暇を持て余した時の趣味?の一つとして、ナイフで削り出す竹のペーパーナイフにトライしてみませんか。
実用性は高く、我が家ではすっかり定位置を確保して活躍しています。
しかし、この楽しみは私にはとてもお勧めなのですが、実は少しだけ問題があります。
というのは、ナイフワークに慣れてないとケガをする危険が高いので、子供のころからナイフに馴染んできた方でないと、少し心配があります。
ということで、かなりニッチなオススメになってしまいますが、具体的な手順をご紹介しますので、興味が湧いたら自己責任で挑戦してみてはいかがでしょう。
手先を動かすことは、脳の活性化にはとてもいいですし、やってみると結構楽しめます。
竹のペーパーナイフの仕上がりイメージ
自分だけのオリジナルペーパーナイフの作成例をご紹介します。
現在の出来としては少しクセのあるデザインが難点ですが、「数打ちゃ当たる」とたかをくくって、で気にせず挑戦中です。
やっていくうちに、デザインセンスもマシになってくるのではないでしょうか。やはり、無意味に余計なラインがない方がいいみたいですね。

竹の温もりと、手作りのあたたかみが感じられませんか?。
実際に使ってみると、紙を切る際の滑らかな感触が心地よく、何より作る過程がとても楽しいです。
ペーパーナイフ作りに必要なもの
竹について
こうした用途で強度面で適するのは孟宗竹や真竹だそうです。
一般的には竹の入手は簡単ではないですね。お知り合いの竹林でお世話になって譲ってもらえればいいのですが。
この記事を書く直前には竹のストックが無くなっていたのですが、知り合いの方が帰省した時に入手してくださいました。

ネットでの販売もなくはないですが思いのほか高いので、まずは必要な材料の竹の入手が課題かもしれません。
大きさは20(幅)✖200(長さ)✖8(厚み)mm 程度がいいと思います(もちろんお好みしだいです)。
上の写真の竹だと、30~40本分の材料になりそうです。
強度や耐久性を求める場合は、油抜きが必要だそうですが、私はやったことがありませんが、ペーパーナイフとして使用する分には、実用性の面では支障はなさそうです。
油抜きの方法
・バーナーで軽く炙ってすぐふき取るのが簡単です
・煮沸の方法もありますが、PH10の水溶液で行い白竹にするのですが、危険なので業者さん向きのようです
(単にお湯で煮る方法を紹介している人もいますが、効果は微妙なようですね)
竹は伐採してから、3か月程度乾燥するのが一般的だそうです。
とりあえず練習程度にやってみるには、あまり気にしなくても大丈夫と思いますが、作り込む段階になったらしっかり乾燥させましょう。
加工用の工具について
- ナタ、のこぎり:丸い竹を割ったり、長さを揃えるのには必要です
- ナイフ: 竹を削るための基本的な道具ですが、しっかりした刃の強度、切れ味が必要です。
キャンプ用や釣り用でグリップ長さ10cm程度、葉の長さも7~10cm程度のものが使いやすいです。 - サンドペーパー:#120(成形)、#240(荒仕上げ)、#400(中仕上げ)、#800(研磨仕上げ)くらいの番手があると便利
(ナイフでの削り出しで、形がきれいに出せるなら#120、#240はなくても大丈夫だと思います) - 定規:長さを測るためにあった方が便利です
- 鉛筆、消しゴム:竹にデザインを直接書き込み、それを目安に削っていきます。書き直しに消しゴム必須です

デザイン画の作成、竹への書き写し、加工
下絵づくり
デザインを考えるが一番楽しいかもしれません。
個性的なものを作りたいので、始めは思い切ったデザインもいいと思います。
数をこなして、洗練したデザインを目指す上では、一般的なナイフのデザインを参考にするのが良いかもしれません。
私はまだ洗練したデザインとは無縁な段階で、勉強中です。
尚、ペーパーナイフとしての機能を考えると、封筒に刃先がスムーズに入るように、先端側形状は細長い形の方が実用性が高いと感じます。(冒頭に記載の仕上がりの形状をご参照ください)
竹への書き写し
デザイン画を多めに描いて、気に入ったものができたら、竹に鉛筆で適当にフリーハンドで書き写します。
消しゴムを使い気に入った下絵が書けるまで繰り返します。
この時点でイメージ通りにできなければ、デザインからやり直します。
適当に削り始めてもろくなものは出来ません。

粗削り
デザイン画が出来たら、頑張ってナイフで大きく形を整えるように粗削りします。
鉛筆で書いたデザインのラインが1mm程度残るぐらいに全体を削り出します。
デザイン画のラインをある程度守りながら、全体形状を粗く削りだしていきます。
削りながら仕上がり状態の全体形状を確認して、より良いイメージが浮かんだら、デザインを少し変更して鉛筆で描き直すのも自由です。
この段階では厚み方向は削らず、外形だけを整えます。

