狭山池から天野街道を巡る :熊野詣での古道から寺ヶ池公園へ

山歩き

先日ウォーキング仲間と、大阪狭山市の住宅街にほど近い、信仰の道「天野街道」を歩いてきました。

天野街道は、鎌倉時代中期にはすでに整備されていた歴史の古い道で、西高野街道と合流し、天野山金剛寺や高野山への参詣路として、また、熊野詣でのルートとしても利用されてきたそうですね。

あいにくの小雨交じりではありましたが、思いのほか多くの出会いと気づき、そして感動がありました。

静寂な古道を歩き、春の花がさかりの天野街道をめぐる旅をお楽しみください。

今回の散策ルート、天野街道のご紹介

今回のコースは金剛駅を出発して、狭山池から天野街道を回り、千代田駅に戻る13kmほどのコースです。

天野街道は、西高野街道(高野山に向かう道)から分岐し、天野山金剛寺へと向かう道です。
天野山金剛寺は奈良時代に行基が開創した古刹で、高野山が女人禁制だったのに対し、女性も参拝できる「女人高野」として知られています。

天野山金剛寺は今回のコースに含まれませんので、次回(機会があれば)訪ねてみたいと思います。

https://www.google.com/maps/

天野街道は、河内国と和泉国を分ける陶器山丘陵の尾根を通り、熊野詣での道としても利用されており、平成9年には「大阪の道99選」にも選定されているそうです。

今回は、下記のハイキングコースの地図を参考に歩いてみました。

【天野街道ハイキングコース】陶器山丘陵の尾根道を歩こう! | 大阪・和歌山のおでかけ情報otent(おてんと) (otent-nankai.jp)

まずは狭山池を周回

狭山池 (大阪府) – Wikipedia

金剛駅を出発してすぐの狭山池は、実は日本最古のダム式ため池だそうで、一周2.85kmもあります。この池は国の史跡にも指定されており、4〜7世紀ごろに築造されたそうですが、その規模の大きさには驚かされました。

狭山池の周回道路には直売所も開設されていました。ここではお買い得な玉ねぎやそら豆をゲットしました。

狭山池はよく整備された周回コースで、多くのランナーとすれ違います。
大きなため池で、この季節は新緑の景色の中を気持ちよく歩けます。

金剛駅から最も離れた池の反対側近くに、大阪府立狭山池博物館があります。今回は立ち寄らなかったのですが、後日訪れた人からはおすすのスポットだと推奨がありました。

天野街道を巡る

市街地を抜け西高野街道分岐点から天野街道へ

少し、市街地を歩いて天野街道に進むと、陶器山に続く自然豊かな散策路になります。
小雨は相変わらずパラパラと断続的に降っています。

この道は、すぐ横に市街地が開けているとは思えないくらい、陶器山丘陵に残る自然を存分に満喫できます。

そして、視界が開けたところでは、金剛山脈から和泉山脈の眺望が楽しめました。(写真忘れました)

古道の雰囲気を表現する写真も撮れておりませんでしたが、下の写真から先の道は住宅街の近くとは思えない落ち着きがありました。

道中には、多くの春の花が咲き誇り、ツルニチリンソウが美しく、その場で調べて花の名を覚えました。繁殖力の強い外来種の黄色いブタナも、花の美しさではなく名前のインパクトで不覚にも覚えてしまいました。他にも侵略的外来種のオオキンケイギクにも遭遇して、さしずめ花の勉強会の様相です。

今回は分岐を見落としてしまいましたが、途中に三都神社への分岐があります。
往復10分程度らしいので、もし次に来た時には是非訪ねてみたいと思います。

三都神社は熊野三山を勧請した神社で、参拝に訪れる人々が多いところだそうです。

お昼は世界かんがい施設遺産の「寺ヶ池公園」へ

寺ヶ池公園に向かう道は、池の南西角の遊歩道を進むと不意にかなりの急な登り坂が迎えてくれますが、中は広く立派な公園です。空模様が怪しかったのですが、公園内にはちょうどいい広さの東屋があり、ここで軽く昼食をとります。

そして、この寺ヶ池は、江戸時代に中村与次兵衛という人により築造され、令和3年に世界かんがい施設遺産に認定されたのだそうです。

この公園は良く整備されており、四季折々の花も豊かで、12月のイルミネーションの季節にはさながらテーマパークの様な映えスポットにもなるようですね。

締めの反省会という名の親睦会

ゴールの千代田駅には予定より遅めに2時ごろに到着です。

今回は、思いもよらない歴史ある名所と個性的な花との出会いがあり、小雨模様も気にならないくらい楽しく、かなり充実した散策となりました。

締めの宴会場は天下茶屋まで戻り、いつものお店に向かいます。今回は、久しぶりに全員参加の反省会。ビールも進み、懇親を深めた1日でした。

まとめ

今回のウォーキングは、歴史や自然との対話、仲間との絆を深める旅となりました。

こうした歴史ある古道を歩くときには、ただの散歩道として歩くのではなく、事前に歴史的な奥行きを知って踏みしめるのも趣があるのものだと感じます。

いつも後で思うのですが、事前に現地情報をもう少し知ってから訪れると、見えてくる景色が違って見えるのかもしれません。

それでも、皆と興味を共有して楽しく花の名を調べたり、記憶を確認しあったり、いくつになっても好奇心を持ち、ゆとりある会話を楽しむだけでも充実したひと時です。

歴史的な触れ合いは少し少なめだったかもしれませんが、変化に富んで魅力的なコースでした。

大阪には歴史的なかかわりのある道が多くありますので、みなさんもいろいろ巡ってみませんか。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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