未経験の私が1km6分ペースの還暦ランニングを習慣化できた理由:具体的に細かくご紹介します

シニアの健康

シニア世代にとっては、近い未来の心身の健康を維持することは、年を重ねるごとにだんだん簡単ではなくなっていきます。60代の後半から70代にかけて、多くの方が急な体力の衰えを実感するのです。

最近、『ちょっとした段差につまずきやすくなった』『前より歩くのが億劫になった』『階段で息が上がるようになった』『以前より物忘れが増えた気がする』、こんなことを感じていませんか?…

そして、『これも歳のせいだから仕方ない』と諦めていませんか?しかし、その小さな変化が、実は将来の自立した生活を左右する、もっと大きな変化の始まりかもしれません。

その点で、ランニングへの取り組みは、経験上こうした「老い」への対応手段としてとてもお勧めできるものの一つです。有効な取り組みは他にもありますが、ランニングは総合的に優れた効果が期待できます。

『ランニングなんて、若い人の運動でしょ?』『膝を痛めそうで怖い』『正直、続かない気がする…』そう思われるかもしれません。

私もかつてはそう考えていました。しかし、あるきっかけでランニングを始めてみると、これが驚くほど楽しかったのです。そして、心身にポジティブな効果があると感じています。

この記事では、私が実践して効果を実感した、シニア世代だからこそ知っておきたい『故障を防ぎ、楽しく続けるランニングの秘訣』を、初心者ならではの経験を通じて感じた具体的な気付きなども交えてお伝えします。

ランニングは単なる運動ではなく、私たちの『未来の活力』への最高の投資だと確信しています。

【結論】還暦からのランニングは『価値あり』!私たちの実体験と科学的根拠

私が知るサンプルは非常に少なくn=2(妻と私)で、数年のズレは有りますがそれぞれ還暦あたりからランニングを始めて、現在まで私は7年妻は2年続いています。

二人とも、未経験からの挑戦でしたが、運動機能を含め心身の両面でやってよかったと実感できる効果を感じています。特に妻は私より熱心で、体重減少と運動機能の大幅改善は驚くほどです。

別記事ランニングの優れた効果を詳しくご紹介していますので、興味があればそちらをご参照頂ければと思いますが、簡単にランニングで期待できる効果をまとめました。

  • 筋力・持久力の維持向上:日常生活の動作(階段昇降、立ち上がりなど)を楽に
  • 心肺機能の強化:疲れにくい体になり、呼吸が楽になり、高血圧や心臓病リスクの低減も期待
  • 骨密度の維持:骨への適度な刺激は骨粗しょう症予防に効果的
  • 関節の柔軟性維持:関節の可動域を保つ
  • 血流改善(ゴースト血管対策):毛細血管が活性化により疲れやすさの改善効果
  • 認知機能の維持・向上:脳への血流増加で認知機能(記憶力、集中力、判断力など)の維持・向上
  • 脳由来神経栄養因子(BDNF)の増加:神経細胞の成長や記憶力に関わるとされる物質の分泌促進効果
  • ストレス解消・気分の向上:リフレッシュや達成感での自己肯定感醸成、うつ病リスクの低減
  • 生活の質の向上(QOL):行動範囲が広がり活動的な生活に繋がる

私たちの経験と、科学的なエビデンスに基づく様々な効果から、習慣化できれば間違いなく効果はあると断言できます。

私たちのランニングスタイル:無理なく続けるヒント

習慣化の程度ですが、妻は3~4日/週で5kmほど(ジムのランニングマシン)を走り、私は季節によりますが、1~2日/週で冬場は5~10km、夏場は頻度は増やしつつも2km前後(屋外)が中心です。

ランニングを習慣にするために必要なこと


私がここまで続けられている理由や、これまでの具体的な取り組み内容をご紹介しようと思います。

ある程度の習慣化に成功した秘訣は大きく次の二つですが、これはとても重要だと思います。

  • 人に言われてやるのでなく、自分の意志で目的と効果と有効性を理解・納得して取り組むこと
  • とにかく楽しいと感じることができること

まず自分の意志でやろうと思えるかどうか

多くのことは人に言われてやっても長続きしないと思いませんか?ランニングをやることに意味があり価値があると理解・納得できて、自分の意志で「よしやってみよう」という気になるかどうかが重要ではないでしょうか。

