皆さんは、春の信州エリアに興味はありませんか。この季節は、雄大な北アルプスの雪景色と、遅れてやってくる春の息吹が共存しています。私は白馬村の春が大好きで、春の白馬の訪問回数は、20回を超えているかもしれません。
今年も連休の前半に、馴染みエリアの民宿を訪れることができました。
連休前後の信州は、5月前でも「春真っ盛り」の季節ですが、大町エリアでは北アルプスの雪山が、白馬エリアでは後立山連峰の白馬の山々が冬の装いのまま、雄大な景色でそびえます。とりわけ今年は例年に比べ圧倒的に雪が多かったため、春の訪れも少し遅れ気味のようで、白銀に輝く山頂と、山のすそ野を彩る新緑のコントラストは例年にない美しさでした。
今年も、ゆっくりと流れる信州の春を楽しませてもらいました。
この季節は、朝の澄み切った冷たい空気が肌に心地よく、深呼吸するたびに心身が浄化されるようです。この空気の透明感は、小さいころの田舎での情景の記憶を思い出を起こさせてくれるものです。
真っ盛りの満開の桜を満喫し、岩岳の山頂から臨むパノラマを堪能し、山形村で滋味深い蕎麦を味わい、そして大町エリアの甘美なスイーツに癒され、香り豊かな春の山菜にも恵まれ、周囲には多くの温泉も楽しめます。
私が心惹かれる、贅沢な春の白馬の散策の記録を、皆さんと分かち合いたいと思います。皆さんも、是非一度、信州の春を訪ねてみませんか。
旅の記録
日程詳細
私たちの白馬村訪問は、いつも基本はのんびり食事とスイーツ、たまに温泉が中心で、気の向くままの行動がデフォルトです。今回の日程表は以下のような感じでした。
初日:いつものご夫婦と山形村の蕎麦屋さんで待ち合わせです。共に大阪から向かい、開店時間を目指すという少し無謀な設定です。ここで十割蕎麦を頂いてから、近くのカフェでスイーツを楽しんでから、宿のある白馬村に向かいます。
二日目:朝食前の6時前後から宿の周囲を散策してから、白馬村を流れる「松川」の畔に移動し、朝日に照らされた後立山連峰の雪景色を堪能します。
朝食後は、朝一からリニューアルされたゴンドラで岩岳山頂に向かい、山頂からの絶景を堪能してしばらくゆっくり過ごします。
その後、中綱湖のほとりの満開のオオヤマザクラを鑑賞した後、信濃大町まで日用品の忘れ物の買い出しに出かけました。
昼には、信濃大町で美味しいスパゲッティをいただき、近くの農具川河川公園の芝桜の道を散策します。
三日目:この日も6時頃から高原の朝の散策を楽しみ、食後は「西の吉野」との対比で、「東の桜仙峡」とよばれる桜の名所を訪ね、昼には40年来のお気に入りの蕎麦屋さんへ、そして食後のデザートには、これまた信州に来たら必ず立ち寄るスイーツの名店で舌鼓です。
最終日:この日は、先日の地震で被害が心配される小川村を訪ねてから、白馬村で絶品のオムライスがお勧めの店に立ち寄ってから帰路につきます。
白馬ならではの「高原の朝の風景」
私は白馬の宿泊では、最近は朝食前の早朝散策が一番のお気に入りかもしれません。
雲一つない快晴、満開の桜、朝日と朝もやの景色の中を、気温0℃近い冷たく澄んだ空気をまとい、季節を感じるひと時は格別です。

白馬連峰を源流とする「松川」の畔には、信州の春の朝が凝縮されています!

今年も宿の近くでは鯉のぼりがひときわ鮮やかに泳いでいます。あと少しで5月だというのに、ここはようやく冬から春へと季節がゆっくり流れているようです。

リニューアルされたゴンドラと、「岩岳山頂」の変わらぬ絶景
朝食後は、朝一で、リニューアルされて初めてのゴンドラで、人もまばらな山頂エリアに向かうことになりました。

昨年までは気付かなかった山道も見えましたが、ゴンドラ建築用の道でしょうか。その道の先には、カモシカさんがのんびり歩いていく姿を久しぶりに見ることができました。

新しいゴンドラは視界が広く、豊富な雪をまとった山々を広角に楽しむことができます。

岩岳山頂の白馬マウンテンハーバーのテラスで、後立山連峰の絶景を眺めながらゆったり至福のモーニングコーヒーを味わいます。

この後、ゴンドラとセット料金のリフトでスキー場を少し下り、ここでも暫くまったりした時間を過ごします。女性陣はここでも「チャバティ 白馬」で「ほうじラテ」を味わっていらっしゃいました。

とにかく、のどかなひとときでした。
中綱湖のオオヤマザクラ
仁科三湖の中で最も小さい中綱湖ですが、そこには季節限定の絶景があります。
風のない時なら、満開のオオヤマザクラが湖面に美しいピンクのシンメトリーを映し出します。訪れたこの日は、風と波があり、残念ながら水鏡とはならず、ぼんやりその影を落としていましたが、それも趣があります。

何より天気に恵まれ、どの角度からも美しい景色を堪能することができましたし、大糸線を往く9両編成の特急「あずさ」の姿も捉えることも出来ました。

流石に駐車場はほぼ満車でしたが、一定時間での入れ替わりが有るので、何とか最後の2台の中に停めることができました(無料)。
農具川河川公園の芝桜
大町市にある農具川河川公園には、その名の通り農具川の両岸に芝桜が楽しめます。
なぜ農具川という名前になったのかは、「のう」といった湿地に由来するのではないかという記述があるようですが、明確な伝承記録がないそうです。

