皆さんはスキーは好きですか。
私は66才になりますが、40年近くほぼ毎年(細々と)、未だにスキーを楽しんでいます。
2024年シーズンの国内の有名なスキー場は、コロナもほぼ収束してインバウンドも活況となり、賑わいを取り戻してましたね。定年後の趣味としても人気で、ゲレンデには多くのシニアの方々が元気に滑走しておられます。
ところで、長年スキーをしている方の中で、技術的な進歩を感じにくくなっている方はいらっしゃいませんか。
かくいう私も2級を取ってからは、20年以上の経験で身に付いた悪癖に未だに苦戦してます。
今回のブログでは、私が今シーズンの実践で「たった3日で基本的な滑りが劇的に改善」したと感じた方法を、自称中級者以上の視点でご紹介します。
まだまだ未熟ですが、アイスバーンでのエッジグリップが向上し、安定したターンができるようになったと認識できるようになりました。
何より、ストックワークのタイミング、上半身のポジション、重心移動などがスムーズになりました。
カービングターンを説明するYouTube動画はたくさんありますが、これまでいろいろ試して大きな成果がなかった方は是非お試しください。
上級者は無意識に行っていることが多いですが、中級者が意識することで上達に繋がるポイントをご紹介したいと思います。
尚、私の実力はSAJ2級を取得して40年ぐらい経過した中級レベルの滑りです。
スキーで伸び悩む人に共通?の本質的で致命的な問題
私はこれまでにスクールなどで数多くのご指導をいただきながら、ほぼ結果につなげることができませんでした。
正直なところ、ご指導内容の雰囲気は「何となくこんな感じかな?」と思いつつも、「じゃあどうする?」というとこで「???」となってました。
自分の理解力の不足が原因だとは思いあたるところはあるものの、それだけではない気もするのです。
それは、指導者と学習者の間での技術レベルや視点、経験の違いからが、理解の齟齬を生む可能性があり、指導内容の伝わり方に差が生じているのではないでしょうか。
学習者にとって重要な基本が十分に身についていない場合、表面的な挙動の修正だけでは根本的な改善に繋がらないことがあります。
もちろん、教える側の都合は私にはわからないのですが、過去に多くのご指導をしてもらいながら、良く理解できなかったり、実践できていなかったのは、基本が出来てない中で応用に取り組んだことが問題だったと感じるのです。
なぜそう考えるかというと、ある気付きに基づいてやってみると、意外といろんなことが簡単に思えてきたのです。
そして、何より、今回自分なりの理解に基づき実践しできたことを振り返ると、この仮説はかなり確からしいと感じます。
解決のための「具体的なある気付き」とは
結論としては、総合的な本質挙動を最初に理解すれば、スキーは意外と短期間でそれなりに上達でると思います。
逆に、個々の動作(例:腕の使い方、視線)ばかりに気を取られ、全体的な動きの流れや重心移動を意識しない場合、効果は限定的だったのです。
私がたった3日で実践できた、具体的な解決方法と、それと対局の、私の「従来のNG挙動」をご紹介します。
私に欠けていた3つの重要な視点
以下の3つの根本的な視点での理解がとても重要だったのです。
- ターンを始める際には、スキーの前方(トップ)を雪面に押し付けるように意識し、内側のスキーから外側のスキーへと重心をスムーズに移動させながら、エッジを雪面に食い込ませていきます。これがターンをスムーズに行うための重要なポイントです。
※ここは栗山ミクさんのYouTube動画に学んだところですので、詳しく、そして正しい理解は【女王の思考回路】栗山未来的スキーカービングターン徹底解説!をご参照ください。(クリックするとYouTubeチャンネルに飛びます:左上の「←」クリックでブログに戻ります)
栗山ミクさんの動画では、ターンの始動における外スキーでの捉えと荷重の重要性が解説されています。 - スムーズで連続的なターンの前提として、斜面に垂直に立ち、板のソールではなくエッジラインに荷重し続ける
・多くの場面で多くの人に言われながら、斜面に垂直に立つことも、多くの中級以下の人が理解できなかったり、実践できていません
・そして、角度付けです
※これは武田竜選手のYouTube動画の言葉によると、「センターポジションを維持する上での必須条件」です - そして特に重要なのは、この三つ目で、スキー板をたわませるための荷重方向が、滑り落ちる斜面方向ではなく、その垂直(横)方向にする意識です
・厳密には重心移動の中で、バランスする姿勢が正解ですが、意識としては斜面傾斜の垂直(横)方向への荷重の意識なのです
実は、このシーズンで私が実践してよかったと感じた時には、下記の1.2.の意識しかありませんでした。
それでも、それまでの20-30年での試行錯誤に比べると、自分では劇的に改善したと感じたものです。
それは、1.の滑りをするためには、角度付けが必須条件になるので、3.の意識が不足していても、ある程度は望ましいターンに近づいたのだと思われます。
従来に比べたら、外向形の維持、後傾の改善、ターン終わりのニュートラルで腰位置が自然にセンターに戻り、次のターン始動準備が完了し、「ターン始動からのトップ押え込み」にスムーズに移行できたと感じました。
(過剰に良く言い過ぎなのは重々承知ですが、本人的にはそれくらいの感覚です)
しかし、板のたわみを活かして加速していくためには、それでは不十分で、斜面に垂直(横)方向に荷重していくための体重移動だったりバランス形成には下記の3.の意識が必要なようです。
この重要な視点の3.の実践のために意識すべき重要なこと!
