「最近、血圧が高めだと言われた」「薬を飲むのはできるだけ避けたい」、シニア世代の皆様の中には、高血圧についてこのような悩みを抱えている方もいらっしゃるかもしれません。
高血圧は自覚症状がない場合も多く、放置すると重大な病気につながる可能性があります。
そして現在は、65歳以上の人では実に約70%前後が高血圧だと言われています。
しかし、生活習慣を見直すことで、血圧をコントロールし、健康寿命を延ばすことは十分に可能です。
この記事では、薬に頼る前に試せる生活習慣の改善策を中心に、シニア世代が高血圧と賢く付き合っていくためのヒントをご紹介します。
健康で活動的な毎日を送るために、ぜひこの記事をお役立てください。
シニア世代と高血圧:現状とリスク
加齢に伴う血圧の変化と高血圧の有病率
下のグラフの通り、多くの人が加齢に伴い血圧が上昇することが明らかになっています。
その原因は血管の弾力性の低下に伴う動脈硬化や、その他の様々な要因によるもので、状況次第で適正な治療が必要なケースもあります。
しかし、重要なのは、自分の体は何故高血圧になっているのか、についての理解であり、その対策に向けた行動ではないでしょうか。
なぜ血圧が高くなっているのかを理解し、血圧を管理するためにどうすべきかについて考えてみましょう。
ここで言う高血圧とは、後半でご紹介している日本高血圧学会の定義でのⅠ~Ⅲ度高血圧の合計の割合になります。
高血圧がもたらすリスク:合併症とその影響
高血圧が続くと、さらに動脈硬化が進行し、血管が硬く、もろくなるとも言われており、負の連鎖のリスクもあります。
これにより、一般的には以下のようなリスクが高くなるといわれています。
- 脳血管疾患:脳出血、脳梗塞、くも膜下出血など(麻痺や言語障害、意識障害などを引き起こす)
- 心臓病:狭心症、心筋梗塞など(心臓への血流が不足し、胸痛や呼吸困難などを引き起こす)
- 腎臓病:腎臓の血管が損傷し、腎機能が低下(最終的には人工透析が必要に)
- 末梢動脈疾患:手足など末梢の動脈が狭くなり、血行が悪くなる
- 大動脈瘤:大動脈がこぶのように膨らみ、破裂すると命に関わる
とりわけ高齢者では血管が老化しており、血圧が高い状態が続くとこれらの臓器に負担がかかり、合併症などのリスクも高くなると言われています。
また、高齢者は糖尿病や高脂血症を併発していることも多く、これらの病気と高血圧が相互作用して、より重篤な合併症を引き起こす可能性が指摘されてます。
高血圧の原因:高齢者に特有の要因
血管の老化と動脈硬化
加齢に伴い、血管は構造と機能の両面で変化します。これらの変化は動脈硬化を引き起こし、高血圧の重要な要因となります。
- 血管の構造変化:弾力性の低下
若い血管は、ゴムホースのようにしなやかで弾力性があります。心臓が血液を送り出すたびに、血管は拡張と収縮を繰り返し、血圧の急激な変動を和らげる役割を果たしています。
しかし、加齢とともに血管壁のコラーゲンやエラスチンといった弾性線維が減少し、硬く厚くなります。これにより、血管の柔軟性が失われ、血圧が上昇しやすくなります。これを「血管の老化」と呼びます。 - 動脈硬化の進行
動脈硬化とは、血管の壁にコレステロールなどの物質が蓄積し、血管が硬く狭くなる状態を指します。血管の老化が進むと、動脈硬化も進行しやすくなります。
動脈硬化には、主に次のような3種類の症状があります。
①悪玉コレステロールが血管壁に蓄積しプラークと呼ばれる塊を形成する:血栓ができたり、内腔が狭くなる
➁血管の中膜(血管壁の中間層)にカルシウムが沈着して硬くなる:血管の拡張と収縮の機能が低下
③細い動脈(細動脈)の壁が厚くなり内腔が狭くなる症状
高齢者では、これらの動脈硬化が複合的に進行していることが多く、血管の柔軟性が著しく低下し、高血圧のリスクを高めます。
動脈硬化が進むと、心臓はより強い力で血液を送り出さなければならなくなり、さらに血圧が上昇するという悪循環に陥ることもあります。
自律神経機能の低下
自律神経には、交感神経と副交感神経の2種類があります。
交感神経は活動時に優位になり、心拍数を上げたり血管を収縮させたりします。
一方、副交感神経はリラックス時に優位になり、心拍数を下げたり血管を拡張させたりします。
