高血圧で悩んでいる方、薬だけに頼らず、もっと健康的な生活を送りたいと思いませんか?
多くの方がご存じかもしれませんが、生活習慣が血圧に大きな影響を与えることは、改めて強調したいところです。
しかし、実は、表層的な情報だけでは、高血圧の原因や適切な対処法を理解するのは難しいことがあります。
自分たちの体の中で何が起きていて、体は何を求めているのかを知ってみたいと思いませんか。
高血圧の治療は、一人ひとりの状態や生活習慣によって異なります。
そのため、医師の指導を基本としながらも、自分自身で情報を集め、より良い選択肢を見つけられるかもしれません。
このブログでは、高血圧の原因や、食事、運動、ストレスとの関連など、知っているようで意外と誤解していることが多い情報などを、分かりやすく解説していきます。
医師の指導とあわせて、この情報を参考に、あなたに合った高血圧対策を見つけてみませんか。
高血圧の原因について
高血圧とは、心臓が血液を押し出す力が高く、動脈硬化などにより血管の拡張が弱い状態で起こり易くなります。
やや乱暴に言うと、血管の柔軟性が高いと、一時的な血圧上昇を緩衝(吸収)できるので、血管内の血圧上昇を緩和することができるのに対して、血管が固いと心臓の加圧による血管内の圧上昇がそのまま出てしまうのです。
そして、一口で高血圧と言って、実は原因は様々で、遺伝や生活習慣や薬物起因や原因不明など、本当は簡単に特定できないことも多いようなのです。
高齢者になると、更にそこに加齢に伴って高血圧の原因となる様々な原因が顕在化してくるようです。
高齢者に特有の高血圧の原因
加齢に伴う高血圧の誘発原因は以下の通りです。
一般的に血管の老化や動脈硬化などが主な原因と言われていますね。
- 血管の老化:加齢に伴い血管が硬くなり、弾力性を失うことで血圧が上昇
- 動脈硬化:血管内にコレステロールなどが蓄積し、動脈硬化が進んで血圧が上昇
- 自律神経の機能低下:自律神経のバランスが崩れ、血圧調節がうまくいかなくなる
- 腎機能の低下:腎臓の働きが低下すると、体内の水分やナトリウムのバランスが崩れ、血圧が上昇
- 内分泌系の変化:レニン・アンジオテンシン・アルドステロン系などの内分泌系の働きの変化で、血圧上昇
コレステロールの影響も(LDLコレステロールの問題点)
血管の老化や動脈硬化に関しては、以下のようにLDLコレステロールの関与も指摘されていますので、該当する方は注意が必要です。
- 動脈硬化の促進:LDLコレステロールが血管壁に沈着し、動脈硬化を促進
動脈硬化は、血管が硬くなり弾力性を失い、血圧が上昇しやすくなる - 血管内皮機能の障害:LDLコレステロールは血管内皮細胞の機能を損なうリスクがあり、高血圧の一因となることが指摘されている
- 炎症反応の促進:LDLコレステロールは、血管壁に炎症反応を引き起こし、高血圧を悪化させるリスクがある
高血圧がもたらすリスク
高血圧が続くと、動脈硬化が進行し、血管が硬く、もろくなります。
これにより、以下のようなリスクも高くなるといわれています。
- 脳血管疾患:脳出血、脳梗塞、くも膜下出血など(麻痺や言語障害、意識障害などを引き起こす)
- 心臓病:狭心症、心筋梗塞など(心臓への血流が不足し、胸痛や呼吸困難などを引き起こす)
- 腎臓病:腎臓の血管が損傷し、腎機能が低下(最終的には人工透析が必要に)
- 末梢動脈疾患:手足など末梢の動脈が狭くなり、血行が悪くなる
- 大動脈瘤:大動脈がこぶのように膨らみ、破裂すると命に関わる
とりわけ高齢者では血管が老化しており、血圧が高い状態が続くとこれらの臓器に負担がかかり、合併症などのリスクも高くなると言われています。
また、高齢者は糖尿病や高脂血症を併発していることも多く、これらの病気と高血圧が相互作用して、より重篤な合併症を引き起こす可能性が指摘されてます。
一方で、薬で安易に血圧を下げることのリスクを知ってますか【重要】
グラフで明らかなように、一般的に加齢に伴い血圧が上昇する傾向があり、高齢者には高血圧の方が多くいらっしゃいます。
そして、その原因は血管の弾力性の低下に伴う動脈硬化や、「高血圧の原因について」で述べた通りです。
たしかに、高血圧自体は総合的に望ましくない症状です。
しかし、重要なのは体が必要が有って血圧をあげている可能性についての理解です。
我々の体は非常に繊細で高度な仕組みが組み合わされて機能しています。
心臓は、血管内の血圧が高くなっても、強い血流が必要と判断して動いている可能性はないでしょうか。
無駄に、高齢者になるほどに血圧が高くなっていると思いますか?
