【釣り人必見①】「釣った魚の鮮度維持」の極意 ~ 魚の締め方と冷やし方のなぜの説明 〜

船釣り

こんにちは。釣り人の皆さんは、釣り上げた魚を感動するレベルで美味しく食べられていますか?

釣り歴20年の私が、最近ようやく辿り着いた、釣った魚を最高に美味しく食べる方法をご紹介します。

この記事では、魚を最高の状態で味わうための「釣り場での処理、持ち帰り方」を徹底解説し、鮮度を保ち、旨味を最大限に引き出すための具体的な方法をご紹介します。

それぞれの処理には明確な理由があり、そのポイントを押さえることで、釣った魚の味が劇的に変わります。

以前の記事にさらに詳しい情報や新たな発見を盛り込み、内容を大幅に拡充しました。

最高の状態で魚を味わっていただきたいという想いで、詳細な情報をお届けします。

はじめに:釣り場での魚の処理、持ち帰り方の問題点

釣り人にとって釣り場での最大の関心は、いかにたくさんの魚を釣り上げるかに集中しがちでます。
その結果、釣りあげた魚は足元の小さな生け簀に放り込まれて、多くの魚が「野垂れ死に状態」になっている光景を、これまでたくさん目にしてきました。

野垂れ死にした魚たち

魚が小さく、生け簀の中で元気にしていれば少しはましなのですが、弱ったりお腹を上にして浮かんだ状態になってしまっては、魚は劣化どころか腐敗に近い状態になりかねません。特に夏場などは最悪です。

実は、船に備え付けの大きな生け簀に活かしておくことですら、あまり推奨されないことが多いのです。

地合いなどでやむを得ない状況でない限り、足元の小さな生け簀に放り込むのではなく、すぐに脳締めをしてクーラーの中の海水氷などで冷やし込むべきなのです。

では、何が、どう問題で、どうするのが最適なのでしょうか。この記事では、魚の鮮度維持のために必要なことと、その理由できるだけ詳細にご紹介します。

コンディションの良い魚とは

よく、「コンディションが良い魚」という言葉を耳にしますが、コンディションが良いとはどういうことでしょうか。

コンディションが良い魚というのは、大雑把に言うと以下の三つの条件が整っている必要があります。

  1. 元の魚の栄養状態運動環境が良く、魚の体高があり、張りがあり、ものっている
    体高とは:背びれからの身の立ち上がりが大きく、尻尾側まで厚みがあること
  2. 釣り上げ途中の格闘が少なく、魚の内部エネルギーのATPの消費が少なく、筋肉内の乳酸の蓄積も少ないこと(多少は仕方ないですね)
  3. 釣り上げてからの処置が適切に実施され、ストレスが少ない状態で直ちに締められて、素早く適切に適温に冷却されて、その後も適温で保存されていること

ATP:アデノシン三リン酸のことで、酵素で分解されて旨味成分の元となる有機化合物で、魚の鮮度にとって最も重要な要素です

魚の鮮度維持する上で最も重要なことは、釣り人の努力でできる3.の釣り上げてからの処置です。

しかし、残念なことに、とても大切なことにも関わらず、多くの釣り人が適切な処置をしていないのをよく見かけます。

それは、どの処置が、なぜ重要で、どの優先順位が高いかを十分に理解してないからではないでしょうか。

わずかなことで劇的に魚の鮮度が変わり美味しくなることを、まずは理解してみませんか。

魚が劣化するメカニズム

では現実的には、どのような状況で魚の劣化が進んでいくのでしょうか。具体的な原因を見ていきましょう。

  • 釣り上げ中の筋肉疲労とATP消費(管理困難)
    ・釣り上げ中に魚が激しく暴れると、ATPが大量消費され、筋肉に乳酸が蓄積し、体温が上昇します
    ・この現象はある程度避けられず、釣り上げた後の処理で完全に回復させることは困難です
  • 釣り上げ後の無駄な動き(管理可能で重要)
    ・釣り上げた後も魚が暴れると、さらにATPが消費され、劣化が進みます
  • 高温環境での放置(管理可能で重要)
    ・暖かい日に船上での放置や、ぬるい海水中での放置は、魚の体温が上昇し、急速な劣化が進みます
    ・これは、細菌の繁殖が活発になることや、自己消化酵素の働きが促進されることなどが原因です
  • 海水氷への長時間浸漬(管理可能で重要)
    ・海水氷の中に魚を長時間放置すると、低温硬直による回復困難な身質の大きな劣化をもたらします
    ・更に部分的な冷却急冷部分的な硬直などによる身質劣化の原因となります
  • 生け簀内のストレス(管理可能)
    生け簀内での酸素不足、水温上昇、過密状態による他魚とのストレスなどは、魚の体力回復ではなく、むしろ消耗や劣化を促進します
  • 氷締めによる身質の低下(管理可能)
    ・冷却中に魚が暴れると、ATPを消費し、劣化を促進する可能性があります
    ・可能な限り脳締め後に海水氷に投入します
  • 締め処理に伴う体温上昇(影響は軽微)
    ・脳締めや神経締めを行う際に、一時的に体温が上昇することがあります
    ・しかし、処置後に素早く冷却することで処置効果への影響は軽微です