高齢者では、交感神経の活動性が高まり、副交感神経の活動性が低下する傾向があり、このバランスの崩れが血圧の変動を大きくし、高血圧を引き起こす一因となります。
腎機能の低下
腎臓は、体内の老廃物を排泄し、血圧を調節する重要な役割を担っています。
しかし、年齢を重ねるにつれて腎臓の働きが低下すると、余分な水分や塩分をうまく排出できなくなり、体内に蓄積されてしまいます。
体内の塩分濃度が上がると、水分を体内に引きとめようとする働きが強まり、結果として血圧が上昇するのです。
腎機能の回復の特効薬はなく、適度な運動やバランスよい食事が推奨さています。
内分泌系の変化
私たちの体は、ホルモンという物質によって様々な機能が調節されています。
内分泌系とは、ホルモンを分泌する内分泌腺と、ホルモンが作用する標的器官から構成されています。
加齢に伴い、副腎から分泌されるアルドステロンや、甲状腺から分泌される甲状腺ホルモンなど、血圧に影響を与えるホルモンの分泌量が変化することがあります。
また、これらのホルモンに対する体の感受性も変化し、高血圧を引き起こすことがあります。
LDLコレステロールと高血圧の関係
LDLコレステロールは、動脈硬化の主要な原因の一つとして知られています。
LDLコレステロールが過剰になると、血管壁に蓄積し、血管の柔軟性を失わせる動脈硬化を進行させます。動脈硬化は、血管が硬く狭くなることで血圧が上昇しやすくなる要因の一つです。
また、動脈硬化が進行すると、血管内皮細胞の機能が低下し、血管の収縮と拡張のバランスが崩れることがあります。
血管内皮細胞は、一酸化窒素などの物質を放出して血管を拡張させる働きを持っていますが、動脈硬化によってこの働きが阻害されると、血圧が上昇しやすくなります。
つまり、LDLコレステロールの増加は動脈硬化を進行させ、その結果として高血圧のリスクを高める可能性があります。
過剰なコレステロールは血管への負担となるため、適切な管理が重要です。高LDLコレステロール血症の改善には、以下の対策が推奨されています。
- 食事療法: 動物性脂肪やコレステロールの多い食品を控え、食物繊維や不飽和脂肪酸を多く含む食品(魚、ナッツ、オリーブオイルなど)を積極的に摂取する。
- 運動療法: 定期的な運動は、HDL(善玉コレステロール)を増やし、中性脂肪を減らす効果があり、動脈硬化の予防に役立ちます。
- 必要に応じて薬物療法: 食事療法や運動療法で改善が見られない場合は、医師の判断により薬物療法が検討されます。
知っておきたい血圧の基準と管理
日本高血圧学会のガイドライン(JSH2019)に基づく血圧分類
高血圧の基準値は時代と共に変遷してきましたが、現在は日本高血圧学会の「高血圧治療ガイドライン2019」があります。
- 正常血圧 :収縮期血圧が129mmHg以下、拡張期血圧が84mmHg以下
- 正常高値血圧:収縮期血圧が120〜129mmHg、拡張期血圧が80mmHg未満
- 高値血圧 :収縮期血圧が130〜139mmHg、または拡張期血圧が80〜89mmHg
- Ⅰ度高血圧 :収縮期血圧が140〜159mmHg、または拡張期血圧が90〜99mmHg
- Ⅱ度高血圧 :収縮期血圧が160〜179mmHg、または拡張期血圧が100〜109mmHg
- Ⅲ度高血圧 :収縮期血圧が180mmHg以上、または拡張期血圧が110mmHg以上
冒頭で65歳以上で70%もの人が高血圧と言ったのは、下記のⅠ~Ⅲ度高血圧の人の合計です。
日本高血圧学会が2019年に発表した高血圧治療ガイドライン(JSH2019)
従来は、脳梗塞のリスクが高くなるなどの理由で、高齢者の血圧は少し高めの管理が推奨されていましたが、2019年のガイドラインでは、高齢者も低い水準が推奨されています。
75歳未満: 診察室血圧で130/80mmHg未満
75歳以上: 診察室血圧で140/90mmHg未満
近年の大規模な臨床試験の結果や、高齢者の高血圧が様々な合併症を引き起こすリスクが高いことが明らかになったから、だそうですがこれによると大半の高齢者は治療が必要なことになります。
日本高血圧学会の高血圧治療ガイドラインJSH2019については「高血圧治療ガイドライン2019」に根拠の一部が説明されています。
高齢者の血圧管理における注意点:高血圧と低血圧の両側面
冒頭で高血圧のリスクを説明しましたが、実は高齢者には低血圧のリスクも注意が必要なのです。
