今年も太刀魚の季節がやってきました!
テンヤでの太刀魚釣りはもともと近畿で人気の釣りでしたが、大物のドラゴンサイズが釣れることから、最近は関東でも人気になってますね。
通常のエサ釣りに比べると、テンヤでの釣りは独特の釣り方ですが、コツさえ掴めば決して難しくありません。
今回は、テンヤでの太刀魚釣りで安定した釣果を実現するための重要なポイントと、美味しく食べるための調理法をご紹介します。
私は釣り歴は20年以上で、テンヤも軽く10年以上の経験があり、釣果も安定して上位10-30%ぐらいの実績を続けています。
太刀魚は強い引きが魅力的ですし、食べても様々な調理法で抜群の美味しさです。
是非、太刀魚のテンヤでの釣りを楽しんでみませんか。
テンヤ太刀魚釣りの魅力
テンヤでの太刀魚釣りは、一般的な魚釣りとは異なり「引っ掛け釣り」です。
まずこの特徴を理解しておかないと太刀魚を人並み以上に釣ることが難しくなります。
何故なら、「アタリ」が有っても、その「アタリ」を察知して、引っ掛けのための「アワセ」動作が出来ないと、釣れる確率はかなり低くなるからです。
タコは、当たってからゆっくり合わせた方がいいと言われていますが、太刀魚はある程度の反射神経が必要かもしれません。
この釣りの楽しさは、当たりを出すための誘い動作と、「アタリ」が出た時の「アワセ」が決まって、太刀魚特有の強烈な引き込みを体感するまでの、一連のアプローチの全てに凝縮されています。
つまり、待ちの釣りではなく、常に働きかけが必要な釣りなのです。
要領が分からないと難しそうですが、理解すべき基本は3つだけです。
そこだけ頭に入れておけば初心者でも、慣れればすぐに人並みには釣れます。
正直なところ、私は人並み以上に釣れるまでには2~3回はかかりましたが、皆さんはこの記事を読めばすぐ釣れると思います。
テンヤ太刀魚釣りで、太刀魚を釣るプロセスと3つのコツ
テンヤ太刀魚釣りでの重要な3つのコツ・基本
1.太刀魚の「アタリ」出すための誘い動作
海の中の太刀魚のいるであろう層を、底から太刀魚が浮いていると予想される深さまでを、テンヤを巻き上げながら「誘い」を入れて「アタリ」を待ちます。
どのあたりまで誘えばよいかは、だいたいは(良い船宿なら)船長が教えてくれます。
アタリが無ければ、またテンヤを海底まで沈めて、同じ動作を繰り返します。
これが、最初の重要なコツの1つです。
具体的な「誘い方」はのちほど詳しくご説明します。
底からゆっくり巻きながら、たまにチョンチョンと動かすイメージだけで全然大丈夫です。
2.太刀魚の「アタリ」が有ったら、とにかく「アワセ」をいれる
誘いの結果、太刀魚の「アタリ」があったら、基本は「即アワセ」です。
大きく強く竿をあおって、テンヤの針を太刀魚に引っ掛けます。
当然、空振りのことも多いですが、この釣りの最も重要な二つ目のコツは、空振りを恐れずに、果敢に恥ずかしがらずに、躊躇なく強いアワセ動作が出来るかどうかです。
その結果、仮に太刀魚が掛からなくても失うものは何もありません。
アワセは、次の誘いの効果もあります。
失敗しても、すぐに次のチャンスが待っています。
冒頭にご説明の通り、この釣りは引っ掛ける釣りであることを思い出しましょう。
勇気を出して「アワセ」を入れないと、人並みには釣れません。
最近では、食いが浅い時は即アワセではなく、十分に追わせてからアワセを入れた方がいいという説明の動画も見かけます。
タチウオの場合、イカと同様に、当たってから魚が離れるまでがかなり短いので、反射神経に自信がない人は、十分に追わせて竿先に重さが乗ってから合わせるのもいいかもしれません。
私は、個人的には即アワセの方が楽しいと感じています。
3.アワセが成功して太刀魚が掛かったら、緩めずに巻き続けること
太刀魚が掛かってから重要なのは、このあと釣り糸を緩めずに素早く巻き続けられるかどうかが三つ目のコツで、無事に釣れるかどうかが大きく決まります。
太刀魚は針掛かりしても、素早く上向きに泳いで針を外そうとしますし、外れないにしても、弛んだ糸を鋭いカミソリのような歯で一瞬で切っていきます。
海面迄上がってきても同様に、いっさい糸を緩めないことが重要です。
以上の三つのコツを実践できれば、太刀魚は誰でも釣れます。
釣れる人と、釣れない人の差 (基本を知っているかどうか)
①-1:「アタリ」を出すための誘いとは?
