若狭湾の完全フカセ釣りで鯛やヒラマサを狙う:コツは仕掛けの同調【上潮と底潮と風を読む】

船釣り

こんにちはkaoruと申します。

知り合いの蕎麦屋の大将からほぼ1か月ぶりに今年二度目のお誘いを頂き、人生3度目の「完全フカセ釣り」にご一緒させていただくことになりました。
(予定していたお連れの方の都合によるピンチヒッターです)

船長からの情報では、前日はヒラマサや80cm越の大型真鯛が上がっているとのことで期待が高まります。

先に結果をお知らせすると、50cmのメタボの真鯛を筆頭に、35cm前後の真鯛3枚に、鯛めしサイズの真鯛が3枚、そして35cm前後のグレ2枚と、クーラーの心配は杞憂に終わりましたがそこそこの釣果でした。

「潮の流れに対応した釣り方が出来ればもっと釣れたのに」という船長の愚痴の中、いつものように天気にも恵まれ、楽しい時間を過ごすことが出来ました。

潮と風であっという間に状況は変化し、地合いを逃さずに釣る完全フカセ釣りの楽しみ方をご紹介してまいります。

釣り場への道中のあれこれ

出船予定の港集合は朝6時なので、途中の釣りエサ屋に5時頃着の目標という事で、大将のお店での待ち合わせは3時半です。そう言われると少しは早めに行っておこうとするのが釣り人の性です。3時過ぎに到着すると、当然のように大将はスタンバイ完了でお待ちかねですぐに出発します。

道中は短距離の高速を2箇所使って、湖西道路から若狭方面に向かいます。

この季節は気候が良くなりシカの活動が活発になり、春先に比べると道路わきでこちらを見ているシカをたくさん見かけるようになります。このシカが曲者で、大半はキョトンとこっちを見ているだけですが、ごくたまに走ってくる車を気にもせずその直前を渡ろうとするお間抜けな個体がいるので注意が必要です。

今回は、途中の釣りエサ屋に到着するまでに、10頭近くのシカを目撃しヒヤヒヤの道中です。
漁港手前ではサルが道端をわがもの顔でうろついています。

釣りエサ屋には30分以上早く到着し、当然漁港にも予定より30分以上早く到着しました。
船長は、釣り客が先につくのが何より嫌いらしく、我々が待ち合わせ時刻より30分以上早く到着した時には、既にスタンバイしており、「また早いなぁ、早すぎるわ」と仰っています。

船長の出船前の超びっくり行動(他では見られません)

この漁港では、船は波止より沖に停泊しており、船までは驚きの交通手段でアプローチします。流石に今回で3回目なので少し慣れましたが、是非ご紹介したいので写真を添付します。

なんと、船長は発泡スチロールに乗って船まで漕ぎ出していくのです。「一緒に乗っていくか?」とお誘いいただきますが、さすがに丁重にお断りしました。

船長はオールを上手に駆使して、ほんの数分で奥の方の船にたどり着きました。いろんな遊漁船にお世話になりましたが、発泡スチロールで漕ぎ出していくのはなかなかシュールな景色でした。

朝一、実績ポイントで安定の釣果

私は普段は胴付き仕掛け、天びん仕掛け、テンヤやエギの釣りが中心で、私の手持ちのタックルでは「完全フカセ釣り」には特に竿のスペックが役不足です。

このところの釣行では釣り竿や電動リールも大将にお借りしてお世話になっている次第です。

私の持参したクーラーの容量は24リットルで、この釣りで大漁になると小さすぎるとのご心配で、クーラーも30リットルの物を貸していただくことになり、今回は「完全手ぶら」での参加となってしまいました。

早朝の最初のポイントは、前回我々が最初に実績を作り、その後のお客さんもまずまずの釣果を上げているポイントに向かいます。

仕掛けを流してみると、さっそく35cm程度のグレが続けて釣れてきます。船長はご機嫌で、「とりあえずグレは15匹くらいは釣ってもらおうか」と言っていましたが、その後は中型の真鯛が続き、グレはぱったりと喰い止んでしまいました。

グレとタイで二人で10匹程度釣れたころから、風向きが変わり、船の向きが変わってしまい仕掛けがポイントからズレてしまい釣りにならなくなってきました。

近くのポイントで釣りになりそうなポイントを探しますが、ポツ、、、ポツ、、、シーン、という状況が続き、挙句に私の仕掛けが狙いの流し方向と逆に流れた末に、海底にある船のアンカーに引っ掛かります。

船長も「アンカーのロープにかかることは有るけど、アンカー自体に仕掛けをかけたのはあんたが初めてや」とあきれてこの場所をあきらめる決心をします。
恐らくですが海底近くの底潮だけが非常に速く、私が海底近くに仕掛けを送っていたので、無事にアンカーを捉えたのだと思われます。