高齢者の血圧は、加齢に伴う血管の柔軟性低下や自律神経機能の低下、服用している薬の影響、食事や水分摂取量の減少などにより、変動しやすくなっており低血圧にも注意が必要です。
通常の低血圧が直接的に脳梗塞の主要な原因となることは稀ですが、以下のような場合に注意が必要です。
- 急激な血圧低下: 急に立ち上がった際(起立性低血圧)や食後(食後低血圧)などに血圧が急激に低下すると、脳への血流が一時的に不足し、めまいやふらつきなどを引き起こすことがあります。
・特に、脳血管に狭窄がある高齢者では、このような血圧の急激な変動が脳梗塞のリスクを高める可能性があります。 - 過度な降圧: 高血圧の治療において、降圧剤を過剰に服用することで血圧が下がりすぎると、同様に脳血流の低下を招く可能性があります。
・特に、新たに降圧薬治療を開始する際には、急激な血圧低下による転倒・骨折のリスクが高まることが知られています。これは、血圧が急に下がることで脳への血流が一時的に不足し、めまいやふらつきなどを引き起こすためです。
・そのため、降圧剤の服用は医師の指示に従い、自己判断で量を変更しないことが重要です。処方される薬については、本当にそれが適切なのか、医師にしっかり確認することも重要です。
また、脱水や栄養不良も低血圧の原因となることがあります。特に高齢者は、水分摂取量が不足したり、食事が偏ったりすることが多いため、注意が必要です。
一部の研究では、慢性的な低血圧が認知機能に影響を与える可能性も示唆されていますが、現時点では明確な結論は出ていません。今後の研究の進展が待たれます。
めまい、立ちくらみ、倦怠感などの症状が頻繁に現れる場合は、低血圧の可能性も考慮し、医師に相談することをお勧めします。
巷の情報の中には、こうした低血圧リスクだけを取り上げて、「高血圧は問題ではなく、むしろ低血圧が問題だ」という主張もありますが、総合的な理解が必要です。
特定健診における受診勧奨基準の変更について
特定健診における高血圧の受診勧奨基準が変更になりました。具体的には、医療機関への受診を強く促される血圧の目安が、従来の140/90mmHgから160/100mmHgへと引き上げられました。(2024年4月頃)
これは、高血圧の診断基準が変わったわけではなく、医療機関での適切な管理が必要な段階の目安が変更になったことを意味します。(一部のネット情報の「高血圧の基準が変わった」という表現は正しくありません)
近年、高血圧に関する研究が進み、より多くのデータが得られるにつれて、医療機関での受診のタイミングや治療の開始時期について、専門家の間でも見解が少しずつ変化しています。
そのため、一般の方にとっては、高血圧に関する情報が複雑に感じられるかもしれません。
大切なのは、高血圧は放置すると様々な合併症を引き起こす可能性があるため、定期的な健康診断を受け、医師と相談しながら適切な管理を行うことです。
薬に頼る前に:生活習慣改善のポイント
食事の見直し:減塩、バランスの取れた食事、抗酸化作用のある食品
高血圧の改善に効果的な食事内容について、具体的な内容と合わせてご紹介します。
- 食塩摂取量の制限
1日あたりの摂取量を6g未満に:食塩は高血圧の一因となるため、摂取量を控えることが大切です。
加工食品への注意:加工食品には多くの塩分が含まれているため、出来るだけ手作り料理を心がけましょう。 - バランスの取れた食事
多様な食品を摂取:様々な種類の食品をバランスよく摂ることで、必要な栄養素を効率的に摂取できます。
野菜・果物:ビタミン、ミネラル、食物繊維が豊富で、高血圧予防に効果的です。
特に、緑黄色野菜や柑橘類は積極的に摂りましょう。
全粒穀物:白米よりも全粒穀物(玄米、全粒粉パンなど)の方が、食物繊維が豊富で、血糖値の上昇を緩やかにします。
低脂肪乳製品:カルシウムが豊富で、高血圧予防に役立ちます。 - 脂質のバランス
不飽和脂肪酸の摂取:オメガ-3脂肪酸(青魚、ナッツなど)は、血圧を下げる効果が期待できます。
飽和脂肪酸・コレステロールの制限:肉類、乳製品(特に全脂乳)、卵黄などに多く含まれる飽和脂肪酸やコレステロールは控えめにしましょう。 - 糖質の摂取制限
血糖値の急上昇を防ぐ:甘い飲み物や菓子などの糖分は、血糖値を急上昇させ、高血圧のリスクを高める可能性があります。