この中で重要なのは、自分の努力で大きく改善できることを知り、それを実践することです

以下の手順を実施することで、多くが解決可能ですので、是非ご活用下さい。

魚を釣った後に、鮮度維持のために優先すべき重要な4つの処置

船上で魚を釣ってから、何よりも優先して行うべきことを順番にご説明します。

地合いなどで一時的に足元の生け簀で泳がせる以外は、出来る限り迅速一連の処置を行うことが大切です。

  1. できるだけ早く魚の代謝活動を停止させるために脳締めを行う最重要】 
  2. 特に大型魚熟成を行う魚など、必要と状況に応じて、身質の劣化防止のため、血抜きを行う 
  3. 主に大型魚や、熟成予定の魚などでは、更なる代謝の停止と、緩やかな死後硬直のために可能であれば神経抜きを行う
  4. できるだけ早く、魚の鮮度に有害な体温が高い状態を解消するために、魚を冷却する最重要

尚、この一連の全ての処置に共通する重要事項は、丁寧な魚の取り扱いです。

内容自体は極めて一般的なことですが、それぞれ何故重要なのかどうするのが良いのかなどをできるだけ詳しくご説明してきます。具体的な処置内容は、それぞれ次の個別の項目の中でご説明します。

全てに優先して「脳締め」をおこなう 【鮮度維持の最重要ポイント】

一刻も早く魚の代謝活動を停止させます【ここが最も重要

  • まずは確実に脳締めを行います 
    ・脳の中でも延髄(脊髄につながる、頭から遠い側)の破壊が特に重要です     
    ・重要なのは、脳締めという行為をすることではなく確実な効果がある処置を実施することです
    中途半端な処置は逆効果となり、やらない方がいいぐらいですので特に注意しましょう
  • この時に魚を無駄に暴れさせずストレスを与えないような丁寧な扱いが重要です
    ・その後の血抜きのためにも、魚の心臓に負担をかけないよう、強く押えない配慮などが重要です
鯛の脳締め事例

神経抜きを行う前提の場合は、写真の場所からではなく、魚の正面から脳締めを行うのがより効果的です。
具体的な方法は、「神経抜き」の項の写真をご参照ください。

脳締めの目的と効果

  • 魚の代謝活動を停止させ、無駄なエネルギー(ATP)消費を防ぎ身の損傷も防止できます
  • これにより体温上昇を抑制し、死後硬直の進行を遅らせる効果もあります
    ただし、延髄の破壊が不十分な場合は、死後硬直の遅延効果が無かったという報告もあります

失敗しない脳締めのコツ

  • 失敗する理由は、場所が分からない処置が不十分の2点に集約されます
    上の写真などを参考に、魚を暴れさせないように気をつけて、落ち着いて素早く処置します
  • 魚の動きが止まって、口を大きく開ければ、うまく締まった証拠(口を大きく開けるだけではダメ
    形だけやっても意味がなく確実に脳細胞を破壊し、魚の動きが止まったことを確認してください

    ※YouTubeなどの動画で、不完全な脳締めにより魚が暴れ続ける失敗事例をよく見かけますが、これは脳締めの難しさを物語るもので、熟練と丁寧な処置が重要なことが分かります

必要性と時間的余力に応じて「血抜き」の実施

血抜きは、後述の「目的と効果」を考慮して、又現場の手間などから、場合にっては省略することも選択肢の一つですが、優先的にやるべき場合もありますので、以下で説明していきます。

血抜きは必ず、脳締め後に行います

  • 血抜きは、必ず、脳締め後魚が無駄に暴れることのない状況で行います
  • 脳締めで呼吸は停止しますが、心臓は脳からの指令がなくても心臓自体がペースメーカーのような機能を持っているため、ある程度の時間、自律的に鼓動を続けることができます