実は1.と3.は連続性の面で補足の説明が必要で、1.の意識はとても重要ながらも、エッジラインに乗る意識のままでは、3.の「スキー板に対して、斜面勾配の垂直(横)方法に荷重する」のはかなり実現困難なのです。
ターンを始める際にエッジを立てる意識と同時に、ターンの中盤でスキー板を横方向に押し出すような意識を持つことで、板がたわみ、より深いターン弧を描くことができます。
(上級者のやや急斜面での滑りでは、ターン始動時にスキー板が雪面に接している時間が非常に短く、スムーズな重心移動によって連続的にターンを行っているように見えます。)
そして、3.の荷重を実現する上では、2.の斜面に垂直に立つ意識が無いと体をその状態に持っていくことは難しいのではないかと思います(少しイメージに近い話になりますが)。
上級者はこうした複合的な要件に対して、当たり前に身体が自然に動いている部分があり、中級者以下の人が「何故その動きができないのか」の理解が難しいのだと感じます。
明らかにダメな意識で起きていた私のNG挙動の事例
重要な対比としての従来の私の「NG挙動」を記します。
こうした、自身の滑りの問題点を客観的に理解することもまた重要です。
- ターン始動時には後傾挙動が無くても、斜度に対する恐怖などから最大傾斜に向かって上体が遅れて後傾気味となる
- その中で、最大傾斜位置前後で瞬間的なズレを伴うエッジングがターンと制動の主な挙動となっている
しかも荷重方向は斜面の傾斜下方への意識になっている - このエッジングは減速を伴い、後傾姿勢を解消する効果を伴い次のターンに向かうが、腰は上体に対して遅れがちになる
- 腰の遅れと内向形にもなりがちな為、次のターン始動にかけて腰のローテーション動作を伴いやすい
- 結果として、ターン始動での重心移動による乗込みが弱く、又は出来てない
- 急なエッジングはスキー板の速度を急激に落とすため、速度を維持しようとして体を後ろに傾けてしまう(後傾)。これが次のターンの開始を遅らせる原因となります。
つまり、私の「従来のNG」な滑りの最大の問題点で且つ致命的な課題は、後傾気味からの「瞬間的なエッジング」で更に荷重方向の認識間違いでした。
「ターン始動からの滑らかな重心移動によるエッジへの乗込み(荷重継続)」への意識改革は大きな改善のきっかけになったと思います。
後傾的な「瞬間的なエッジング」が諸悪の根源であることの理解がないままに、枝葉末節の改善のまねごとをいくら重ねても、10年しても大きな上達は見込めません(でした)。
さらに、スキー板への荷重方向についての理解不足も大きな問題でした。
スキー技術で伸び悩んでいる方は、同様の課題を抱えている可能性も考えられます。
瞬間的なエッジングの滑り自体には問題はないとしても、そうなる理由と、連動する後傾挙動が問題なのです。
そこでの最大の問題は、斜面に垂直に立つことへの恐怖感なのかもしれません。
冒頭の3つの意識に立ち戻り、次のシーズンに臨んでみたいと思います。
私が3日の実践(練習)で変化した、実際のBefore/Afterの画像
下の事例は、私が今年、3日程度でそれまでの滑りと大きく変わった(と思っている)、実際の変化をご説明させていただきました。
ポイントは、ターン始動時のトップの押え込みの意識と、板の角付けと、重心移動によるエッジラインへの乗込みに尽きます。
(厳密にはBefore映像 は数年前のものしかなく、しかも画像が悪くて申し訳ないですが、Beforeの滑りは先シーズンまでの滑りそのものです)
Afterの滑りでは、まだ外スキーへの荷重が不足しているように見えます。
しかし、自分の体感としては昨年以前に比べると、劇的に良くなっているのです(勘違い?)。
ターン始動でのエッジの角付けと重心移動の為の、お勧め練習方法
ターン始動時のスキー板の角付けと、重心移動によるエッジラインへの乗込みも習得には練習が必要です。
私が最も効果的と感じたのは、「レールターン」の練習を繰り返すことです。この練習は、①スキー板の角付けと、➁重心移動のタイミングの理解に非常に有効です。
私の経験上は、ほかの練習より優先して、まずはレールターンの練習をすることを推奨します。
なぜなら、私の経験ではカービングの基本であるエッジの角度付けと、荷重のイメージをつかみやすい練習だと感じたからです。
レールターンの練習は、エッジングの感覚を掴むには有効ですが、実際にターンを行う際には、スキー板をたわませるための荷重(外力)が必要になります。
これは、冒頭で説明した3つ目のポイント、つまり斜面に対して垂直方向に荷重する意識と関連しています。
YouTube動画でもカービングターンの導入として、「レールターン」を推奨しているものがありますが、私も良い方法だと体感しました。
まとめ
「瞬間的なエッジング」ではなく、「ターン始動からのトップの抑え込みと、エッジの角付けと、的確な重心移動」により、連続的なエッジラインへの荷重継続がとにかく大切です。
そのためには、最大斜度に対する恐怖心の克服もセットで必要です。
そして、板から反力を得るための正しい荷重方向のイメージを知りましょう。
それらがバランスよくできるようになると、最大傾斜を過ぎてもエッジラインに荷重し続けることで、滑り全体の無駄な動きが大きく軽減され、ターン終いのニュートラルの抜重で自然に次のターンの準備が出来て、カービングターンとしての基本の導入部分が実現できると思います。
私は、過去に「レールターン」の練習を何度かしたことがあったので、今回は3日ほどのトライである程度の改善が実現できましたが、レールターン未経験の方は、まずこの練習から始めてみてはいかがでしょうか。
レールターンは有効な練習方法の一つですが、他にも様々な練習方法があります。ご自身のレベルや目標に合わせて、適切な練習方法を選択することが大切です。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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