血管が細くなり、血流が不足気味だから、脳や心臓に必要な血流を届けるために、血圧をあげている可能性はないでしょうか。
そして、脳の認知機能を阻害するほどに血圧を強制的に下げてしまうと、将来の認知症を誘発するリスクが否定できないという指摘もあります。
血圧がある値以上だから、安易に薬で下げましょうというのは危険な側面もあるということです。
(適正に血圧をコントロールするために、降圧剤を服用することを否定するものではありません)
つまり、自分の体が何故、今高血圧状態を維持しているのかを理解する必要があると思うのです。
もちろん、単純に塩分の取り過ぎで不健康な状態だったり、ストレス過多で体が悲鳴を上げているケースも普通に考えられます。
しかし、そうではない可能性も決して見過ごしてはならないと思いますし、全てのお医者さんがそこまで観察、診断できないこともあるのではないでしょうか。
高血圧としての受診勧奨の基準変更の話
因みに、今年(2024年)になって特定健診における高血圧の受診勧奨の基準が変更になり、直ちに治療を推奨する血圧は上160mmHg-下100mmHgになりました。(以前は上140mmHg-下90mmHg)
これは積極的な告知がされておらず、現状(2024.6月)マスコミもほとんど報じていません。
個人的には恣意的な情報操作を感じずにはいられません(知らんけど)。
一部のユーチューバーなどは「高血圧の基準が変わった」などと煽っていますが、あまり正確な表現ではないように思います。(変わったのは、受診勧奨の基準です)
適切な血圧は人により変わるというのが正しいのでは? だからこそ薬に頼らない生活習慣が必要かも!
つまり、健康上適切な血圧として認識させられている値は極めて流動的で、断定的な根拠はないですし、何より人により異なるにも関わらず、時に医師は明確な根拠や説明もなく降圧剤を処方してないでしょうか。
また、高齢者が認知症などにならず自立生活する上では、適度な高血圧は望ましいとするデータ、意見もあります。
一般的に、高血圧は脳梗塞の大きなリスク因子として知られていますが、必要以上に低い血圧での管理も脳梗塞を誘発するリスクとして指摘されています。(理由は以下の通り)
- 脳への血流不足: 血圧が低い状態が続くと、脳への血流が不足し、脳細胞が酸素欠乏状態に陥る可能性があり、これが脳梗塞を引き起こす一因になると言われています
- 脳血管の損傷:長期にわたって血圧が低い状態が続くと、脳の細い血管が損傷しやすくなり、これにより脳梗塞が起こりやすくなるだけでなく、脳出血のリスクも高まる可能性が指摘されています
- 動脈硬化の進行:低い血圧が、必ずしも動脈硬化を抑制するわけではありませんが、血圧が低すぎることで、血管内皮細胞の機能が低下し、動脈硬化が進行する可能性も指摘されています
現に高齢者の要介護者の中には、危険なレベルで降圧剤を服用させられ続けているという情報も聞いたことがあります。管理の現場の無知や医師の対応が懸念されますね。
高血圧に対する対策とは
一般的に言われている「バランスよい食事と、適度な運動」、にプラスして楽観的思考が重要だと思います。
何故なら、「高血圧の原因について」のところで述べた不具合は、多くの場合、自分自身の食生活と運動習慣とストレスが大きな原因となっているはずだからです。
推奨されるバランスよい食事とは
- 食べ過ぎない(腹八分目)ことで、中性脂肪がたまりにくくなり、血液中に放出される糖を抑制する
- 食塩摂取量の制限(1日あたり6g未満)
- 飽和脂肪酸・コレステロールの制限
- 節酒の適量化、禁煙
- 多価不飽和脂肪酸・低脂肪乳製品の積極的摂取
- 野菜や果物の積極的摂取
高血圧の人の食事で推奨されているものは、野菜、果物、全粒穀物、低脂肪の乳製品、オメガ-3脂肪酸などです。
- 抗酸化作用の大きな食品:
にんじんやほうれん草(β-カロテン)、ブルーベリーや赤ワイン(ポリフェノール)、ごまなどが体の酸化を抑え、老化を防止するそうです - 食べる順番はベジタブルファーストが推奨されています
- 他に、お茶、魚、海藻類、納豆、酢、きのこ類、野菜、ねぎ類などが良いとされています
・糖分は必要最低限の摂取に留め、血糖値を急激に上げる“血糖スパイク”を回避する事が重要なようです。
・高カカオチョコレートの食前摂取は、カカオポリフェノールによる抗酸化作用で、食後の血糖値の急上昇抑制が期待できるそうです
食事面での改善効果はかなり大きいですが、習慣化が重要です!