血抜きの方法

  • 頭部に近い一番前側のエラ(第一鰓弓)を左右とも切断する 
  • 血抜きを重視するなら、現場の海水温度での海水中での血抜きが推奨される
    ・海水氷の低温状態では血液凝固により放血抵抗が大きくなり、効率的な血抜きとならない
    ・血抜き自体での体温上昇はなく、血抜き後に素早くしっかり冷却すれば大きな鮮度低下はない
    ・冷却を優先する場合でも、冷たすぎる環境は負担が大きいので、氷が海面に少し浮く程度にする
  • エラを広げて魚を振る動作は、必要最小限とする
    ・不完全な脳締めでは、魚を振ることで魚の脊椎反射による無駄なATP消費のリスクがある
    ・心臓の鼓動維持の邪魔する心配はほぼないので、上記以外のリスクはないが、効果も限定的
    (エラ根元でなく、背骨側の大動脈を切断する血抜きでは、この動作の有効性は少し大きい)
血抜き位置

血抜きの最適な方法は、実践検証が不足しているので確証は有りませんが、心臓からの放血と、エラ内の血液の放血両面の最適化の視点から、第一鰓弓の根元切断説を採用しました。
巷で多い、第二鰓弓(前から2つめ)の根元切断も有効なのかもしれませんが、今後の実践確認課題です。

血抜きをすべき魚

大型魚熟成予定魚鮮度低下の早い魚は、血抜きの有効性が高ので優先して行いましょう。

  • 大型魚は、小型魚に比べて血液量が多いため、血抜きの効果がより顕著です
  • 血液量の多い赤身魚や、白身魚でも30cmを超えるサイズも血抜きは有効です
  • 熟成する場合は、血抜きの有無で熟成後の風味に大きな差が出ることがあります
    (血液の酸化により様々な悪影響があるため)
  • アジやイサキ等、鮮度低下の早い魚も血抜きの効果が期待できます
  • 小型魚ながら身に血がまわりやすいカワハギも血抜きが有効と言われます

血抜きの目的と効果

  • 血液は酸化して腐敗しやすい為、血抜きにより特有の臭み身の変色防止できます
  • 血液中の成分は熟成後の風味、臭い、色合いの悪影響の原因のため、熟成では血抜きが有効です
    ・好みで、血の風味が邪魔にならない場合は、魚種にもよるが、血抜きは必ずしも必要ではない
  • 筋肉に血液が残っていると、その水分がドりップの原因になりえます
  • 血抜きは雑菌繁殖の抑制により、鮮度低下を遅らせる効果も期待できます
  • ただし、脳締め十分な冷却ができていれば特に中型魚以下では、血抜きの重要性は低めです

「神経抜き」は、必要性と余裕とスキルに基づいて実施 【重要度は高い】

神経抜きは、脳締めだけに比べると明確な効果の差があります。しかし、一定の技術が必要なのと、手間がかかる為、現場での実施は下記を参考にご判断ください。

神経抜きの方法:実際の手順と注意点

神経棒
  • 神経抜きには、神経棒と呼ばれるステンレス製のワイヤーを使用するのが一般的です
  • 神経を確実に破壊するために、必ず魚の神経孔(脊髄孔)の大きさに適した太さの神経棒を使用します
    ・細すぎるワイヤーでは神経を十分に破壊できない可能性があり、失敗する重要な原因の一つです
    ・太すぎるワイヤーでは神経孔に入らず作業ができません
青物の神経抜きの説明図
  • 一般的には、頭側の神経締めの際にあけた穴を利用して、延髄に続く脊髄を破壊します
    ・魚体の側線を目安に神経孔の位置を予測し、神経棒を差し込み、魚が暴れ始める箇所を探すのが重要なコツです
  • 神経棒を一番奥まで進め、数回往復させることで神経を確実に破壊することが最重要です
    ・魚は反射的に大きく暴れるので、自分と魚を傷つけないよう、魚体をしっかりと保持します
    ・神経破壊は、神経棒の先端で押しつぶすイメージの為、ワイヤーは広く大きく動かします
    ・神経破壊は、背骨の端から端までを全て破壊しなければなりません
    ・神経は電気信号で筋肉に動きを指示するので、部分的にでもつながっているとダメなのです
    魚の神経孔の大きさと、ワイヤーの太さと長さが合わない場合、失敗するリスクはかなり高いので、神経抜きの実施は見送るほうが賢明です
  • 魚の動きが完全に止まったことを確認して作業を完了します
    中途半端な処置になるなら、やらない方がましです