腹八分目:食べ過ぎは、中性脂肪を増やし、血糖値を上昇させるため、腹八分目を心がけましょう。 - その他
抗酸化作用のある食品:ニンジン、ほうれん草、ブルーベリー、赤ワイン、ごまなどは、体の酸化を防ぎ、老化を予防する効果が期待できます。
食べる順番:ベジタブルファーストを心がけ、最初に野菜を食べることで、血糖値の上昇を緩やかにすることができます。
お茶、魚、海藻類、納豆、酢、きのこ類、野菜、ねぎ類:これらの食品は、高血圧予防に効果的な栄養素を豊富に含んでいます。
高血圧の改善には、食事の見直しが非常に重要です。
食事の効果が現れるまでには時間がかかるため、根気強く続けることが大切です。
運動の取り組み:有酸素運動と筋力トレーニングの重要性、運動の具体的な方法
適度な運動は、高血圧改善に様々な効果をもたらします。
- 血管の柔軟性向上: 運動により血管が柔らかくなり、血流がスムーズになり、血圧が下がります。
- ホルモンバランスの調整:運動は、血圧を上げる交感神経の活動を抑制し、血圧を下げる効果が期待できます。
- 塩分排出の促進:運動により汗をかくと、体から塩分が排出され、血圧低下に有効です。
- 体重管理:運動により体重が減少し、体脂肪が減少することも血圧を下げる要因となります。
- 糖尿病や脂質異常症への効果:運動は、血糖値を下げるインスリンの働きを改善し、LDLコレステロールを減らし、HDLコレステロールを増やす効果が期待できます。
具体的なお勧めの運動
高血圧の改善には、有酸素運動が特に効果的です。
有酸素運動とは、息切れせずに続けられる程度の運動で、ウォーキング、ジョギング、水泳などが代表的です。
- ウォーキング:気軽に始めやすく、継続しやすい運動です。1日4000歩~7500歩を目標に歩くことが推奨されています。
- ジョギング:ウォーキングよりも運動強度が高く、より多くのカロリーを消費できます。膝が健康で、更に肥満でなければ、ランニングは非常に効果的です。
- 水泳:全身運動になり、関節への負担が少ないため、膝などに痛みがある人でも行いやすい運動です。
有酸素運動に加えて、筋力トレーニングも重要です。
筋力トレーニングは、基礎代謝を上げ、筋肉量を増やすことで、太りにくい体を作ります。
運動の注意点
- 無理のない範囲で:自分に合った運動強度と時間で行いましょう。
- 継続することが大切:運動の効果を実感するためには、継続することが大切です。
- 体調が悪い時は休む:体調が悪い時は無理せず、休養をとりましょう。
- 医師に相談:高血圧の治療を受けている方は、運動を始める前に必ず医師に相談しましょう。
高血圧の改善には、運動への取り組みは非常に重要です。
運動は、血圧を下げるだけでなく、様々な健康効果をもたらします。
ご自身の体力や体調に合わせて、適切な運動を行い、健康的な生活を送りましょう。
ストレス管理:ストレスが血圧に与える影響、効果的なストレス解消法
ストレスは、高血圧に大きな影響を与えるため、効果的なストレス解消方法を身につけることが重要です。
ストレスが高血圧に影響するメカニズム
- 血管収縮:ストレスホルモンであるコルチゾールが分泌され、血管が収縮し、血圧が上昇します。
- 心拍数の増加:心拍数が増加し、心臓への負担が増大します。
- 自律神経の乱れ:交感神経と副交感神経のバランスが崩れ、血圧調節がうまくいかなくなります。
ストレスを効果的に解消する方法
ストレスを効果的に解消し、高血圧を予防するためには、以下の方法が有効です。
- 規則正しい生活:睡眠をしっかりと取り、規則正しい生活を送ることで、ストレスを軽減できます。
- 適度な運動:運動は、ストレス解消に効果的で、血圧を下げる効果も期待できます。
- リラックス法:深呼吸、ヨガ、瞑想などのリラックス法を取り入れ、心身をリラックスさせましょう。
- 趣味を持つ:趣味に没頭してストレスから解放され、心身のリフレッシュを図りましょう。
- 人間関係の見直し:ストレスの原因となる人間関係を見直し、改善努力を行いましょう。
- 悩みの共有:家族や友人、信頼できる人に悩みを打ち明け、共感してもらい気持ちを楽にしましょう。
- 専門家の相談:カウンセラーや精神科医に相談することも有効です。
