私がランニングからジョギングに切り替えた理由!自分にとって最適な運動とは?

ランニングと登山

今シーズンのランニングは、加齢に伴う体力低下によるであろう「タイムの低下」からのスタートでした。

しかしそこから、フォームにこだわり、走りを楽しむ中で、タイムも安定的に5分50秒/km切りのペースが再現可能になり、”エイジグレイディング”で60%を達成することもできました。

また、今年は特に習慣化を意識して取り組み、3月と4月には、連続で月間で累計100km越えを達成することができました。ここまでくれば、習慣化できていると言ってもいいかもしれません。

そんな中で、ランニングの優れた効果に加えて、シニアの大敵の高血圧に対しても、走る習慣はとても強力なアイテムになるという情報を聞きました。しかし、それはランニングではなくジョギングだというのです。
特に、末梢血管収縮型の高血圧の人にとっては、「高負荷でタイムを追求するよりも、低負荷で回数を増やすほうが有効」なのだそうです。

そこで、シニアにとって、総合的に将来の健康を意識した運動として、何を目的にどういう選択をするのがいいのかを、「ランニング、ジョギング、ウォーキング」の比較で、少し掘り下げて検討してみました。

ランニングに関しては、過去の記事でもその素晴らしすぎる恩恵についてご紹介しましたが、還暦を過ぎた環境では、負荷とのバランスにおいて目的と手段を適切に見極めるべきだと感じたからです。

そして、その結果、私は4月以降はこれまでのランニングに変えて、ジョギングを選択することにしました。

この記事では、シニアの運動習慣として最適な選択はどんなもので、それはなぜかを詳しくご紹介します。
ジョギングに変更して1か月以上が経過した私の近況もご紹介します。

皆さんそれぞれの体力や健康状態に応じて、より望ましい運動習慣を考えるきっかけになれば幸いです。

ランニング、ジョギング、ウォーキングの運動効果のまとめ

若くて健康に不安がなければ、正しいフォームで無理なく走る限り、ランニングは総合的に優れた運動と言えます。

しかし、還暦をすぎたシニア世代にとっては、少し事情が異なります。

故障リスクや、体への負担、得られる効果などを総合的に判断することが重要になってくるのです。

今回は、シニアにとってもう一つの課題である高血圧対策も加味して、「私たちにとって最適な運動とはどういったものなのか」について考えてみました。

目的別の運動の選択の目安

  • 心肺機能・筋持久力・基礎代謝・骨密度
     → ランニング>ジョギング>ウォーキング
     (ただしシニアでは「過負荷による故障リスク」も比例して増える)
  • ストレス軽減・免疫・睡眠
     → 強度より「継続性」が効果を左右するため
     → ジョギング=ウォーキング≧ランニング
  • 高血圧対策(末梢血管抵抗の改善)
     → ジョギングが最適
      ・強度が高すぎないため交感神経を過剰刺激しない
      ・末梢血管の持続的拡張が得られやすい
      ・運動後低血圧(PEH)が安定して起こる
      ・継続しやすい

◆ランニング、ジョギング、ウォーキングの運動効果のまとめ

以前の記事でまとめたランニングの効果を、ジョギングとウォーキングを含めてまとめなおしてみました。

簡単にまとめると、以下のようなイメージです。

  • ウォーキング=低刺激で安定(維持)で、やらないより圧倒的に良いが、改善力は弱い
  • ジョギング=最適刺激(改善)で、最もバランスよく、血管にも効く運動
  • ランニング=高刺激(強化)で部分的に優れた効果があるが、シニアにはリスクが伴う

詳しく見ていきましょう。

◆シニア向けの運動効果の総合比較表

今回追加した高血圧対策を含めて、ランニングの効果との対比で、分かりやすく整理してみました。

運動の定義は、

  • ランニング(高強度・息が切れる)
  • ジョギング(中強度・ニコニコ話せる)
  • ウォーキング(低強度・楽に歩ける)
効果ランニングジョギングウォーキング
①心肺機能
心拍出量・最大酸素摂取量(VO₂max)の改善幅が最も大きい
高強度では交感神経優位→血圧上昇リスク

