0℃の朝霧が包む40年来の「春の白馬」の静寂|絶品の蕎麦とスイーツとオムライスと

小さな実践録

今年も、凛と冷え込んだ午前6時に 松川の河原に立つと、朝もやの中に赤く染まった後立山連峰が、圧倒的な存在感で現れました。

何十回と訪れている白馬ですが、この「冬と春が同居する」一瞬の静寂に触れるたび、信州の旅のポテンシャルに改めて驚かされます。

昨今、白馬は国際的な観光地として急速に変貌を遂げ、かつての「日本の原風景」が失われつつあるという寂しいニュースも耳にします。しかし、一歩路地へ入り、早朝の空気に耳を澄ませば、そこには40年前から変わらぬ清冽な美しさがまだ残っています。

今回は、私が長年通い続けている隠れた名店や、リニューアルされた岩岳山頂の絶景、そして知る人ぞ知る春の味覚。 「観光地」というより第二の故郷として、私たちが愛してやまない「白馬の素顔」を巡る3泊4日の記録をお届けします。

第二のふるさと:白馬村の景色

白馬ならではの「高原の朝の風景」

私は白馬の宿泊では、最近は朝食前の早朝散策が一番のお気に入りかもしれません。

雲一つない快晴、満開の桜、朝日と朝もやの景色の中を、気温0℃近い冷たく澄んだ空気をまとい、季節を感じるひと時は格別です。

早朝の河原から臨む、朝もやの中の白馬連峰

白馬連峰を源流とする「松川」の畔には、信州の春の朝が凝縮されています!

松川の袂から臨む後立山連峰の絶景

今年も宿の近くでは鯉のぼりがひときわ鮮やかに泳いでいます。あと少しで5月だというのに、ここはようやく冬から春へと季節がゆっくり流れているようです。

毎年、宿の近くでたなびく鯉のぼり

リニューアルされたゴンドラと、「岩岳山頂」の変わらぬ絶景

朝食後は、朝一で、リニューアルされて初めてのゴンドラで、人もまばらな山頂エリアに向かうことになりました。

リニューアル後のゴンドラ駅

昨年までは気付かなかった山道も見えましたが、ゴンドラ建築用の道でしょうか。その道の先には、カモシカさんがのんびり歩いていく姿を久しぶりに見ることができました。

カモシカの後ろ姿(切株ではありません)

新しいゴンドラは視界が広く、豊富な雪をまとった山々を広角に楽しむことができます。

リニューアルされたゴンドラからの絶景展望

岩岳山頂の白馬マウンテンハーバーのテラスで、後立山連峰の絶景を眺めながらゆったり至福のモーニングコーヒーを味わいます。

白馬マウンテンハーバーのテラスにて

この後、ゴンドラとセット料金のリフトでスキー場を少し下り、ここでも暫くまったりした時間を過ごします。女性陣はここでも「チャバティ 白馬」で「ほうじラテ」を味わっていらっしゃいました。

とにかく、のどかなひとときでした。

少し足を延ばして、中綱湖のオオヤマザクラ

仁科三湖の中で最も小さい中綱湖ですが、そこには季節限定の絶景があります。

風のない時なら、満開のオオヤマザクラが湖面に美しいピンクのシンメトリーを映し出します。訪れたこの日は、風と波があり、残念ながら水鏡とはならず、ぼんやりその影を落としていましたが、それも趣があります。

波紋でシンメトリーが崩れる満開のオオザクラ

何より天気に恵まれ、どの角度からも美しい景色を堪能することができましたし、大糸線を往く9両編成の特急「あずさ」の姿も捉えることも出来ました。

対岸の大糸線を往く特急電車

流石に駐車場はほぼ満車でしたが、一定時間での入れ替わりが有るので、何とか最後の2台の中に停めることができました(無料)。

大町市:農具川河川公園の芝桜

大町市にある農具川河川公園には、その名の通り農具川の両岸に芝桜が楽しめます。

なぜ農具川という名前になったのかは、「のう」といった湿地に由来するのではないかという記述があるようですが、明確な伝承記録がないそうです。

農具川という名も面白い

遠くに北アルプスを望む景色は格別ですね。

遠くに北アルプスを臨む土手の芝桜

「桜仙峡」の桜は既に終わってましたが、景色だけでも大満足

「西の吉野」に対して「東の桜仙峡」とよばれる、桜の名所を訪ねてみました。実は、事前情報では、既に桜は終わったらしいと察しつつ、どんなところか見に行くことになりました。行ってみると桜は完全に終わっていましたが、なかなかの絶景でした。

北アルプスを背景にした「桜仙峡」:眼下の桜は既に終わってました

山頂に向かう道は、途中で対向が困難な箇所があり、交通量が多いであろう最盛期には行きたくないような道でしたが、山頂からの眺望はその困難に十分に見合うものだと感じました。