ランニングを続けられるかどうかで言うと、自分の70代を思い描いて「貴重な選択肢かもしれない」と決意をもって取り組むかどうかはとても重要だと思います。

そしてそれを楽しむ意識を持ち工夫してみること

そして、こういうことは義務感では続きませんし楽しくありません。一緒に始める人がいるのもいいかも知れませんが、その場合共倒れのリスクが高くなります。

走り始めの取り組み

どういうスタイルだったら楽しく続けられそうかを模索しながら、無理せず次に走るのは1か月先でもいいくらいの気持ちで緩く取り組みます。

  • ウォーキング→速歩→インターバル(歩きと走りの繰り返し)→ジョギングなど、無理なくやってみる
  • 特に最初は正しいフォームを意識する
  • 一度走ってみ、振り返って自分なりに考えてフィードバックしてみる
  • 無理のない間隔でしっかり休みを取り、疲れを残さないで続ける
  • 音楽を楽しむ時間として位置付けてみる

私は、ランニングをやってみて本当に楽しいと思えるようになりました。

自分のランニングが定着してからのMyルール

楽しんで走るためには、厳しい縛りを設けずに、時には自分に甘くすることも大事かもしれません。私のルールは甘々です。

  • 距離はノルマは設けず、その日に決めてもいいし途中でやめてもいい
  • 疲れたら歩いてもいい
  • 山道をトレラン風(坂道は歩くなど)に走ってみるもの気分転換にオススメです
  • 暑くなったら暫くはお休みしたり、1~2km程度だけ走ってみる
  • 調子が良ければ少し長距離も走ってみる
  • 山菜や季節の山の幸などを目的に走ってみる

かなり緩いルールですが、出来るだけ多くの機会を設けるように心がける意識だけは有ります。

妻は、几帳面に毎回5km程度走り、筋トレもやってます。人それぞれです。

やりながら楽しみを見つけられることも大事だと感じます。

【シニアの最大の壁】『故障かな?』そう思ったら:私たちの乗り越え方と対策

ランニングで発生する故障(ランナー膝、シンスプリント、足底筋膜炎など)についても、以前の記事に書きましたが、ランニングで特に重要なのはフォームです。走り慣れてくると楽に走れるフォームが分かってきますが、走り始めは身体が適切に対応できないことが多く、あちこちに痛みが出るものです。

痛みが出たら休み、改善しなければ医師に相談することが大切です。

私たち夫婦に起きたトラブル事例と、その対応方法をご紹介します。

膝の痛み、股関節の痛み:私の場合

私は数km走るぐらいなら特に痛みが出ることもなく走れたのですが、5kmを超えるあたりから膝の内側や外側に、そして時には股関節に痛みが出てきました。

無理をせずに、痛くなったら歩いた方がいいと思いますが、私は直観的に着地時のつま先の向きの微調整を繰り返したことで痛みが改善したり、再発したりを繰り返しているうちに今ではこうした痛みはほぼなくなりました。

とはいっても、最初の頃の数か月から1年くらいは繰り返し様々なところに痛みがでていて、都度微調整を繰り返すうちに周辺の筋肉等も対応してきたのかもしれません。

人それぞれに関節の動きにとって負担が少ない角度がある筈で、歩いている時には負担にならないことでも、走っている時には僅かな角度の違いで、腱や筋肉や関節の負担になるのだと思います。

着地時のつま先の角度微調整はお勧めの調整方法だと思います。又、手を振る時の左右の強さを変えて、股関節の痛みを改善できた経験もあります。走り始めには全身の動きのバランスの微調節が、あちこちで必要になるものなのだと感じます。

そうしたランニングでの代表的な故障例も、以前の記事にご紹介しています。私は結果的に医者のお世話になることはありませんでした。しかし無理は禁物で、おかしいと思ったら医療機関への相談は必要です。

足裏(足底張筋)の痛み:妻の場合

妻は走り始めの初期で、足裏の強い痛みで暫く走れない症状が出ました。これは足裏の足底張筋のアーチ形成の周辺筋肉が弱く、繰り返しの着地荷重による疲労症状で、対策は休息と、インナーソールの補助で対応しました。

痛みへの対応には、未発達のアーチ形成に関わる筋肉などの成長が必要だったようで、数か月は痛みと戦っていたようですが、一年もすると痛みは全くなくなったと言っていました。

この際には医師の指導に従って処置したようです。

妻は、私のような膝や股関節の痛みはなかったようです。

専用シューズの準備は必須レベルでオススメ:故障対策として重要

ウェアはお好みで走りやすい恰好をすれば大丈夫と思いますが、シューズはランニング用のしっかりしたものを準備しましょう。

ランニングシューズは単なる靴ではなく、ランニングという運動を安全に、快適に、そして効果的に継続するための「投資」と考えるべきです。特にシニア世代のランニングにおいては、怪我のリスクを最小限に抑え、長く健康的な生活を送るための必須アイテムと言っても過言ではありません。

