真夏の京都観光、暑さと人混みでうんざりしていませんか?
でも実は、嵐山から少し足を延ばすだけで“天然のクーラー”のような絶好の避暑地があるのをご存知でしょうか。
それは、松尾芭蕉や与謝野晶子も愛した清滝川のほとりです。
透明な水は真夏でも15℃前後で、足を浸すと一瞬で身体の熱が引いていくほど。
子どもは水遊び、大人は静かに涼みつつビールに癒されたり。夏の京都でこんな贅沢が味わえる場所は貴重です。
今回は、清滝川の魅力と嵐山周辺からの散策ルートとともにご紹介します。
『暑い夏の京都、どこで涼む?』その答えのひとつがここかも知れません。
目的地は、愛宕山登山口近くの清滝川の川辺
目的地は、Googleマップで「清滝川遊び場所」でも検索できます。

駐車場近くのエリアは上流・下流とも広く川遊びができますが、水深が深いところもありますので、小さいお子様連れの場合、水深の浅い場所を探して安全に水遊びしましょう(自己責任でお願いします)。
清滝川周辺の川遊びスポットについて
清滝川は、この写真の金鈴橋から下流の落合橋までの約1.8kmの間が「金鈴峡(きんれいきょう)」と呼ばれ、一方、金鈴橋から上流側は高雄の高雄橋までの約3.5kmの間を「錦雲渓(きんうんけい)」と呼ぶそうです。
尚、嵯峨嵐山駅から周辺観光しながら清滝川のこの金鈴橋にいたる散策ルートは記事後半でご紹介します。

この金鈴橋を挟んで、上流側も下流側も広く川遊びスポットになっています。今回の訪問では、錦雲渓側は上流に数百mしか遡ってないので、主に金鈴峡側の周辺の様子をお届けします。

金鈴橋からは、既に水遊びに興じる子供たち(と大人たち)が楽しそうです。この川の上流と下流にはには更に多くの川遊びのスポットがあります。
たぶん唯一の公衆トイレが近いということから、川遊びスポットとしては金鈴橋の近くの上流側と下流側が便利です。



この先の下流では、子供連れというより大人の姿がちらほら。
金鈴峡沿いには金鈴橋近くのトイレ以外は見当たらなかったので、このあたりの川の水は必ずしも清潔ではないかも知れませんね。このご時世なので、清滝川で涼んでいる海外の観光客の姿もチラホラ見受けられました。

金鈴峡は、足元は少し狭く不安定な足場で上り下りが続きますが、何度通ってもすがすがしい道です。

金鈴峡の最下流の落合橋が近づくエリアは少し川幅も広くなり、デイキャンプの姿が目立ち始めます。
川遊びのスポットとしては、この先の石橋あたりが最下流の感じです。
私たちは、更に上流の支流の「堂承川」でのんびり
今回の私たちは、先ほどの金鈴橋を渡って右に40分ほどさかのぼり、支流の「堂承川」の途中が目的地です。
道は緩やかな登りなのでほどよい疲れです。堂承川は川幅2m前後の支流ですので他には誰もいません。

誰も来ない静かな環境で、冷ゃっこい川の水に足を浸けて、のんびりビールを飲んで至福のひと時を涼んで過ごします。


水温が15-20℃くらいなのか、水は冷たいのですがキンキンに冷たいほどではなく、いつまでも足を浸けておけるのでとても快適です。そして、20分くらいたって、川から上がると、すっかり体は冷えているのが分かります。(清滝川の落合橋当たりの年平均水温は15℃くらいらしいです)
歩き出してから30分くらいは、体が冷えて暑さを忘れて快適な山行になりました。
近場のおすすめの「空也の滝」
今回の目的地の近くには、「空也の滝」という見どころもあります。時間が有れば是非こちらもご覧になってください。

復路の様子
帰り道は、金鈴橋から落合橋まで金鈴峡を歩いてから、更にJR保津峡駅を目指します。落合橋を過ぎてからは桂川沿いを歩きますが、この道がやや単調なアスファルト道路なので少し萎える感じですが、眼下には絶景が広がります。

暫く進むと、保津川下りの船がやってきました。しばし、相互に手の振り合いが続きました。


尚、保津峡駅まで向かったのは、電車に座れる可能性が高そうという理由ですが、目論見通りでした。
嵯峨嵐山駅から清滝川までの嵐山周辺を散策するルートの紹介
日曜日の朝9時ごろでしたが、この時間は観光客も少なく、嵐山周辺の一部の見どころをゆっくり散策出来ます。
京都駅から電車で「嵯峨嵐山」に行き、そこからは嵐山の周辺観光をしながら、70分程度で清滝川に向かいます。
現地にあった看板のルート地図が分かり易そうでしたので、冒頭の加筆地図と合わせてご参照ください。
地図では清滝トンネルを迂回していますが、私たちは破線(追記)のルートでショートカットしました。清滝トンネルは歩行は禁止されていませんが、安全のため白線の内側を歩く必要があります。