安全に循環効率の最適化
一回拍出量・VO₂maxが上昇し、心臓のポンプ機能を最も安全に強化
△〜○
基礎的な循環維持
強化には長時間を要する
速歩なら中程度強度

②筋持久力
遅筋+速筋も増加
ミトコンドリア密度の増加が最も大きい
疲労蓄積は大きい

遅筋線維の活性化+ミトコンドリアの質を維持
中程度の有酸素運動で、毛細血管密度が増加

低強度の為、効果の変化は緩やか
筋力維持にはやや不十分
③基礎代謝
短時間での消費は最大
基礎代謝維持に有利
高強度で筋分解リスク
食欲増進

脂肪燃焼効率が高い
太りにくい効果
筋肉量維持に最も適した強度

消費量は少ない
ただし長時間歩けば代謝改善効果は得られる
継続性が重要
④骨密度
衝撃大で骨密度維持に有利:ウォルフの法則
疲労骨折・膝関節負荷のリスク

適度な衝撃荷重
故障リスク低い
シニアの骨密度維持に最も適した負荷

衝撃小で効果限定的
速歩+階段で補える

⑤ストレス○〜△
エンドルフィンによる快感(ランナーズハイ)
高強度でコルチゾール増
疲労ストレスを伴う

気分改善+軽い高揚感
セロトニン分泌で安定
精神的リフレッシュ

自律神経の安定に寄与
副交感神経優位
リラックス効果大
気分改善効果は十分
⑥免疫
高強度で免疫低下リスク
強度の管理が重要

適度なら最適
J型曲線の頂点の有効性

安定してプラス
刺激少なく効果も限定的
⑦睡眠○〜△
深部体温上昇で効果強い
高強度では、夜の交感神経優位のリスク

入眠促進で深い睡眠増
バランスが良い
適度な疲労感

睡眠改善効果は確実
夕方の速歩は特に良い
低疲労では効果限定的
高血圧改善△(強度過多)
長期的には改善
運動中の血圧上昇大
血管への機械的ストレス
◎(最適)
血圧低下は中〜大
血管内皮機能改善
動脈の硬さ低下期待
○(安定)
血圧低下は小〜中
血管改善は軽度
継続性
総合評価(シニア)○(目的限定)◎(最適)○(安全)

評価の印は、人ごとの体力、健康状態でも異なりますので、あくまでも傾向としてご覧ください。

足腰に不安がなく、無理がないのであれば、継続性と効果のバランスでは、ジョギングは総合的に優れた運動と言えそうです。

体力と健康状態に応じて、無理のない選択が大切です。

高血圧対策としての「ジョギング」の優位性

ここでは、高血圧対策として、「ジョギング」がどれほど優れているかに絞ってご紹介します。

但し、これは動脈硬化が進んだタイプの高血圧ではなく、末梢血管の可塑性が高いタイプ(つまり、血管がまだ反応して広がる余地があるタイプ)の高血圧の対策としての評価になります。

👉「末梢血管の可塑性が高いタイプの高血圧」とはどういうものかについては、こちらの記事をご参照ください。

要素ウォーキングジョギングランニング
血流刺激弱い最適強すぎる
血圧負荷低い適度高い
内皮改善条件付き

以下でご説明するように、ジョギングは、血管内皮機能への刺激などにより、血圧のベースラインを下げる効果が期待できるのだそうです。

シニア世代の高血圧対策として、少なくとも私のような「末梢血管収縮寄り」のタイプには、ジョギングはかなり理にかなった選択に思えました。

ジョギングが高血圧対策として優れている理由

① 「血管内皮機能」への刺激が最適である

高血圧改善の鍵は、血管を広げる物質「一酸化窒素(NO)」の放出です。

  • ランニングでは、血圧が急上昇しすぎて血管壁に過度な剪断応力(ストレス)がかかることがあります
  • ウォーキングでは、血流の勢いが弱く、NOの放出刺激として物足りない場合があります
  • ジョギングは、血圧の過度な上昇を抑えつつ、血流を十分に速めるため、「血管内皮機能を改善しやすいと考えられる」強度なのです

② 「アフターバーン血圧低下」の持続

運動後、血圧が通常時よりも下がる現象を「運動後低血圧」と呼びます。

中強度のジョギングでは、「運動後低血圧」が比較的安定して起こりやすいとされています。

一方、高強度のランニングでは、運動直後に交感神経の反動的な亢進が起こる場合もあり、人によっては血圧が不安定になることがあります。

③ 継続による「交感神経の沈静化」

シニアの高血圧は、加齢による交感神経の優位(常に緊張状態)が原因の一つです。

ランニングは「戦うモード」の神経を刺激しがちですが、ジョギングは「心地よいリズム運動」として脳に認識されます。これにより、長期的に安静時の交感神経の活動を抑制し、血圧のベースラインを下げることが期待できます。

ジョギングを始めて1ヶ月半が経過した現在

3月は、ほぼランニングで月間100km超を走り、それなりにフォームも納得でき、タイムも安定してきたのですが、4月直前からスタイル変更で、ジョギングに切り替えました。

何がいいかというと、確かに、次の日に筋肉を含めて疲労感がないので、「今日も走ろう」という気になり、事情が許せば、毎日走っても苦にならないと感じます。

そして、当初の目的の高血圧の改善効果は、1.5ヶ月経った今でも、計画通りほぼ変化なしで、朝起きたときの血圧は140(上)/95(下)mmHg程度が続いています。ジョギングから帰った後は、必ず運動後低血圧が安定的に起こり、105/70mmHgぐらいに低下し、そこから徐々に元に戻る挙動が続いています。

血管の反応や体質の変化には3ヶ月程度かかると言われています。今のところ血圧の数値に大きな変化はありませんが、運動直後の105/70mmHgという数値は『血管が広がるポテンシャル』を示してくれている証拠です。
あと1.5ヶ月後、血管がどう”リフォーム”されるか楽しみです。

まとめ

今回の運動習慣の変更は、高血圧対策としての取り組みでしたが、改めて運動ごとの効果を整理してみた結果、重要なのは、「どの運動が最強か」ではなく、「今の自分の状態に対して、どの運動が最も合理的か」を考えることなのかもしれません。

以前の記事で、年齢に応じた走力の比較(エイジグレイディング)にも言及しましたが、そもそも、なんのために走るかを考えると、不定期に思いつくままに走るよりは、出来るだけ継続的に多く運動する習慣が合理的なのは間違いないかもしれません。

無理せず、最低限の運動を続ける意識も大切ですが、可能であれば、出来るだけ毎日運動を続ける方がいいと、ますます理解が深まってきた気がします。

何事も、どこかで立ち止まって考えることが大切ですね。

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