上手な人は、まず「アタリ」を出すための誘いパターンをたくさん知っています。
しかし、誘いパターンは、基本を理解すればそんなにたくさん知らなくて大丈夫です!
実は太刀魚の気持ちになって、自分なりに誘いを演出するだけで十分なのです。
つまり、太刀魚の目の前で、イワシやアジなどの小魚が自然に泳いでいるか、ピクピク痙攣している状態(この操作を、人は「シェイク」などと言います)を演出するだけです。
不意に逃げ惑うような演出を交えて誘えばどこかで反応します。
少しだけ補足すると、スローに巻き上げながら、たまにピクピク動かし、時々(5秒程度)じっとしているだけでも誘いとしては成立していると思います。
太刀魚が不自然な動きをしたり、急に動いて視界から完全に消えてしまうようなことをしないことが重要です。
目の前のエサが急に動いて消えてしまうと、よほど活性が高くない限り、太刀魚はほぼ反応せず追っても来ません。
太刀魚に気付いてもらえることを意識して、自然な動きを意識してエサを動かすことが有効な誘いなのです。
ある程度のイメージは必要と思いますので、図を準備しましたので、イメージトレーニングをしておいてください。
タチウオの捕食時のタチウオの目線のマル秘情報
太刀魚は、エサの観察においてはかなり慎重なようです。ものすごく慎重に数十秒もエサを観察し続けることも少なくないというのです(水中動画情報より)。
エサかどうかの見極めに慎重な面があり、いわゆる見切られるリスクがあるのです。
テンヤという疑似餌で誘う際に、いかに追わせて喰わせるかの誘い動作が重要なことを意味します。
見切られないように、エサがあることを強く意識させて、見切られないように上に上に誘い上げて、捕食スイッチが入る迄繰り返すのです。
自分で海中のテンヤの動きを考えて、竿先やリールの操作をすればいいのです。
ただし、長時間観察した挙句に喰いつくパターンもあります。(ロング推定が有効なパターン)
上手い人の「誘い」の操作を気にする必要は全くありません。
自分の考えたパターンが全くダメで、他の人が釣れるようなら、その時初めて釣れている人のマネをすればいいのです。
何故なら、自分で考えたこと・やったことの何がダメで、釣れてる人と何が違うのかを、そうやって学べばすぐ上達します。
①-2:太刀魚のいる層で誘いましょう:魚のいない所で誘っても意味がありません
太刀魚がいるであろう層を探るのですが、どの水深で「アタリ」があったかをできるだけ周囲の人と情報共有して、出来るだけ効率的に誘います。
そして、当たりがなくなったら、また底から自力で広くタナを探っていく努力も重要です。
そこで重要なのは、アタリが有ったら、リールのカウンターや、PEのラインの色で、何mでアタリが有ったのかは必ず確認する癖をつけましょう。
これも重要なポイントです。
①-3:「アタリ」が分かることはかなり重要!
初心者で「アタリ」が分かるには、慣れるまでに少し経験が必要かもしれません。
太刀魚が強く引っ張ってくれる「アタリ」は簡単ですが、これを期待していては人並みには絶対釣れません。
しかし、慣れれば竿先に「コツッ」という感覚や、竿先が「フッ」と軽くなる(浮く)動きが分かるようになります。
これは、ある程度の経験が必要になります。
この釣りは、この「アタリ」が分からないと釣りにならないので、ここは頑張ってください。
特に、竿先が「フッ」と軽くなる動きは、イカメタルの釣りと同様に、少し特殊なあたりで、普通の釣りではあまり経験することがないので、少し慣れが必要です。
錘(オモリ)付きのエサに対して、魚やイカが餌と思って食いついたときに錘を持ち上げる動きになるため、竿先が「フッ」と浮き上がる動きになるのです。
波で上下している船の上で、この「アタリ」を見極めるのは少し慣れが必要ですが、太刀魚の釣りにいおいては、見逃し厳禁の重要なアタリですので、頑張って体得しましょう。
ハッキリわからなくても、怪しいと思ったら躊躇せずアワセを入れればいいのです。
➁「アタリ」があったら躊躇せず「アワセ」が出来ること!