ペーパーナイフとしては、竹の青い表皮は全て取り除いた方が私は好きなので最終的には表皮は全て除去しています。
表皮を残すとしたら、きれいなグラデーションで削り込んでデザイン性を活かさないと仕上がりが汚くなると感じています。
ここからはまず、表皮の反対方向(内側)を均等に竹繊維が見えるところまで厚さにして2mm前後削り、表皮側も同様に削ります。
この時点ではペーパーナイフとしての刃先側の厚さも意識して、両側から少しづつ形を整えます。
ペーパーナイフで重要なのは、厚さ方向の肉厚バランスなので、この辺の作業からは仕上がりを意識して削り込んで形状を整えていきます。
仕上げ削り
鉛筆の下絵ラインに沿って、丁寧にナイフで形状を整えます。ここは特に丁寧に、何度も全体形状のバランスを見ながら削り出していきます。
ペーパーナイフとしての面を出していく作業では、ナイフの刃先で擦るようにして仕上げ削りをして、滑らかな面を出していきます。
この作業は、ナイフでの作業に自信が無ければ、#240前後のサンドペーパーを木片に巻いて、ある程度の直線性を維持しながら削り出すのもかなり有効です。

(丸ごとの竹が入手出来たら、上の写真のような小物入れも作れます。)
仕上げ削り、研磨
目の細かいサンドペーパー(#400ぐらい)を木片に巻いて、きれいな面が出るように全体バランスを見ながら仕上げの研磨を行います。全体に粗さの目立つ部分が無くなるまで丁寧に行います。
最後に更に目の細かいサンドペーパー(#800-1000ぐらい)を木片に巻いて、刃先を滑らかに仕上げますが、カミソリのようにシャープにするのではなく、少しは丸みを持たせます。
紙の切れ味を決める作業になりますが、強度の維持のためにも、滑らかに仕上げるのがかなり重要なので特に丁寧に行います。
重要な注意点
ナイフ操作
最も重要なのはケガをしないこと、手を切らないことです。
ナイフを使い慣れてない人は、まずナイフ操作の練習が必要かもしれません。
細かく切り進める際には、ナイフの微妙な力加減も重要です。
私はナイフで木を削ったり魚釣りでもしょっちゅう使うので慣れていますので、10本以上のペーパーナイフ加工をしてきましたが手を切ったことはありません。
指先を使う作業は、認知機能にも良い作用がありますので、しっかり練習しましょう。
竹の繊維方向
竹の繊維方向はタテにまっすぐに走っているので、ナイフは繊維に対して切り下げる方向(順勾配)に刃をむけないと、簡単に割れ(裂け)てしまいます。特に注意が必要です。

この時に、竹のつかみ代が少ないとナイフの刃先で指を切る危険が増えるので、特に注意しましょう。
竹をつかむ方の手は滑り止めの付いた軍手を使うことをお勧めします。
ペーパーナイフの刃の厚さについて
最初はペーパーナイフとして必要な強度のある刃の厚みを削り出す感覚をつかむのは難しいですが、2mm以下の薄さになると、ペラペラでペーパーナイフとしては実用性が無くなってしまいます。
刃先はもちろんシャープにしないと切れませんが、全体の厚みは3mmぐらいは残らないと強度面でダメだと思います。
私が一番最初に作ったペーパーナイフは、刃の厚みが2mmより少し薄かったので、封筒にナイフの刃先を入れて、切ろうとするとナイフが曲がってしまい使い物になりませんでした。

切れ味の調整
刃先を研磨することで、強度と切れ味が向上しますが、薄くシャープにするのではなく、手を切らない程度に刃先は少しだけ丸みを持たせます。
刃先を薄くシャープにすると、その時はよく切れますが、すぐに刃先がガタガタに破損していきます。
ある程度の強度を出すには、刃先を鋭利にするのではなくほんの少し刃先に丸みを持たせます。
切れ味を実現する上では、むしろ滑らかさが重要で、この仕上げが雑さと、早めに刃欠けのようなトラブルが生じやすい気がします。
刃先は粗さ#240のサンドペーパーで成形し、#400で刃先の丸みも含めて更に仕上げます。更に、#800~#1000で刃先の滑らかさを意識してより滑らかに仕上げます。
加工前に竹の油抜きをして、刃先を滑らかに仕上げれば、ナイフとしての切れ味が長続きすると思います(知らんけど)。
まとめ
竹のペーパーナイフ作りは、材料入手に少し課題がありそうですが、初心者でも気軽に始められるクラフトです。
出来たペーパーナイフは意外と使い心地が良く、妻の評判も悪くありません。
削りカスが出るので、リビングでやるとヒンシュクかもしれません。
しかし、デザインを考え手先を動かすという点では、多少のクリエイティブな側面もあり、悪くない趣味(と言うほどのものではないですが)と思いませんか。
気が向いたら、一度チャレンジしてみてはいかがでしょうか。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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