでしょうか。彼らは税金で何をしているのか、疑問に思いませんか。物事には優先順位があることを社会人は皆知っているのですが、官僚には無縁なのでしょうか?
中間業者の「暴利」と「化石的」な流通管理
こうした構造的な問題の恩恵を受けているのは、農協なのでしょうか。あるいは流通の中間業者なのでしょうか。
中間業者が得る対価は妥当性なのでしょうか。自由に操作される私たちの米価により、不当な利益を得ているのではないでしょうか。情報を開示すれば白日の下にさらされる話ではないでしょうか。農水省さん?
IT技術が進歩した現代であれば、「在庫管理・トレースの仕組み」は容易に構築できるのではないでしょうか。
先物価格を参照して相対価格が決まる仕組みの「不透明さ」で述べた通り、ここでは利権の力学でことが動いているようにしか見えません。
だとしたら、ここでも行政の無策が目に余る、ということになります!
場当たり的対策の限界と、私たちに求められる「意識変革」
「備蓄米放出」の愚かさ:場当たり的「対処療法」の限界
確かに一時的な流通の増加で、この利権の力学に一石を投じたのかもしれませんが、あくまでもその場しのぎであり、本質的な問題解決とは無縁のごまかしに過ぎません。
価格が一時的に下がれば国民は納得するとでも思っているのでしょうか。バカにし過ぎですね!
- 備蓄米の放出は、あくまで一時しのぎの「対処療法」であり、本質的な需給改善や市場の歪みを是正する効果は極めて限定的です。最初期にはJAを介した流通ルートが優先され、流通側の都合の良いように利用されてしまったという「愚策」は、農水省の市場理解の欠如を物語っています。
- このような場当たり的対応に終始し、問題の根本原因(投機、流通の不透明性、構造改革の遅れ)に対する現状分析と抜本的な対策立案を怠っているのは、まともな国家の、まともな行政機関の振る舞いではありません。
これまでの一連の指摘に対して、真摯に向き合い、調べ、課題認識し、迅速に対策するのが、我々が税金で農水省に託したミッションの筈です。「できないなら、雇用主である国民が変えなければならない」と思いませんか?
メディアが報じない「本当の理由」と国民の「無関心」
- こうした状況に至っても、備蓄米放出による微かな効果や、大臣の些末な発言の報道に腐心するマスメディアの質の低さは、驚愕に値します。本質的な問題提起と徹底した検証を怠るその姿勢は、まさに「諸悪の根源」とすら位置付けられるかもしれません。特に、国営放送を標榜するNHKは、公共放送として存在する価値があるのか、自問していただきたいですね。
- そして、最も重要なのは、こうした深刻な状況に直面してもなお、具体的な課題認識や問題意識すら持てない私たち国民自身の「無関心」と「無知」です。
- メディアを含む利権者たちが垂れ流す、無責任な溢れる情報に翻弄されず、自ら課題を正しく整理、理解し行動する姿勢が強く求められています。実は、この部分も、もう一つの問題の本質かもしれません。
私たちは、真実を知る力、見抜く力がないと、利用されるだけです(これまでもそうでした)。「そこにあるものが正しい」という幻想を捨て去る勇気が大切です。
まとめ
ここまで読み進めてくださったなら、この問題の深刻さが伝わったのではないでしょうか。これは単なる経済問題ではなく、この国が抱える構造的な課題を物語っています。
こんな状況でこの国を次世代に引き継ぐことは、子や孫に顔向けできないことだと私は感じます。
確かに私たちは非力かもしれません。しかし、事実を正しく理解し、自らの意思で少しでも良い政治家を選択する権利が私たちにはあります。
マスメディアが垂れ流す情報だけを見て、「その中にはない」裏の真実に気付いてないということはないでしょうか。
視野を広く持ち、情報に違和感を感じる力を養い、国に「なぜ?」と問えるようにならなければなりません。さもなければ、『コメ問題』のように、私たちはいつまでも誰かの思惑通りにいいようにされ続けるだけなのです。
幸いにも、力ある若い政治家たちが声を上げてくれています。彼らが何を言っているのか、耳を傾けてみることから始めるのもいいでしょう。しかし、最終的に重要なのは、彼らの言葉すら鵜呑みにせず、自ら情報を吟味し、判断する力です。
この記事があなたの問題提起の一助となり、行動するための力となることを願っています。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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