無駄な遠征の末に、元の場所の近くまで戻って勝負

片道15分程走り深場のポイントに着きます。ここは特にイサキや大鯛や青物の実績ポイントらしく、この時期の日本海のイサキは脂がのって絶品ですので期待が高まります。

しかし、ここ最近は実績がないそうで少し心配です。

到着してあっという間に風向きと潮の流れが変わり、最初の1投だけエサを取られましたが、その後はどうやら潮が早すぎてエサが残ってばかりです。

すぐに風の向きも変わり仕掛けはアンカーに向かってまっしぐらとなり、全く釣りにならなくなってしまいました。

往復の燃料を無駄にして、何も釣れないまま元の場所の近くの船長のチャレンジポイントに戻ります。

このポイントは近年の実績はないながら以前は大物が釣れていたポイントだそうです。

大鯛や得体のしれない大物もいるそうで、船長はいつものノリで「次のお客さんの為に少しエサ撒いといて」と仰っていらっしゃいます。

仕方ないので、せっせと撒き餌をして仕掛けを流してみると、いきなりお連れの大将の竿が根元から大きく海面に舞い込み、力のこもったやり取りの末、60cm前後の真鯛が上がってきて、一気に全員の活性が上がります。

その後もポツポツあたりがあり、私にも久しぶりにやや小ぶりながら鯛が上がってきました。しばらくすると、又潮と風が合わない状況となり、その後あたりが遠のいたので、最後のポイントを目指すことになりました。

最後の勝負ポイントで何とか満足な真鯛をゲット

最後のポイントでは、数回の流しで私の竿が大きく海面に突き刺さり60cmオーバーの大鯛か青物間違いなしの引きです。しかし10mほど上げてきたところで、「ブチッ」と何かが切れる感覚と共に外れてしまいました。

実はこの直前に仕掛けを切られたので、自分でハリスを結び直していたのです。船長から「やったろか?大丈夫か?」と言っていただいたのに「全然大丈夫です」と言ったのですが、全く大丈夫ではなかったようで、口切れではなくサルカンの結び目が解けていました。

実は結び方自体は船長と同じクリンチノットだったのですが、最後の先端側の締め込みが全くダメだったのかもしれません。これまでこの結びで外れたことが無かったのですが、締め込みが不十分だと大物には対応できなかったのです。貴重な学びとなりました。しばらくは夢に出てきそうなくらいショックです。

実は、この後瀬戸内のタコ釣行でもこのクリンチノットが外れたので、「「船釣り」で覚えるノットはこの3つだけ:大物を取り逃さない超重要なコツも大公開」に対策と重要なポイントをまとめました。良かったら大物を取り逃さないために覗いてみてください。

「大物をばらしたからしばらくは釣れんのちゃうか」と船長から苦言です。しかし、その2、3投後に再び強く仕掛けが引き込まれました。先ほどの強烈な引きに比べると物足りないですが何とかリベンジとなり、ちょうど50cmの体高のあるいい真鯛が上がってきました。(写真撮り忘れにつき、調理前写真にて失礼)

しかしそのあとはお連れの大将に小型の真鯛が上がったきり、静寂の時間となり時刻も18時が近づきます。流石にそろそろ納竿という事でほぼ最後の1投というところで、大将の竿が強烈に舞い込みますが、数m巻いたところで急に軽くなり外れたようです。

しかし、それでも竿先には強めの引きがあり、何かが上がってきますが残念なことに大きなエソでした。

そしてその間に今度は私の竿が大きく曲がりますが、こちらは体長70cmくらいのサメでした。

流石にもう潮時とラスト1投と決めてエサを捨てて勝負をかけますが、完全に船の向きが変わってポイントから大きく外れてしまい万事休すで納竿となりました。

「完全フカセ釣り」は、船長が実績ポイントを知っていて、その日、その時間帯の潮の流れや風向きを読んで、釣れるポイントに連れて行ってくれますので、普通はそれなりに釣れますし運が良ければ爆釣します。

しかし、難しいのは表層の潮の流れと底潮の流れが異なる二枚潮や、川のように早い潮や、全く流れない潮です。

流してみないと底潮は読み切れないのと、どうしてもダメな風向きというものもあり、そうなると釣りが成立するポイントが限られ、かなり難易度が上がります。

そして、今回の釣行で船長が所どころで、「こういう時はこういう仕掛けでないと釣れん」と教えてくれますが、すぐに対応できるだけの準備も出来てないですし、どうすればよいかも引き出しが無さすぎて期待に応えることはできませんでした。

完全フカセ釣りに挑戦する方への簡単なご説明

船釣りをやったことがある方前提ですが、完全フカセ釣りをしてみるための準備を簡単にご説明します。

フロロカーボンで5号程度の道糸をできれば300m巻き、当たりが有った時にバックラッシュ防止のための自動ロック機能付きの電動リールがあればより良いです。しかし、道糸は200mで手巻きのリールでも体力が有れば大丈夫ですし、200m巻いた普通の電動リールでもなんとかなると思います。

