みなさんは高級魚のアマダイ、釣ってみたいと思いませんか。
私が通う若狭湾では、主にタイラバと天びん仕掛けで狙いますが、私は天びん仕掛けでの釣りを楽しんでいます。
そして、今年は若狭湾のアマダイは好調な気配との情報がありました。
アマダイ釣りで重要なスキルは、私の経験上、底潮の察知と仕掛けのタナ(深さ)の調整と誘いと合わせです。
少しの慣れは必要ですが、これらがしっかり出来れば、釣りとしては難しくないと感じています。
そこで今回は、「たくさん釣れる」アマダイ釣りの簡単なコツを具体的にご紹介しようと思います。
私は釣り歴は20年以上で、ここ数年の私のアマダイ釣りの釣果は40cm超を交えて安定して10匹前後は釣っています。
皆さんも絶品美味なアマダイを釣りに行ってみませんか。
タナの認識と底潮の察知
アマダイは、海底から3mくらいの範囲でしかほぼ釣れませんので、その範囲でエサを動かして釣ります。
たまに、底から5mくらいまで追ってくるぐらいなので、とにかく底から1mを中心に仕掛けを動かします。
タナが有ってないとほぼアマダイは釣れませんので、これは基本中の基本として非常に重要です。

ここで特に重要なポイントは、仕掛けのエサは、普通は図のようにはきれいに漂ってはくれないことを知ることなのです。
自分の竿の操作で、アマダイが魅力的と感じる仕掛けの位置や動きを演出しないと、海中の仕掛けはどうなっているか分かりません。
つまり、底潮が早いと仕掛けは浮き上がり、底潮の動きが無いと仕掛けの付けエサは底に沈んでしまいますので、ある程度の調整や竿での誘導が必要になるのです。
誘いにに関してはのちほど説明しますが、むやみに仕掛けを動かせばいいというものでは有りませんので気をつけましょう。
底潮が早い場合、仕掛けが浮き上がりますので、調整方法として、ハリスの付けエサの近くにガン玉(オモリ)を打つことも有効になります。
- 釣れた魚で仕掛けの位置の見極め、判断方法
・タナが高すぎる :レンコ鯛やカイワリ
・ちょうどよいタナ:ヒメコダイやイトヨリ
・タナが低すぎる :トラギスやカナガシラ、ムシガレイなど
ただし、あくまでも目安であり、状況は刻々変わります。
アマダイの誘いと合わせ
誘いの基本
誘いの基本は「静」のあとの「動」です。
しばらくエサをじっとさせている状況から、不意に何かがピクッと動くと、魚は本能的にそのエサに食いつきます。
いわゆるリアクションバイトが起こり易い誘いだと思います。
これは、つまり自然なエサの動きの演出が重要なのです。
特に重要なのは、エサの付いた針が海底付近のどこにある状態からどのように動くかをしっかり意識することです。
仕掛けを投入してオモリが底についても、未だ仕掛けの先のエサは底に向かって漂っている状態です。
そこで急に激しく仕掛けを動かすと、単にアマダイに強い違和感を与えるだけになりかねません。
仕掛けが落ちついてから海底のエビが跳ねる動きをすれば、アマダイにとって魅力的な動きに見えるかもしれませんね(知らんけど)。
釣れた時に魚が針を呑み込んでいる状況は、アマダイの活性が高い状態か、あたりが全く取れてないかです。
比較的活性が高いと判断した場合は、実践上やや強めの誘いが有効な気がします。
ゆっくりした誘いと急な動きの誘いの使い分け
ゆっくりとした誘いや、間を置いて誘うなど、アマダイの警戒心を刺激しないことは有効かもしれません。
一方で、不用意な急な動きは、アマダイに違和感や警戒感を招くので、注意が必要ですが、意図的な早い動きもアマダイの誘いにはかなり有効ケースがあります。
重要なのは、どの状況からそうした素早いアクションを入れるかです。そして、その動きには必ず食わせの間が必要です。これは、ぜひご自分でいろいろ試してみてください。
アワセ
アマダイは捕食が上手なので、明確にあたりを取るのは少し難しいです。正直なところ、私は未だにあたりがよく分かりませんが、それでも調子がいいと10匹以上は釣れます。
基本は、明確なあたりがあれば合わせますが、誘い上げた最後にアマダイがエサを口に含んだ状態を想像して、そーと竿を上げる聞き合わせであたりを取ります。
私は、多くの場合、あたりがわからないまま聞き合わせで乗った時には、すでに針を飲まれていることが多いようです(笑)。
アマダイの習性
アマダイは警戒心が強い魚と言われています。
具体的には、捕食者から身を守るため、海底の砂中に巣穴を掘ったり、岩陰に隠れて、待ち伏せ的な捕食を行うことで知られています。