人への期待が高いと、期待以下の反応に対してストレスを感じやすいそうです。
他人との係わりにおいて、「過度に期待しない、気にし過ぎない、こだわらない、とらわれない、しばられない」という心構えも必要なのではないでしょうか。
ストレスは、人との折衝の結果、自分自身の内面で生まれ、内面で育つものだと理解し、対策も可能だとポジティブに考えれば、幸せへの道が開けるかしれませんね。
ストレスと上手に付き合うために
ストレスは、完全に無くすことは難しいものです。大切なのは、ストレスと上手に付き合うことです。
- ポジティブな思考:常にポジティブな思考を心がけ、物事を楽観的に捉えるようにしましょう。
- 目標設定: 達成可能な小さな目標を設定し、達成感を味わうことで、ストレスを軽減できます。
- 感謝の気持ちを持つ:周りの人や物事に感謝することで、心が穏やかになります。
- 自分にご褒美を与える:頑張った自分にご褒美を与えることで、モチベーションを維持できます。
その他の生活習慣:禁煙、節酒、良質な睡眠
- 禁煙:喫煙は、高血圧の大きなリスク因子の一つです。
タバコに含まれるニコチンは、血管を収縮させ、血圧を上昇させます。
また、一酸化炭素は血液中の酸素運搬能力を低下させ、心臓に負担をかけます。 - 節酒:アルコールは、適量であればリラックス効果や血行促進効果が期待できますが、飲みすぎると血圧を上昇させます。
・節酒の目安:男性は1日あたり純アルコール20~30g、女性は10~20gを目安にしましょう。 - 良質な睡眠:睡眠不足は、ストレスホルモンであるコルチゾールの分泌を増加させ、血圧を上昇させる可能性があります。
成人は7~8時間の睡眠に、環境を整え睡眠の質を改善しましょう。
高血圧の改善には、食事療法、運動療法に加えて、禁煙、節酒、良質な睡眠など、生活習慣の改善も非常に重要です。これらの生活習慣を改善することで、血圧をコントロールし、健康的な生活を送ることができます。
医療機関との連携:適切な治療と相談
自己判断のリスク:薬の服用や中断は必ず医師の指示に従う
自己判断のリスク
- 血圧のコントロール不良:血圧が適切にコントロールされないまま放置すると、心筋梗塞や脳卒中などの重大な合併症を引き起こす可能性があります。
自宅でも、できる限り定期的に血圧測定する習慣をお勧めします。 - 薬の副作用:薬の副作用を自己判断で判断し、服用を中断すると、かえって体調が悪化することがあります。
- 病気の進行:高血圧は、生活習慣病であり、根気強く治療を続ける必要があり、他の複合的な要因との関連がある場合の判断を誤るリスクもあります。
医師の指示に従うことの重要性
- 適切な薬の選択:医師は、患者さんの状態に合わせて最適な薬を処方します。疑問があれば質問しましょう。
- 用量の調整:血圧の変化や副作用の有無に応じて、薬の量を調整します。
- 定期的な検査:血圧やその他の検査を行い、治療効果を評価します。
- 生活習慣の指導:食事や運動など、生活習慣の改善に関するアドバイスを行います。
高血圧の治療は、医師との密な連携が不可欠です。自己判断で薬を服用したり、中断したりすることは大変危険です。必ず医師の指示に従い、定期的に受診しましょう。
定期的な受診と相談の重要性
高血圧は、一度治療を始めたら終わりではありません。定期的な受診と医師との相談を継続することで、血圧を安定させ、合併症を予防することができます。
まとめ:健康寿命を延ばすために
シニア世代の多くは、高血圧とは無縁でいられなくなってます。
来るべき70代、80代、そして100才を楽しく健康で過ごすために、今、健康寿命をいかにして実現するかについて考えてみませんか。
降圧剤を飲むまでにすべきこと、出来ることは決して少なくありません。
適切な受診のもとで、適切な指導に従うことはもちろんですが、まずは足元の自らの生活を見直し、今から出来ることに取り組んでみませんか。
この記事はあくまで一般的な情報であり、個人の医療に関するアドバイスではありません。高血圧に関する詳しい情報は、医師にご相談ください。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
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