嵯峨嵐山駅から竹林を抜け小倉池へ
嵯峨嵐山駅から少し進むと、渡月橋に向かう道からの曲り角があります。写真の曲がり角を天竜寺方面に向かうと、竹林の道を抜け、大河内山荘を経て、「トロッコ嵐山」の駅を通過していきます。

9時前だと、お店も開店前のところも多く、観光客は意外と多くありません。
「トロッコ嵐山」の駅を過ぎると、今が盛りのハスの花が迎えてくれます。その先では看板が木の枝に呑み込まれていました。

鮎茶屋平野屋~愛宕念仏寺~清滝トンネル~清滝バス停~清滝川へ
その先は、「愛宕神社 一の鳥居」あたりまでくるとほぼ人通りもなくなりました。

この先は、愛宕念仏寺を横目に愛宕街道を進み、狭くて、暗くて、涼しい「清滝トンネル」です。車は交互通行ですが、狭いトンネルなので車に注意しての通行が必要で、足元が良くないので、スマホライトでも大丈夫ですがライトが有った方がいいです。

「清滝トンネル」を抜けるとすぐに「清滝」のバス停があり、更に少し進むと清滝川に到着です。

ここには、貴重な公衆トイレと「さくらや(青木駐車場)」があります。
駐車場に着いた時間は9時半ごろでしたが、流石に日曜日なので駐車場はほぼ満車のようでした。
写真の突き当りの右が駐車場、左が金鈴橋です。
清滝川へのアクセス別のご案内
電車で行くか、バスで行くか、又は車で行くかということになりますが、散策中心ならおススメは私たちと同じ①電車&徒歩です。荷物が多めので、腰を据えて川遊びをするなら、➁の車が良いかもしれません。
①電車で「嵯峨嵐山」へ:竹林を抜けて「清滝川」まで徒歩1時間程度
- 「京都」駅からは、JR嵯峨野線で「嵯峨嵐山」へ(乗車時間は17分程度)
・電車の数も1時間に4本前後 (時間帯により3~5本で、土日も同様の本数) - JR嵯峨野線は「京都」駅が始発なので、タイミングが良ければ日曜日でも座れます
- 「嵯峨嵐山」からは、嵐山周辺の観光も兼ねて、清滝川までは徒歩で向かいます
➁車、又はバスの場合のご参考情報
車:清滝の「さくらや(青木駐車場)」のご利用:(混雑&満車注意)
デイキャンプ的に川辺でのんびりするなら、やはり車がお勧めですが、駐車場の都合を考えると早目の出発が必要かもしれません。ここは情報がないので、各自で調査の上で計画してください。
「さくらや(青木駐車場)」の営業時間は、6:30~17:30、料金は¥1200のようです(最新情報はご自身でご確認ください)。満車の場合、化野念仏寺前「今井駐車場」(有料)もあるようですが、かなり戻ることになります。
バス
路線図が複雑で、系統がたくさんあり検索が大変そうですし、本数も多くなさそうですし、昨今のインバウンドでいろいろ厳しそうでオススメしにくい感じです。
「清滝」バス停へは、「阪急嵐山」・「四条河原町」・「三条京阪」・「京都駅」などからのアプローチが可能なようです。ご利用にあたっては、ご自身で調査をお願いします。

避暑地としての清滝の歴史
清滝(きよたき)は、京都市右京区に位置する美しい地域です。古くは平安時代に開山された愛宕山の登山口として、修験者たちの修行の場だったと言われています。

江戸時代には愛宕山の勝軍地蔵信仰が広まり、清滝は参詣道の宿場町として賑わいました。多くの旅籠や茶屋が立ち並び、庶民の間でも川遊びが盛んに行われ、夏場には涼を求める人々で溢れていたそうです。
昭和初期には嵐山から愛宕山鉄道が開通し、ホテルや遊園地、スキー場なども開設され、最先端のレジャー地域として大いに栄えました。
しかし、第二次世界大戦時に不要不急線として鉄道路線が廃線となり、観光スタイルの変化とともに訪れる人も減少していきました。
ちなみに、清滝川の避暑地としての歴史を紐解くと、清滝川のさらに上流域にあたる「錦雲渓(きんうんけい)」が、かつて避暑や水遊びの主要なポイントとして知られていました。
まとめ
京都で数少ない避暑地と言われる「清滝」でしたが、清滝川の水は意外と冷たく十分に涼しさを堪能することが出来ました。
この季節の清滝川は、日曜日でもそれほどの混雑もなくお勧めスポットかも知れません。
そして嵐山から朝早め(と言っても9時頃)に竹林を抜けると、行きかう人もまばらで落ち着いて散策できました。
嵐山周辺は海外の観光客で大変な賑わいですが、少し足を延ばして清滝を散策するルートは、人も少なめで涼を求めて散策するのには最適かもしれません。
皆さんも、清滝で避暑を楽しんでみては如何でしょうか。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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