LDLコレステロール値を上昇させる飽和脂肪酸やトランス脂肪酸を控えて、食物繊維や不飽和脂肪酸を積極的に摂取しましょう。
適度な運動は、なぜ必要なのか
健康維持の視点では、アスリートのような激しい運動は逆効果で、ウォーキングや軽いジョギング、水泳などの有酸素運動が効果的だそうです。
ウォーキングについては様々な意見があるようですが、1日4000〜7500歩が推奨されているようです。
適度な運動による効能として、以下のようなものが上げられます。
- 血管の柔軟性向上:
・運動により血管内皮細胞(血管の内側の細胞)が刺激され、血管が柔らかくなると言われています
・運動は筋肉が酸素を多く必要とし、血管の伸縮で血流がスムーズになり、血圧も下がると言われています - ホルモンバランスの調整:
・運動は脳に刺激を与え、ホルモンバランスに影響を与えます
・これにより、血圧を上げる交感神経の活動が抑制され血圧が下がることが期待できます - 塩分排出の促進:運動により汗をかくと、体から塩分が排出され血圧低下に有効です
- 体重管理:運動により体重が減少し、体脂肪が減少することも血圧を下げる要因となります
- 糖尿病や脂質異常症への効果:運動は高血圧だけでなく、糖尿病や脂質異常症にも有効です
・運動の継続により血糖値を下げるインスリンが効きやすい体になるといわれています
・また、筋肉を動かすことでLDL(悪玉コレステロール)の分解を促進し、HDL(善玉コレステロール)を上昇させることが期待できます
尚、動脈硬化予防に有効なことの1つはLDLコレステロールを下げることですが、LDLコレステロール値は運動しても下がらないそうです。(LDLコレステロール値を下げるのは食事の管理が重要と言われています。)
しかし、運動は中性脂肪を減らし、HDLコレステロールを増やすことが認められているので、動脈硬化予防の観点からも運動は推奨されます。
ストレスを軽減するのは自分の脳次第
ストレスも高血圧には良くない因子といわれていますが、コントロールが難しいですね。
以下に様々な原因・対策を上げましたが、一番重要なのはメンタルをポジティブに維持する自分自身の心の持ちようだと思います。
人は「人に期待してしまう事で、その反動としてのストレスを抱え込む」とも言われています。
私の推奨は、「期待しない、気にし過ぎない、こだわらない、とらわれない、しばられない」です!