側線:魚の体側にハッキリ目立つ線で、主に水流や水圧の変化、およびそれに伴う低周波の振動を検知する器官です

神経抜きすべき魚

  • 大型魚は、筋肉量が多いため神経抜きによる効果大きく、有効性が高いです
  • 熟成予定魚では、ATPの消耗防止と、緩やかで均一な死後硬直、解硬、均一な熟成の為に特に重要です
  • 鮮度低下が早いアジ、イサキでは、早くて強めの死後硬直による身質の低下を防ぐために神経抜きが有効です

神経抜きの効果と目的

  • 脊髄反射を含む全ての筋肉運動を停止させることで、ATPの消費を大幅に抑制します
    ・これは鮮度維持旨味成分の保持身質の維持に大きく貢献します
  • 死後硬直を遅らせるのが有名ですが、付随して緩やかな硬直、解硬と、均一な熟成特に重要な効果です
    ・更に、鮮度低下の早い魚では、急速な死後硬直による身質の低下を防止する効果も期待できます
    緩やかな死後硬直、解硬、は特に均質な熟成には特に重要な効果をもたらします
    死後硬直遅延の効果としては、捌く時までその効果が維持できた時には身割れを防止できます

解硬:解硬とは、特に熟成前に必要なプロセスで、死後硬直後に再度筋肉が緩む状態を指します

補足:尻尾側からの神経抜きの手順、コツ、注意点

頭側からの神経抜きは、魚体への傷が少なく、魚の鮮度維持には有効な方法ですが、経験に基づくスキルが求められるため、以下尻尾側の切断による方法がより簡単です。

  • 尾鰭の付け根付近(少し上側でないと神経孔が無い)を、神経孔が見えるように骨ごと切断し折り曲げます
  • 背骨の中心に見える神経孔(脊髄孔)を確認します
  • 神経孔から神経棒をゆっくりと挿入します

魚をできるだけ早く確実に「冷却」する 【鮮度維持の最重要ポイント】

脳締めや神経締めは神経系を介した筋肉の活動を抑制するのに対して、冷却筋肉組織を含む全体の代謝活動を抑制する効果があると言えます。

推奨される冷却方法の要点

  • 海水に氷を入れ0℃近くに冷やした海水氷を作っておき、そこに魚を入れて冷却します
  • 30分程度を目安にしっかり魚を冷やし込みます(時間は魚の大きさに応じて±10分程度で調整)
    0℃に近い温度での冷やし過ぎは、低温硬直という回復困難な劣化の原因になります(後述)
  • 魚が十分に冷えたら、海水氷から出して、冷海水で濡らした新聞紙などにくるみクーラー内で保温します
    ※クーラーの大きさや氷の量の問題で実施が困難な場合は、魚の冷却を優先するのがベターです
    何故なら、冷やし過ぎより、冷却が遅く不十分なことでの魚の劣化の方がより深刻なことが多いからです
クーラー内の海水氷で冷やし込み(海水が少なすぎNG例)

迅速な冷却の必要性と、冷却時の重要な注意点

  • 釣り上げられた魚は、格闘による代謝活動で既に体温が上昇しています
  • 魚を締めたり、血抜き、神経抜き中、処理後もその影響は一定時間継続しています
  • 魚の体温上昇は、鮮度低下の大きな問題点で、早急な冷却鮮度保持において最重要です

魚の冷却の遅れや、冷却不足がもたらす深刻な問題

  • 自己消化酵素の活性化が進み、身の分解が早まり、温度が高いと腐敗に進みやすくなります
  • 細菌の繁殖が活発になり、腐敗を引き起こします
  • 残存するATPの消費が早まり、旨味成分の生成量が減少します。
  • 特に夏場など、船上の環境温度が高い場合は、魚の劣化への影響が深刻になります