普通の釣りと違い、勝手に口の中にハリが掛かることはほとんどありません。大半は、太刀魚の顔の外から内側にハリを貫通して釣るのがこの釣りなのです。
最も釣れる確率が高いのは、太刀魚がエサをくわえた瞬間に「アワセ」を入れることで、テコの原理で、太刀魚に針が刺さります。
更に、太刀魚がテンヤのすぐ横にいるタイミングで「アワセ」を入れたら針が刺さることも少なくありません。
アタリがあったら、果敢にアワセを入れましょう!
アタリが有ってからアワセまでの時間が長い(遅い)とほぼ空振りになります。それは、太刀魚はすぐに餌から離れることが多いからです。
そして、アワセは短くシャープにが大原則で、大きなアワセでは、空振りの時にテンヤが太刀魚の視界から消えてしまい、次の当たりに繋がらないリスクがあるので少し注意が必要です。
この時には不用意にリールを巻かず、その場で次の当たりが有ってから少しづつ巻き上げることも重要です。
ここでは、反射神経は少し重要な要素になります。これも頑張りましょう。
この①と②が最も重要な理解すべきポイントであり、よく理解して実行出来れば太刀魚は釣れます。
断言できます!
太刀魚釣りの注意点、その他の為になる情報
太刀魚の歯は超危険
最も注意すべきは、太刀魚のカミソリのような歯です。
触っただけでスパッと切れます。そして切れ味が抜群なので、血がなかなか止まりません。
とにかく気をつけてください。
フィッシュグリッパーという、魚掴みは有った方がいいですし、釣り用のグローブもした方がいいです。
針を外す時も、プライヤーなどを使用しましょう。
怖いのは、釣り上げた太刀魚を足元の生け簀に放り込むのも危険があります。
たまにですが飛び出して人の足にかぶりつくこともあります。
釣れた太刀魚の抜き上げ方
海面からの抜き上げは、なるべく海面近くのラインを持って一気に(人に当たらないように)引き上げます。
竿での抜き上げはテンヤが飛んで人に当たる危険がありますので、絶対やめましょう!!
ほかの魚と違い、タモですくうことはほぼありません。太刀魚の歯は鋭く、タモがすぐ破れてしまうのです。
太刀魚が水面近くまで浮いてきてもラインを緩めず、出来るだけ海面近くまで手を伸ばして、一気に抜き上げるのが基本です。
太刀魚の鮮度保持
釣りあげた太刀魚は、すぐに締めて冷海水に放り込むのがお勧めです。
鮮度保持と共に、噛まれるリスクもなくなります。
「【釣り人必見①】「釣った魚の鮮度維持」の極意を全公開 ~釣り上げた瞬間から持ち帰るまで〜」にて海釣りの魚の鮮度保持のご紹介をしていますが、太刀魚もそうした基本は同じです。
この時、海水と氷が混ざらないように注意が必要ですが、太刀魚の歯で氷の袋が破れるリスクが高いので、2リットル程度のペットボトルでの氷を準備するのが良いと思います。
太刀魚のタナ(釣れる水深)
太刀魚は別名「幽霊魚」とも呼ばれるくらい、急にタナが変わることがあります。
アタリがなくなったら、再度、底からあたりのあるタナまでを広く探りましょう。
タナは、周囲のお客さんと情報共有するようにして、効率的に釣りを楽しみましょう。
太刀魚が釣れるタナが分かったら、誰にも教えないで自分だけ釣ろうというのは間違いです。
他の人が違うタナで誘いを続けると、太刀魚はどんどん違う層に移動してしまい、全体的に釣れにくくなります。
リーダーについて
フロロ10号程度で1mぐらいをFGノットで直結しておくのがお勧めです。
これはロッドのガイド絡みの帽子にもなるのと、仕掛けの巻き過ぎの防止にもなりお勧めです。
太刀魚の捕食パターン
太刀魚は捕食が下手で、何度も噛んで捕食することもあると言われていますし、実際に多くの場合、エサが残っている限り何度でもアタックしてきます。
このことは、テンヤの回収のタイミングの判断、誘いの判断の上で、理解しておくべき情報です。
アワセが空振りだった時の対応
アワセミス(空振り)でも、大きく巻き上げなければ、チャンスは続くのでその場で誘い続けましょう。
アワセミスの場合は、巻き上げずに、その場でシェイクして誘うのが有効です。
太刀魚の視覚と嗅覚
太刀魚の視覚は優れており、視覚を頼りに捕食活動を行うことが多いと言われています。
テンヤの動きが自然なことも重要になります。太刀魚が見慣れない不自然な動きは、太刀魚の警戒心を誘うだけなので注意しましょう
又嗅覚による捕食行動も有効と言われていますので、エサの種類による臭いの効果や、アミノ酸などのリキッドもおまじない程度には有効かもしれません(知らんけど)。