結局、多くの場合、ストレスは自分自身の内面で生まれ、内面で育ってしまっていませんか。
ストレスが高血圧に影響するメカニズム
- 私たちの体は交感神経という神経が活発になり、心拍数や血圧が上昇します
これは、体が危険な状況に対応しようとする自然な反応です - 慢性的なストレスでこの状態が長く続くと、血管が収縮し続け、血圧が常に高い状態になります
これが高血圧につながるのです - 血管収縮:ストレスホルモンであるコルチゾールが分泌され、血管が収縮し、血圧が上昇します
- 心拍数の増加:心拍数が増加し、心臓への負担が増大します
- 自律神経の乱れ:交感神経と副交感神経のバランスが崩れ、血圧調節がうまくいかなくなります
血圧を安定させるためにストレス緩和の対策例
- 規則正しい生活:睡眠をしっかりと取り、規則正しい生活を送ることで、ストレスを軽減
- 適度な運動:運動はストレス解消に効果的で、血圧を下げる効果も期待できます
- リラックス法:深呼吸、ヨガ、瞑想などのリラックス法を取り入れ、心身をリラックス
- 趣味を持つ:趣味に没頭してストレスから解放され、心身のリフレッシュ
- 人間関係の見直し:ストレスの原因となる人間関係んp見直し・改善努力
- 悩みの共有:家族や友人、信頼できる人に悩みを打ち明け、共感してもらい気持ちを楽に
- 専門家の相談:カウンセラーや精神科医に相談
一部の研究では、A型性格の人や、ストレスを感じやすい人が高血圧になりやすいという報告があります。
補足:高血圧の定義と分類
高血圧の基準値は時代と共に変遷してきましたが、現在の1つの目安としては、日本高血圧学会の「高血圧治療ガイドライン2019」があります。
冒頭で60歳以上で60%の人が高血圧と言ったのは、下記のⅠ~Ⅲ度高血圧の人の合計です。
- 正常血圧 :収縮期血圧が129mmHg以下、拡張期血圧が84mmHg以下
- 正常高値血圧:収縮期血圧が120〜129mmHg、拡張期血圧が80mmHg未満
- 高値血圧 :収縮期血圧が130〜139mmHg、または拡張期血圧が80〜89mmHg
- Ⅰ度高血圧 :収縮期血圧が140〜159mmHg、または拡張期血圧が90〜99mmHg
- Ⅱ度高血圧 :収縮期血圧が160〜179mmHg、または拡張期血圧が100〜109mmHg
- Ⅲ度高血圧 :収縮期血圧が180mmHg以上、または拡張期血圧が110mmHg以上
人により、年齢により健全な血圧範囲は異なりますので、一律に血圧がいくらだから危険という判断は難しいのが実情です。
上述の通り、高血圧の基準自体は変更されていませんが、今年(2024年)になって特定健診における高血圧の受診勧奨の基準が変更になりました。
つまり、直ちに治療を推奨する血圧は、以前の上140mmHg-下90mmHgから、上160mmHg-下100mmHgになり、緩和された形になりました。
自分の血圧の推移の管理と、その原因の理解と、それに基づく生活習慣の改善の必要性の理解が重要なのだということではないでしょうか。
おまけ:高血圧に良くない避けるべき食事
高血圧の人が食事で避けるべき代表的なものは以下の通りと言われています。
- 加工食品:保存性を高めるために塩分、保存料が多く含まれている
(ハム、ソーセージ、コンビニエンスストアのお弁当、インスタントラーメン、カップラーメンなど) - 漬物:保存のために塩分が多く使用されている
- お菓子:スナック菓子などは、風味を出すために塩分が多く含まれ、甘いお菓子は糖質が多い
- パン類:食パンや菓子パンも塩分、砂糖、脂肪、保存料が多い
- 練り物:かまぼこやちくわなどの練り物も塩分が多い
- アルコール:過度の摂取は禁物
- 糖質、資質が多いもの:(下記参照)
塩分、糖質、資質の量を確認し適量にとどめ、頻度や量を調整しましょう。
他にも、皆が好きな以下の食品は、特に高血圧の人は避けた方が良いようです。
塩分が多いスナック菓子、糖分の多いデザート、加工肉、ファストフード、スープの缶詰、チーズ、焼き菓子、炭酸飲料、砂糖菓子、赤身の肉、アルコール飲料、全脂肪の乳製品、クリーマーなどの、冷凍食品、市販の菓子パン、ピザ、白パン、砂糖が含まれたシリアル、コーヒー、栄養ドリンク、パッケージ入りのお菓子、インスタント麺、風味豊かなソース、バターやマーガリン、ココナッツオイルとパーム油、ケチャップやバーベキューソース、ランチョンミート、アイスクリーム
近年の加工食品まみれの食生活は、一考の余地が有りそうですね。
まとめ
シニア世代の多くは、高血圧とは無縁でいられなくなってます。
正しい情報認識に基づいて、高血圧に対して正しい向き合い方が出来ればいいと思います。
日本高血圧学会や国やマスコミや知人の意見・情報は多々ありますが、その中には何らかの目的が隠れている可能性もあります。
私は、「本当にそうなのか」「なぜそうなのか」を理解し、自分の頭で理解・判断して実行しくことが重要だと思います。
今回の結論としては「やはり生活習慣の改善は重要」ということだと思います。
できるだけ客観的な事実と理解したつもりのことをまとめたつもりですが、万一間違いが有ったらご容赦ください。
加齢と主に現れる高血圧とも上手につきあいながら、充実したシニアライフを送りましょう。
この記事は、あくまで一般的な情報であり、個人の医療に関するアドバイスではありません。
高血圧に関する詳しい情報は、医師にご相談ください。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
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