魚の鮮度維持においては、冷却特に重要な処置ですが、上述の通り冷やし過ぎなど注意すべき点も少なくありませんので下記に改めて説明します。

魚を冷却する時の重要な注意事項
  • 0℃近い海水氷で、魚を長時間(数時間以上)の冷却をすると、低温硬直の原因となり、復帰困難な身質の劣化を起こし、これは熟成魚でも深刻な影響となります
    ➡冷やし込みが完了したら海水氷から引き上げて、以降は低温硬直が起きにくい2~5℃で保管する
  • 魚の一部に氷が直接当たると、部分的な強い硬直や身の劣化を加速し、魚体の硬直ムラや、細胞膜の損傷などによるドリップや食感低下の不具合の原因になります
    ➡魚を冷やす場合、魚に氷が当たらないように、氷を袋に入れ身の部分を避けて配置したり、魚との間に新聞紙やタオルを挟みます
  • 急激な冷却は、急速で強い死後硬直を招き、熟成過程においては酵素の働きが不十分となり、熟成が不均一になったり、旨味の生成が不十分になったりする可能性があります
    ➡身質を適切に維持するためには、できる限り段階的で均一な徐冷が必要です(現実的にはやや困難)
低温硬直のはなし
  • 低温硬直は、通常の死後硬直よりも筋肉が硬くなる傾向があります
  • 一度低温硬直が起こると、温度を上げても元の状態に戻りにくくなります
  • 低温硬直では、身の食感や保水性が損なわれ、ゴムのような硬さパサつき筋繊維の強調舌触りの悪化などの食感悪化のリスクがあります

釣った魚の持ち帰り方:鮮度を保つための重要な注意点

魚の鮮度維持においても、単に冷却さえすればいいということではありません
冷やし過ぎがダメなことも踏まえた上での、適切な持ち帰り方をご説明します。

  • 0℃近い海水氷に浸けたまま持ち帰ると、回復困難な低温硬直を起こすリスクが極めて高いです
  • 釣った魚を持ち帰る際は、低温硬直が起きにくい2~5℃程度の低温を維持することが必要です
  • そのためには、海水氷に浸けたままで持ち帰るのではなく、魚を取り出して、養生して、保温して持ち帰ることで、魚はより適切な状態を維持することができます
  • 例えばクーラーの底に海水氷で冷やしたクッション材を敷き、魚は乾燥防止にラップやビニールで覆い、出来るだけ魚に強い押し潰しの力が働かないように配慮するなどが理想的です
  • 保冷用の氷は、ビニール袋に入れて、更に魚に直接当たらないようタオルなどを当てます

「経験したことのない美味しい魚」を食べるために

魚を美味しく食べる上では、新鮮で美味しい状態で持ち帰るだけでなく、それを美味しい状態のまま捌き、更にできれば熟成までやることで未知の味覚との出会いが待っています。

魚の捌き方熟成方法に関しては、別記事でご紹介していますので、こちらも良かったら覗いてみてください。
【釣り人必見➁】「魚を美味しく捌く」のコツ・極意のまとめ ~捌き方一つで不味くも臭くもなる~」、
【釣り人必見③】「魚の熟成」の極意まとめ ~熟成魚の異次元の”うまみ”に感動!~

そして、釣り人の方は、是非実践してみてください。格段に魚が美味しくなりますよ。

釣った魚の鮮度維持のための、その他の付随的な疑問点について

この記事を書きながら、以下のような疑問がありましたので、改めて別記事での発信を予定しています。

あくまでも、予定であり項目については変更の可能性もありますので、悪しからずご了承ください。

  • 船に備え付けの大きな生け簀に活かしておくことは、あまり推奨されないことが多い理由
  • 遊漁船の生け簀の上手な使い方と、NGポイントの説明
  • 魚の血管は、心臓からエラや動脈にどう流れ、血抜きは何処でどう行うのが良いのか
    津本式の血抜きの特徴やメリットなど
    血抜きにおいて、背骨の下の太い血管を切るより、エラを切る方が効果的と考えられる理由
    血抜きの際に、魚の尾の付け根の血管も切断することは有効か
    血抜きの際に、腹膜を切断することの有効性と注意点
  • 魚の死後硬直のメカニズムと、悪い死後硬直について(早く強い死後硬直、低温硬直など)
  • 魚が暴れるとよくない理由
  • 刺し身の適正な食べごろと、コリコリ感と旨味のバランスについて

まとめ

今回、釣り場における魚の鮮度維持に関して大幅に見直し、出来るだけそれぞれの処置の必要性の原因にさかのぼってまとめ直しました。

正直なところ、何点かは以前の記事からは大幅に変更しました。

その結果、内容の合理性は高くなったと思いますし、「何故そうなのか」についての説明を多く追加しましたので、トレース可能な内容にもなったと考えています。

釣り上げた魚を最高に美味しくするために、船上での少しの手間は、何物にも代えられない未知の美味しさの経験をもたらしてくれます。

この記事が、少しでも皆さんのご参考になり、新鮮な魚の持ち帰りにチャレンジしていただければ幸いです。

最後まで読んで頂きありがとうございました。

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