全国的な傾向として、町内会や自治会といった地域のコミュニティ活動は高齢者が中心となり、若い世代の参加が減ってきています。特に若者はネット中心のつながりが強くなるなど、コミュニティの多様化とデジタル化によりその傾向はますます広がるばかりですね。
地域の活性化には、アナログ的な人の交流の場が求められますが、魅力ある企画は限られ、創意工夫に努めても限界を感じている状況も多いのではないでしょうか。
そうした中で、趣味を通じた繋がりの一つとして、地域の「麻雀大会」は有力な選択肢の一つかもしれません。
麻雀大会は、地域住民が世代を超えて繋がり、笑顔が溢れる場を簡単に作れますし、高齢者の活性化にもつながります。一方で楽しい場として継続させるためには、それなりの裏方の努力もあります。
私の地元では、既に創設から12年目を迎える「麻雀大会」があります。先日もその大会に参加してきましたので、私たちの成功事例を運営内容も含めてご紹介したいと思います。
地域の活性化のアイデアの一つとして、こうしたアプローチはいかがでしょうか?
なぜ今、地域麻雀大会なのか? ~隠れたポテンシャルと意義~
麻雀は健全な交流の選択肢として見直されれてきています。そうしたなかで、地域の自治体などで開催される麻雀大会は、地域交流の新たな舞台としてのポテンシャルを秘めています。

地域の交流に麻雀を導入する意義やメリット
- 社会的つながりの促進:地域での人の集まり、交流を促進するきっかけになります
・特に高齢者の孤独感を軽減したり、定期的な交流の場を提供することにもつながります
・ゲーム中の雑談は自然な交流を育みます
・麻雀好き同士のつながりが深まり、共通の趣味による絆の形成の機会にもなります - 地域活性化の新たな一手:地域の人々が一体感を感じ、地域への愛着を深めることができます
・若者から高齢者まで参加でき、世代間の理解が深まります
・麻雀をきっかけに地域活動への参加者が増えるという事例もあるそうです
・賭けないスタイルで健全な娯楽として楽しめます
・大会の準備や運営を通じて、地域の人々が協力し合うことで地域の絆が深まります - 健康・認知機能への好影響:脳トレ、コミュニティ参加による孤立防止にも貢献します
・記憶力・判断力・計算力を使うため、認知症予防にも効果的と言われています
・集中とリラックスを同時に促すマインドフルな活動でストレス軽減にも効果があります
・手を動かし、おしゃべりしながら、少しは頭も使いますのでコミュニケーション力も育みます - 麻雀の意外な魅力: 運と実力のバランス、老若男女が楽しめる普遍性があり世代と実力を超えて楽しめます
・状況判断や駆け引きのスキルも養うことができ、戦略的思考の訓練にもなります
・地域住民が教え合うことで教育的な価値も生まれます
企画・準備フェーズ:失敗しない麻雀大会の「土台」作り
地域の自治体で、親交の目的の麻雀大会を開くにあたっては、下記の様な主催者側の準備が必要になります。ここが最大の関門になりそうです。
- 日程調整と会場の準備、麻雀卓や麻雀パイの手配準備、当日のセッティング準備
- 自治会イベントとしての補助金調整
- 参加メンバーの掘り起こしと招待、参加調整
- 麻雀大会の競技としてのルールの設定と説明、遵守のための進行管理
- 会費徴収と会計報告
- 飲食を包括した運営の場合:食事、アルコール類、その他飲料、賞品の手配
- 競技結果の集計と表彰など(クロージングのけじめも大事)
- 会場のあと片付け
シッカリした運営責任者が必須かもしれません。準備と段取りが「成否のカギ」だと思います。
企画を成功させる秘訣
- 強いリーダーシップで、全体を統括するリーダーの存在が必要不可欠です
・何人かの発言力の強い人を含めての協議は必要ですが、リーダーがルールを決めるという決意が必要です - 準備、片づけを含めた参加者の協力も必須です
・主催者側の負担軽減も継続のカギ
・この企画は全員参加で築いていくものです! - コミュニティのネットワークとしての一定の基盤は必須です
・メンバー募集、日程調整、参加者決定など、一定の下地が必要です
・当日の欠席者発生時の補充調整も大事 - 場を楽しい雰囲気にするための工夫も必要です
・ムードメーカーとなるメンバーは貴重です
・場を盛り上げる工夫としては、賞金・商品制が良いと思います
・飲酒ありも、実績面からはお勧めです

大会当日運営の「キモ」:和やかな交流とスムーズな進行
大会をスムーズに執り行う上では、主催者が注意すべき事や準備などについてご紹介します。
主催者の管理項目
- イベントの開始と終了時間を明確に決めて、進行管理は丁寧に、厳しく進行します
- 大会開始の挨拶は、ケジメとして一定の体裁で実行し、ルール説明も行います
- 半荘(はんちゃん)一回につき、開始時間と、打ち切り時間を都度事前に明確に公表します
- 終日のイベントの場合、昼休み時間もスケジュール管理します
- 対戦組み合わせ表は、公平・公正に事務局が決定します
・出来ればパソコンやスマホで自動的に対戦表と集計ができる仕組み作りを推奨します(可能なら)
・集計は半荘ごとに都度丁寧にやらないと、あとでトラブルのもととなります
・大会の公平性を維持することは、継続性の面で非常に重要だと感じます - 大会終了時は、必ずケジメをつける意味で、しっかり結果発表、表彰などを行います
・表彰式までの集計は事務局にとって結構な手間であり、大変です(自動集計のメリット)