一方で、エサに対して底から5mぐらいまでは、素早く泳いで獲物を捕食することもできます(見たことないけど)。
捕食の際はエサを吸い込み、違和感があると吐き出すこともあります。
アタリに気付きにくい捕食行動で、釣れた時には針を呑み込んでいることも珍しくありません。
アマダイの当たりを取るうえでは、ゆっくり聞き合わせをしないとアタリが分かりにくいのはそのためです。
アマダイの特効エサとエサ付け
アマダイのエサは一般的にオキアミやホタルイカが用いられますが、どれがアタリエサになるかは、やってみないと分かりません。
ゴカイもアマダイの一般的な捕食対象なので、アタリが少ない時の対策として青イソメやイシゴカイなどを準備しておくのも良いかもしれません。
エサの選択は、地域、季節、その日の海の状況など、様々な要素によって変わってきますので、事前に船長に確認するのがいいと思います。
オキアミやホタルイカが万能ということではではありませんので、虫エサも試してみても良いと思います。
(ちなみに私はオキアミだけでもそれなりには釣れますので、あまり他のエサは使いません。)
アマダイのエサ付け
基本中の基本なので、ほぼ蛇足的な説明ですが、一応オキアミのエサ付けについてご説明しておきます。

図でご紹介の通り、オキアミはラインに対してまっすぐになるように気を付けてください。
エサがくるくる回ると、ラインがよれるだけでなく、誘い動作の時の動きも不自然となり、ほぼ喰ってきません。
まあ、これはほかの釣りでも共通でよく言われていることですね。
アマダイを新鮮な状態で持ち帰る方法
アマダイは血合いが少ないと言われており、無理に血抜きしなくてよいともいわれます。
ただし、脳締めは全ての魚に共通で、出来る人はやった方が良いです。自信が無かったり、時間的な余裕が無い場合は、海水氷を準備してその中にアマダイを入れるだけでも良いかもしれません(一定時間冷やしたら、海水氷からは取り出しましょう)。
30cmを超えるような中~大型は、脳締め、血抜きもやった方がいいかも知れません。
魚を新鮮な状態で持ち帰ることに関しては、基本は同じですので、よかったら、魚の鮮度維持のための関連記事もごらんになってください。

アマダイの美味しい食べ方
アマダイは、ほんのりとした上品な甘みと、非常に柔らかく、きめ細かな身質が特徴です。
- 身には水分を多く含むため、生食では昆布締めや熟成など、水分を少し抜くことが重要です
- 皮の下に強い旨味があり、加熱する(炙り、湯引き)ことで皮が持つ独特の甘い香りが引き立ちます
・25cmを超えるアマダイでは皮が集めて固いので、炙りではかなりしっかり炙る必要があります - アマダイの皮と鱗の魅力を最大限に引き出す、アマダイ料理の最高峰が「松かさ揚げ」です
・鱗はパリパリ、皮は香ばしく、中の身はふわふわでジューシーという、絶妙な食感が最高!
・簡単なコツを後ほどご説明します - 塩焼きは、弱火~中火の遠火で、身を崩さないようにじっくり時間をかけて火を通すのがコツです
- 酒蒸しは、アマダイの甘い香りが、酒の香りと相まって一層引き立ちます
👉尚、アマダイの熟成に関しては、熟成方法に関する記事で詳しくご紹介していますので、良かったらこちらも覗いてみてください。

失敗しない「松傘揚げ」
「松傘揚げ」はうまくできればとても美味しいのですが、コツをつかまないと失敗のリスクがあります。
初めてでも失敗しないためのポイントをまとめてみました。
下準備
松傘揚げは、ウロコを落とさないので、下準備が普通の三枚卸しと少し異なります。
ウロコは落とさないのですが、新鮮なアマダイほどウロコ表面には強めのヌメリがあります。
できれば、三枚おろしの前の「洗い」の段階で、表面に少し塩をつけて、たわしなどで丁寧にヌメリを落としましょう(揚げた時のウロコの開きに影響します)。
その後は、ウロコをつけたまま三枚おろしにして、一口大のぶつ切りします。
ウロコが残ったままの三枚おろしは包丁が入りにくいので、ケガをしないように注意します。
薄力粉を、身の方の面にだけ薄くまぶします。
※ウロコ側には絶対に付けないように注意してください。(ウロコが開きません)
揚げ方
重要ポイント:すくい網などにアマダイをウロコを上に向けてのせ、ウロコがしっかりと立つまで(根気よく)170℃ぐらいの油をお玉で何度も何度もかけ続けます。
アマダイをいきなり油に入れても、うまくウロコが開かないことが多いので、必ずウロコが開いてから油に入れることが重要なポイントです。
十分にウロコが立ったら油の中に入れ、さらに1分ほど揚げましょう。
油の温度は180℃でもいいようですが、やや低温でしっかりウロコの水分を飛ばすのがサクサクになる秘訣らしいです。
ウロコが開かないと硬くて食べられたものではないので、ここは最重要チェックポイントです。

美味しい塩を少しだけ付けて食べると、絶品です!
まとめ
アマダイは釣っては独特の引きが癖になるほどに楽しく、食べても極上の美味の魚です。
少しぐらいタナがずれても、釣れてくる「外道」も美味しい魚が多いのも嬉しいところです。
今年の日本海は、アマダイは少し調子がよさそうとの情報がありました。
皆さんも是非一度、挑戦してみてはいかがでしょうか。
最後まで読んでいただきありがとうございました。


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