大型の太刀魚の特徴
小型の太刀魚は強めの誘いでも反応するのに対して、大型では警戒心が強くゆっくり自然な動きに反応しやすいと言われています。
大型の太刀魚を釣るコツがよく言われますが、単純に重要なコツってその程度のことだと思います。
しかし、私はまだ釣ったことがないので、今年の釣行の機会には是非実践したいと思います。
大型になるほど捕食が慎重になるというのは多くの釣りに共通の基本で、その結果大きくなるまで生き残っているのだと考えられます。
尚、大型の太刀魚を釣るもう一つのコツとして、アタリがある間は小さい太刀魚が追い付けないくらいの速さで巻き上げ続け、大きい太刀魚が食いつくのを待つ方法も有効と思われます。
これはアタリがあることが条件です。
一般的な誘い
一応、一般的な誘いについて言及しておきます。
❶ジャーク&ステイ、❷スローリトリーブ、❸テンヤを頻繁に動かしてアピール、❹フォール中の静止、など自然な動きを演出しましょう。
❹はラインの弛みが発生して、太刀魚にラインを切られるリスクがあるので知っておいた方がいいです。
ゆっくりとした動きは無防備な状態の演出で、大物を狙うときには有効です(たぶん)。
脂の乗ったイワシやサンマなど、匂いの強いエサ
太刀魚も嗅覚が効くので、臭いの強めのエサは有効と言われています。
僅かな差で竿頭になるとしたら、こうした僅かな努力の差も結果につながることは間違いないと思います。
しかし、私は面倒なのであまりこだわりません。
これまでに述べたことを実践すれば、平均以上の釣果はほぼ間違いなく達成できます。
上級者向けの大物釣りの誘い
海の中には、海水の層が分かれている箇所があり、上潮、下潮などと言いますが、高さにより海水の流れの速さや向きが違う箇所があります。
潮噛みと表現しますが、海流が強い層では仕掛けに強い抵抗を感じますが、その層を抜けると急に抵抗感が軽くなります。
大きな太刀魚は、その層の際で食ってくることが多いという話もありますので、海水の層の深さをリールのカウンターで確認して、そこまでを誘い上げてくるというのも有効な時があるようです。
太刀魚釣りの美味しい食べ方
刺身
鮮度のよい太刀魚は刺し身が美味しいですが、表面の銀色の皮部分が歯に当たるぐらいの固さがありますが、皮は薄いので、皮を引くのが少し難しいです。
簡単な方法としては、皮を下にして、包丁で削ぎ切りにして皮目近くで包丁を滑らせて皮を外すのですが、少し慣れが必要です。
炙り:
固めの皮の対策としては、炙り(アブリ)がお勧めです。
炙り用のバーナーは1000円前後で入手できますので、是非1個入手しては如何でしょうか。
炙りにすると身が反り返るので、炙る前に写真のように格子状に包丁を入れましょう。
抜群の美味しさです!
かば焼き
ウナギのかば焼き風になり、ドンブリとしても美味しくいただけます。
タレは自作してもいいですが、市販のウナギのかば焼きのタレが便利でお勧めです。
太刀魚はかたくり粉を薄くまぶして、フライパンでソテーにして、ある程度火が通ったら、タレを絡めて仕上げるだけで簡単です。
太刀魚は、火を通すと非常に身質が柔らかいので、型の良い油の乗った太刀魚のかば焼きは絶品です。
細切りのポン酢和え
この料理も、刺し身に飽きた時など、最高のつまみになり私の大好物です。
太刀魚は細切りにしておきます。
大葉、ミョウガ、生姜、ネギなどをみじん切りにして、細切りの太刀魚と和えます。
ごま、ニンニクなどもお好みでまぜて、食べる前にスダチを絞りポン酢で和えると最高に美味しいです。
塩焼き
定番ですが、これも絶品です。
太刀魚のしゃぶしゃぶ
我が家では、たくさん釣れる(ほぼ毎回)と、太刀魚テンコ盛りの鍋にします。
太刀魚は癖が無くてあっさりなので、ポン酢でいただくと超美味でいくらでも食べられます。
まとめ
太刀魚は、とにかくあの強烈な引きが最大の醍醐味ですが、釣れた後の食の楽しみも尽きません。
今年は結構いい感じで瀬戸内海に太刀魚がやってきているようですね。
近いうちに釣行を考えていますが、まだメーターオーバーの期待が低そうなので、秋口以降になりそうです。
是非一度太刀魚の強い引きと、美味を経験してみませんか。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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