道糸はヒラマサ対策で6号や7号迄巻く人もいますが、潮の流れによっては撒き餌との同調の難しさがあり、しもり玉などの工夫も必要になってきます。

当たりが有った時の合わせの技術と、バックラッシュ防止のためのサミングの技術に自信があればひとまずは何とかなりそうです。

ドラグ調整も重要ですが、特にヒラマサなどは魚に主導権を渡さず強めの設定で強引に巻く必要もあるようです。

完全フカセの醍醐味は大物のタイやヒラマサですので、この釣りではある程度以上の竿は必須かもしれません。

仕掛けは、潮がかなり効いている状況なら市販のフカセ真鯛の仕掛けでもいいかもしれませんが、潮が緩い時は軽いスイベル、サルカンで構成した方が良いので、自作仕掛けも準備した方がいいです。ハリスは5号程度で短いのは60-90cm、長い先糸は2~4ヒロ程度が良いようです。

エダスは絡みやすいので、ハリスは張りがある高価なものがより良いと思います。絡み防止の為にエダス部分は編み込みをしている人も少なくないようです。

準備はこの程度で、あとは信頼できる船宿探しとなりますが、楽しい釣行の為には船頭さんの人柄が最重要です。

私がお世話になった船頭さんは、時間制限がメチャメチャ柔軟で、12時間くらいは平気で釣らせてくれますし、過去には(料金そのままで)24時間対応したこともあるようなことを言ってました。人が好過ぎです。

完全フカセ釣りは、別名「大名釣り」というくらいで、魚が連れたら船頭さんがハリを外してくれて、〆て血抜き迄してくれたりします。しかし船宿によっては様子が違うかもしれないのである程度の調査が重要です。

そして、完全フカセ釣りでは、船は貸し切りが基本で、何人乗っても料金は同じです。
人数は一人で釣るのがお祭り(糸の絡み)もなく快適ですが、かなり高価な釣りとなってしまいます。2名がちょうどいいかと思います。それでも通常の乗合船料金に比べるとより1万円以上は高い感じです。
3名になると、お祭りのリスクが大きくなるものの、料金的にはリーズナブルになってきます。

風と潮がよければ、大鯛やグレ(メジロ)やヒラマサやブリがイサキやアジが爆釣する期待がある釣りです。

釣りの楽しみは、釣った魚を釣り人ならではの美味しさで食べる事

今回は産卵の時期が終わってしまったので、真鯛のたまごや、グレの白子は終わってましたが、35cmくらいのグレの刺し身は絶品でした。(前回のグレの白子は超絶品でした!)

真鯛も50cmのものは、刺し身が美味です。船頭さんが〆てしっかり血抜きしてくれて、冷海水で冷やし込んで持ち帰っているので臭みもなく美味です。真鯛も50cmになると皮が固めなので、炙りではなく皮を引いてお刺身の方がいいようです。湯引きでどうなるかも試してみたいと思います。

グレは1週間ほど熟成してお刺身にしてみましたが、もともと脂がのっており、熟成すると2日目に食べた刺身とは別もので、「これほど美味しいグレは初めて」という程でした。

釣り人の特権で美味しく食べるためには、最低限の努力も必要です。

具体的には、釣りあげた後の魚の〆方と血抜きと冷やし込みの優先度や、持ち帰ってからの捌き方、包丁の最低限の管理、更には熟成です。

詳しくは、下記の記事で詳しく説明していますので、良かったら覗いてみてください。
【釣り人必見①】「釣った魚の鮮度維持」の極意を全公開 ~釣り上げた瞬間から持ち帰るまで〜」、
【釣り人必見➁】「魚を美味しく捌く」のコツ・極意のまとめ ~捌き方一つで不味くも臭くもなる~」、
【釣り人必見③】「魚の熟成」の極意まとめ ~熟成魚の異次元の”うまみ”に感動!~

まとめと次回への抱負

この釣りもあと数年の経験をすればある程度結果を出せそうな自信はありますが、他の釣りも面白いのと、やはり高価な遊びなので私には少し敷居が高そうです。

しかし、また機会が有れば行きたくなるとても楽しい遊びです。皆さんも機会が有れば是非一度チャレンジしてみてはいかがでしょうか。

今回も、感動の楽しさと美味しさでした。
楽しくて親切な船長に巡り合い、好きなだけ釣りをさせて頂くのは最高です。

今年はそろそろタコのシーズン真っ盛りで、既に好調の噂ですので次はタコ釣りの予定ですが、完全フカセも魅力的な釣りですので、機会が有ればまた挑戦してみたいものです。

最後まで読んで頂きありがとうございました

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