遠くに北アルプスを望む景色は格別ですね。

「桜仙峡」の桜は既に終わってましたが、景色だけでも大満足
「西の吉野」に対して「東の桜仙峡」とよばれる、桜の名所を訪ねてみました。実は、事前情報では、既に桜は終わったらしいと察しつつ、どんなところか見に行くことになりました。行ってみると桜は完全に終わっていましたが、なかなかの絶景でした。

山頂に向かう道は、途中で対向が困難な箇所があり、交通量が多いであろう最盛期には行きたくないような道でしたが、山頂からの眺望はその困難に十分に見合うものだと感じました。
信州蕎麦を堪能:山形村の蕎麦と、大町市美麻の蕎麦
初日に訪問した山形村の人気の「木鶏」という蕎麦屋さんは開店前から少々行列ができますが、お連れの方に予約していただいていたので、一番に案内され、十割蕎麦の大盛りと、別に山菜の天ぷらを頂きました。
十割蕎麦ですが、やや太目でかなりコシのつよい個性的な蕎麦に感じましたが、美味しくいただきました。

そして、三日目に訪れた蕎麦屋さんは、信州に来たらいつも訪ねる、40年来のお気に入りの名店「山品」さんです。と言いながらいろいろな都合で実は数年ぶりの訪問となりました。ここでは辛味大根となめこの副菜もお勧めです。
写真は忘れてしまいましたが、ここはいつでも行列必至のお店です。今回も少し遅めに時間をズラしましたが、それでも7組待ちで、しかも蕎麦が売り切れる直前で何とか滑り込むことができました。
スイーツは、どこも大満足の絶品でした
信州旅行では、お連れの方の影響もあり、スイーツがつきものとなっています。
初日の山形村の「カワノホトリ」という名のカフェでは、蕎麦の後に立ち寄りましたが、コーヒーとケーキが絶品で、店内の雰囲気も落ち着いていて、機会が有れば是非また訪れたいお店でした。

体重を気にしながらの、美味なひと時を楽しませてもらいました。

信濃大町に行ったら必ず訪れるのは「コンディトライ・アン・マリーレ」さん。コーヒーが美味しく、ケーキも絶品です。

今回は、スイーツは控えめで、延べ二回の訪問に抑えることができました。
連休前後の信州は、山菜も楽しみ(大町、白馬村、小川村)
この季節の信州は山菜の宝庫です。今年は積雪量も多く、春が少し遅れている感じですが、コゴミやタラの芽、コシアブラ、ワラビ、野ビルなどが道の駅や近くのスーパーで買い求めることができますし、宿の食事でも、コゴミや山菜の天ぷらを楽しませてもらえました。
山菜の穴場は、道の駅小川村です。種類も豊富で、お値段も少お買い得感がありました。私はここで、ワラビ3束と、タラの芽1パックと、お試しの野ビル、ついでに辛味大根を買い求め、帰阪後は山菜三昧を楽しませてもらいました。
最終日は絶品のオムライスに舌鼓
白馬村でのお気に入りのお店として、「グリルこうや」さんがあります。ここのサフランライスとトマトソースのオムライスは絶品です。他のメニューも大好きです。
今回も事前の予約で、白馬の最後の食事に相応しい美味を堪能させていただきました。

お店の中は広くないので、基本は一人か二人での予約・来店しかできないようです。
今、インバウンドの白馬に起きている残念な変化(宿の人の話)
今回、白馬を訪れてみて、岩岳エリアに関しては、少しずつインバウンドの影響が出始めている感はありますが、40年以上前からの情景や雰囲気は大きくは変わってないように思います。
しかし、白馬村の日本の原風景は、国際的な観光地としてのポジションが強くなり、とりわけ八方エリアでは、スキーの宿の予約などは7月の申し込みでも満室で断られる状況です。価格も全てが高く別世界になりつつありますね。
何しろ、食事付きで日本人の予約を取るより、素泊まりで海外観光客の予約を取る方が多くの宿泊費が得られてしまうそうです。
そして、八方エリアでは既に多くの地元の方々が土地を手放して去ってしまった、というお話も聞きました。
私達がお世話になっている岩岳エリアでも、特に冬場のインバウンドの勢いは凄いそうです。レンタカーで押し寄せる海外のお客さんの運転は荒く、マナーも酷いそうで、地元のみなさんは冬場に車で走るのがとても怖いとおっしゃっていました。
欧米人でも、勝手に民家に入り込み車を停めるような人もいて、被害が増えて困っていると嘆いておられました。残念なことです。
観光マナーへの啓蒙は、全国的な課題なのです。某国の観光客だけの問題ではないようです。
まとめ
白馬エリアは、近年のインバウンドの勢いに乗って、外資の流入で第二のニセコ化が懸念されています。
私たちの常宿がある岩岳エリアも、昨年のゴンドラのリニューアルに連動するかのように、周辺にも目新しい建物が散見されます。
しかし、お世話になっている宿は、40年前から変わらぬ佇まいで、落ち着いた日常で迎えていただきました。
いつまでも、昔からの白馬村であってほしいと思いますが、既に元には戻れない状況も起きているようで少し心配です。
昔と同じ白馬が楽しめるうちに、皆さんも一度、春の信州を訪ねてみてはいかがでしょうか。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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