ランニングシューズは「走る」という動作に特化して設計されており、その機能は思ったより重要です。

  • 衝撃吸収性の高さ:関節への負担軽減【重要】
    ・ランニングは、着地時に体重の約3〜5倍もの衝撃が足、膝、腰などの関節にかかります
    ・靴底にEVAフォーム、ゲル、エアなどの高機能なクッション材が着地衝撃を効率的に吸収・分散します
    ・ 膝や足首、股関節、腰への負担が大幅に軽減され、故障のリスクを低減します
    ・特に、骨や関節が弱くなりがちなシニアの方にとっては、怪我の予防に直結します。
  • 安定性とサポート性:正しいフォームの維持と転倒予防
    ・専用シューズは足のアーチを適切にサポートし、かかと部分をしっかりとホールドしてくれます
    ・これにより、足が靴の中でブレにくく、着地から蹴り出しまでの動作が安定します
    ・回内(足が内側に倒れ込む動き)などを過剰に起こさないように制御する機能を持つシューズもあります
    ・足首の捻挫やバランスを崩しての転倒リスクを減らし、不必要な筋肉への負担を軽減することで、効率的で怪我をしにくい正しいランニングフォームの維持を助けます
    ・シニアの方にとって、転倒は骨折などの重大な怪我に繋がりやすいため、安定性は非常に重要です
  • 軽量性:疲労軽減とパフォーマンス向上
    ・アッパー素材やアウトソールに至るまで、軽量素材が選ばれており足への負担を軽減します
    ・軽量化の効果で、長く快適に走り続けることができ、ランニング自体が楽しくなり、継続しやすくなります
  • 通気性:快適性の維持と足のトラブル予防
    ・ 長時間走ると足は汗をかきやすく、蒸れて水ぶくれやマメ、足の臭いなどのトラブルの原因になります
    ・ランニングシューズのアッパー素材は、メッシュなどの通気性の高い素材が使われています
  • グリップ力と耐久性:安全な走行と長く使えること
    ・アウトソール(靴底)は、路面との摩擦を最大化し、特殊なパターンやゴム素材で滑りにくいです
    ・繰り返しの着地衝撃に対する耐久性も考慮されています
    ・雨の日や多少の路面の変化でも滑りにくく、安全に走行できます
    ・一般的な靴よりもランニングに対する耐久性が高く長く使えます

こうして列挙してみると、私も「確かに!」と思い当たることはたくさんあります。本当に軽くて楽に、そして快適に走れます。

シニアの方にとっては、筋力や骨密度、バランス感覚の低下により関節への負担も大きくなるため、専用シューズはこれらの体の変化を補い、安全に運動を続けるための「補助具」としての役割を果たします。

私はPUMAのランニングシューズを最初に買いましたが、今思えばこの判断が今につながっている重要な選択だったのかもしれません。快適に走れるシューズは、ランニングを「楽しい」と感じさせ、継続する大きなモチベーションになります。

ランニングを始める前の準備:高齢者は特に注意します

ランニングはお勧めの運動ですが、高齢者の中には既にランニングには適さないケースも考えられます。必ず医師に相談してから始めてください。特に肥満や膝に不安がある方や心臓・循環器疾患の方は、必ず専門医と相談し指示に従ってください

  • 医師への相談:持病がある場合や運動習慣がなかった方は必ず事前の相談をしましょう
  • 適切なシューズ選び:クッション性、安定性が高く、足にフィットする専門店のシューズを準備します
  • ランニングウェア:体温調節しやすい、動きやすい服装で
  • 正しいフォームの意識:背筋を伸ばし、腕を軽く振り、着地は足裏全体で衝撃を吸収するイメージ
  • ウォーミングアップとクールダウンの徹底:走り始めと終わりには必ず簡単なストレッチや体操をします
  • いきなり走らない:ジョギングなど無理のないペースで体を慣らすことが重要性です
  • 水分補給:夏場は無理をせず、走る場合は必ず適切に水分補給します
  • 休養の重要性:筋肉の回復と成長には休息が不可欠です
  • 体の声を聞く:痛みを感じたらすぐに中止し、無理をしない

まとめ

ランニングは「未来の自分への投資」です。

ランニングでなくてもいいですし、出来る範囲でいいと思います。

未来の自分に怒られないように、今出来ることを始めてみませんか。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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