こうした一連の運営管理があって初めて、何年も続く大会として継続が可能になるのだと思います。
参加者の協力
参加者は「お客さん」ではありません。大会を成立させ・盛り上げ・創り上げる共同主催者の意識が必要で、事務局・世話役の人に任せきりにするのではなく、必要に応じて準備にも参加する意識が必要です。
参加者の積極的な協力なしには大会の成功と継続うまいかない気がします。
- 会場準備への積極的な協力
・麻雀卓の準備、麻雀パイの確認、点棒分配準備 - 大会の進行を盛り上げるために、積極的な関与
・ネガティブな言動は慎み、楽しい思い出造りに徹しましょう - 昼食や飲酒を準備する場合は、その準備、及び片付け
- 大会終了後の片づけ(卓や牌)、掃除

大会の進行は、参加者が作り上げる共同作品のようなものですが、やはり盛り上げ役の存在が重要で、少々元気過ぎるくらいのキャラがいた方が楽しい場になります。
静かに淡々と場が進んでいくのもいいですが、こうした場は交流面での活性化が重要だと感じます。
そして「主催側」と「参加者」の理想的な関係性の構築も重要です。
ケーススタディ:私たちの運営スタイルと成功理由
以下の事例は、私たちの大会が楽しくそして長く継続出来ているという点では、良い事例と感じていますのでご紹介します。主催者の価値観や好みの問題がありますので、適宜判断いただければいいと思います。
私たちの競技ルール
私たちのエリアは関西なので、完全先付、喰いタンなです。(これはエリアごとの事情で決めればいいと思います)
少し特徴的なのは、花牌ありでドラ扱いですし、更に赤五は筒子2枚と、萬子、竹子各1枚で計4枚入りです。

更に25000点持ちの25000点返しで、いわゆるオカ(トップ賞)がありませんので、更に差がつきにくくなっています(この点は個人的には微妙ですが、十分許容範囲です)。原点割れでの「飛び」もありです
この結果、偶然の要素がより高くなり、紛れが生じやすく、必ずしも上級者が優勝するというものではなく、比較的皆にチャンスがある形態となっています。
それでも、腕に覚えのある強者たちはそれなりには上位に食い込んでくるので、バランスがいいルールだと感じています。
私たちの時間管理
私たちのスケジュールでは、明るいうちに安全に家に帰って夕食を頂くので健全性が高いと思いますので推奨です。
- 9:15集合、9:30スタート(1時間打ち切り制)
- 12:00昼食
- 13:00午後の部スタート
- 15:00上位から順にメンバーを組んで最終戦(優勝決定戦的な意味合いもあり):決着まで時間延長あり
- 17:00表彰式(早く終われば前倒し)
時間は開催するグループごとの事情で、午前中だけ、午後だけ、午後から夜まで等、自由に決めればいいと思います。
私たちの表彰制度:参加費を徴収して賞品・賞金制
私たちの大会は、参加費3000円で、優勝賞金1万円でブービー賞を含めて、参加者の1/3くらいに何らかの賞金があり、漏れた人には漏れなく参加賞(大人気の餃子)があります。
参加費の中には、昼食代や午後のビール、日本酒、お茶、ジュース代も含みますので、納得感は高いと感じています。(一部自治会補助ができるのかもしれませんが、詳細は承知していません)
競技麻雀もいいですが、参加費&賞金制にして参加者のモチベーションを上げ、競争原理が働く方が盛り上がるのではないと感じます。
私たちの昼食準備、飲酒のルール
上記の通り、弁当は事務局準備(ほか弁、コンビニ弁当など)で参加費に含まれます。
お酒は、昼食時点から解禁となり、ビールは2本/1人なので少し酒好き優遇ルールかもしれません。日本酒も1~2本準備されます。
飲酒に関しては、参加者の意向もありますが、私たちの大会主催者、並びに参加者は昭和文化の人が多いからか基本飲酒ありルールとなっています。
幸いなことに、飲酒で語気が荒くなったり、手が震えて牌が積めなくなるような人はこれまで見かけたことがなく、相互監視の元でみな社会人としての品位ある行動ができていて少し感心しています。
そして、いつも和やかな盛り上りの中で楽しい歓声が絶えません。
まとめ
こうした大会は日常の接点のない人たちが集い、趣味を通じた同好会的な意味合いもあります。
いつもお世話になっている主催者の方のご苦労の上に成り立っている面もありますが、参加者の身としては大変楽しく貴重な場を提供していただき感謝の念に絶えません。
大会の運営を通じて見えてくるのは、主催者側に近い方々と、ゲストに近い方々のグループがあるということです。しかし、そこに分断があるのではなく、相互に交流の場として築き上げる意識があり、潤滑な運営を可能にしていると感じます。
こうした催しは、回数を重ねて相互の交流が少しづつ強い絆になってくるものだと思います。最初は、距離を置いた会話が、徐々に知り合い同士の会話になっていくことが大切なのではないでしょうか。
今回も参加させていただく中で、多くの顔見知りができ、年代を超えたコミュニケーションができました。
久しぶりにお会いする方との会話を楽しみ、初めてお会いする方とは新たな交流を深める貴重な機会です。
あなたの地域でも、ぜひ麻雀大会を開催して、新たな地域コミュニティを築いてみませんか?
最後まで読んで頂きありがとうございました。
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