信州のだいご味:グルメの名店

信州そば:山形村の蕎麦と、大町市美麻の蕎麦

初日に訪問した山形村の人気の「木鶏」という蕎麦屋さんは開店前から少々行列ができますが、お連れの方に予約していただいていたので、一番に案内され、十割蕎麦の大盛りと、別に山菜の天ぷらを頂きました。

十割蕎麦ですが、やや太目でかなりコシのつよい個性的な蕎麦に感じましたが、美味しくいただきました。

木鶏さんの十割蕎麦の大もり

そして、三日目に訪れた蕎麦屋さんは、信州に来たらいつも訪ねる、40年来のお気に入りの名店「山品」さんです。と言いながらいろいろな都合で実は数年ぶりの訪問となりました。ここでは辛味大根となめこの副菜もお勧めです。

写真は忘れてしまいましたが、ここはいつでも行列必至のお店です。今回も少し遅めに時間をズラしましたが、それでも7組待ちで、しかも蕎麦が売り切れる直前で何とか滑り込むことができました。

信州のスイーツは、隠れた名店ばかり

信州旅行では、お連れの方の影響もあり、スイーツがつきものとなっています。

初日の山形村の「カワノホトリ」という名のカフェでは、蕎麦の後に立ち寄りましたが、コーヒーとケーキが絶品で、店内の雰囲気も落ち着いていて、機会が有れば是非また訪れたいお店でした。

山形村のカワノホトリさんの絶品スイーツ

体重を気にしながらの、美味なひと時を楽しませてもらいました。

ケーキはおしゃれで美味です

信濃大町に行ったら必ず訪れるのは「コンディトライ・アン・マリーレ」さん。コーヒーが美味しく、ケーキも絶品です。

コンディトライ・アン・マリーレさんでのスイーツとコーヒー

今回は、スイーツは控えめで、延べ二回の訪問に抑えることができました。

信州は山菜も楽しみ(大町、白馬村、小川村)

この季節の信州は山菜の宝庫です。今年は積雪量も多く、春が少し遅れている感じですが、コゴミやタラの芽、コシアブラ、ワラビ、野ビルなどが道の駅や近くのスーパーで買い求めることができますし、宿の食事でも、コゴミや山菜の天ぷらを楽しませてもらえました。

山菜の穴場は、道の駅小川村です。種類も豊富で、お値段も少お買い得感がありました。私はここで、ワラビ3束と、タラの芽1パックと、お試しの野ビル、ついでに辛味大根を買い求め、帰阪後は山菜三昧を楽しませてもらいました。

最終日は絶品のオムライスに舌鼓

白馬村でのお気に入りのお店として、「グリルこうや」さんがあります。ここのサフランライスとトマトソースのオムライスは絶品です。他のメニューも大好きです。

今回も事前の予約で、白馬の最後の食事に相応しい美味を堪能させていただきました。

トマトソースの絶品オムライス

お店の中は広くないので、基本は一人か二人での予約・来店しかできないようです。

今、インバウンドの白馬に起きている残念な変化(宿の人の話)

今回、白馬を訪れてみて、岩岳エリアに関しては、少しずつインバウンドの影響が出始めている感はありますが、40年以上前からの情景や雰囲気は大きくは変わってないように思います。

しかし、白馬村の日本の原風景は、国際的な観光地としてのポジションが強くなり、とりわけ八方エリアでは、スキーの宿の予約などは7月の申し込みでも満室で断られる状況です。価格も全てが高く別世界になりつつありますね。

何しろ、食事付きで日本人の予約を取るより、素泊まりで海外観光客の予約を取る方が多くの宿泊費が得られてしまうそうです。

そして、八方エリアでは既に多くの地元の方々が土地を手放して去ってしまった、というお話も聞きました。

私達がお世話になっている岩岳エリアでも、特に冬場のインバウンドの勢いは凄いそうです。レンタカーで押し寄せる海外のお客さんの運転は荒く、マナーも酷いそうで、地元のみなさんは冬場に車で走るのがとても怖いとおっしゃっていました。

欧米人でも、勝手に民家に入り込み車を停めるような人もいて、被害が増えて困っていると嘆いておられました。残念なことです。

観光マナーへの啓蒙は、全国的な課題なのです。某国の観光客だけの問題ではないようです。

まとめ

白馬エリアは、近年のインバウンドの勢いに乗って、外資の流入で第二のニセコ化が懸念されています。

私たちの常宿がある岩岳エリアも、昨年のゴンドラのリニューアルに連動するかのように、周辺にも目新しい建物が散見されます。

しかし、お世話になっている宿は、40年前から変わらぬ佇まいで、落ち着いた日常で迎えていただきました。

いつまでも、昔からの白馬村であってほしいと思いますが、既に元には戻れない状況も起きているようで少し心配です。

昔と同じ白馬が楽しめるうちに、皆さんも一度、春の信州を訪ねてみてはいかがでしょうか。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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